牡羊座3度(牡羊座2度0分〜2度59分)

日本語訳)

牡羊座3度 自国の外形線(=輪郭)の中にあるカメオの横顔


※cameo(カメオ)とは、頭部などの浮彫りを施した瑪瑙・貝殻などのこと

これは、日常的な出来事への参加の幅の広さの象徴であり、一人ひとりが、自分が生まれた伝統や文化を体現する傾向があることを示している。ここには、より広範な共同体の利益に対する没個性的な自己献身と、集団の現実性の焦点としての自己の極めて個人的な表現の両方が示唆されている。

キーワードは “exploitation(活用、開発)” である。

プラスの場合、自分自身のために創り出した現実のあらゆる影響をフルに発揮する能力がある

マイナスの場合、人間関係に関する
現在のあらゆるステレオタイプ(=固定観念)に(自分が)縛られたままにしておく想像力のない慣習がある。
原文
ARIES 3  A cameo profile of a man in the outline of his country
This is a symbol of a real breadth of participation in everyday affairs, and of the extent to which every individual tends to epitomize the tradition and culture from which he has emerged.
There is here the suggestion of both an impersonal self-dedication to broader community interests and a highly personal dramatization of the self as a focus for group actuality. The keyword is EXPLOITATION. 
When positive, the degree is man's ca pacity for giving full play to every ramification of the reality he has created for himself, and when negative, an unimaginative conventionality which leaves him in bondage to every current stereotype of human relations.


(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)


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牡羊座3度 彼の祖国の形をした男の横顔の浮き彫り


​地域的な集団意識に同化して、その地域的な特質を典型的に表す人となります。意思決定を個人では行えないのですが、時代性や地域性を忠実に反映した行動を取るために多くの人にとっての基準となる人生です。


 5度区分での3番目の度数は、1番目と2番目の度数を調停的に混ぜ合わせた応用性を持ちます。牡羊座の1度のまだ自我が明確でない生まれたばかりの人は、2度で自分の置かれた環境を模倣を通じて懸命に観察します。彼はいろんな人の行為を真似してゆきますが、3度になると、環境の細部への模倣から解き放たれ、もっとトータルな集団意識に同化し始めます。たとえば、ある町に住み始めた人が、その町を行き来する人を観察するうちに、その町全体の集団的な特徴に同化してしまうようなものです。結果、いかにもその町に住んでいそうな典型的な人となり、その町の景気がいい時にはその人も元気になり、不景気になるとその人も冴えない感じになってくるようなものです。
 このようにして、集団意識の吸い取り紙のようになった個人は、個性としてはありきたりで面白みがありませんが、集団意識を代表する存在として、個人的な生活に埋もれた人には見えてこない、集団意識の風見鶏のような役割を担ってゆきます。牡羊座は大きな赤ん坊のようなものですが、3度では集団意識の鏡として行為するので、人々に対する影響力は非常に強くなります。その影響力は作為的ではなく、また、個人としての自我が未形成なために、善悪の基準がなく、よいものも悪いものも吸収してしまいます。もし、この人が悪いことをしたとすれば、それは彼が属する集団が無意識に抱いた衝動であるにもかかわらず、意識の表面ではタブーとしてきたものを、この個人が表面化させたのだと言えます。この時、彼の行動を通じて人々は自分がほんとうは何を考えてきたかを知るのです。
 この度数は集団意識の非常に敏感なアンテナとなるので、多くの人が彼の行動に振り回されます。個としての自我が形成されてくれば、集団的な影響から自らを防衛し、この集団意識の肖像としての役割は終わりますが、自我が未熟な牡羊座の初期の段階では、時として集団社会の生け贄的な立場になることもあるのです。個人の防衛力としての自我ができないまま集団意識の鏡となるという点で、ルディアはこの度数をブラフマンに関係した度数だと述べました。

 鏡関係にある天秤座の3度は “新しい日の夜明け、すべてが変わった” ですが、1度の “突きとおす針により完壁にされた蝶” という、他者から見られる意識の中での人格像に同化してスタートした人生が、ただ人から注目されるだけにとどまらず、運命まで変えてしまう段階に至ったことを表します。新しい人生環壊の中にとりあえず参加する点においては、牡羊座の3度も同様でした。
 蟹座の3度は “毛深い鹿に先導される毛皮に包まれた男” です。その前の蟹座の2度で個人的立場からものを見ることを捨て、より広い視野を手に入れましたが、ここに来て観察するだけではなく自ら前進することを選んだのです。
 山羊座の3度は “成長と理解に対して受容的な人間の魂” で、2度で射手座の精神的な支えを失った後、実践の中で新しい価値を作り出そうと意志を固めます。このように考えると、活動宮の3度は新しい環境の中に踏み出すことに関係していると言えます。
 活動宮の3度は新しい環境の中に踏み出すことに関係しているといえます。

進行天体がこの位置にある時


 地域社会や国家など、集団意識の鏡としての行為に駆り立てられる時期です。集団意識のあやつり人形と言ってもいいでしょう。個人としての判断ができず、後で取り返しのつかないことをしてしまったと後悔する場合もありますが、自我の防衛がきかないので、世間から受ける大きな力に抵抗できないのです。個人としての責任を問うには難しい状況です。その一方、一人の人間にはとうてい無理だと思われるような大きな力を発揮することもあります。集団意識はたいてい表向きのスローガンとは違う衝動を抱いています。多くの人は戦争はいけないと言いますが、心の中が怒りに満ちている時、その衝動のはけ口として戦争を起こすこともあるのです。そのような時には、この度数にある人が引き金を引くことになりやすいでしょう。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)


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