牡羊座2度(牡羊座1度0分〜1度59分)

日本語訳)

牡羊座2度 グループを楽しませている一人のコメディアン

これは、人生が繰り返し自分自身に向けて掲げる鏡の象徴であり、それによって自分自身を日常的に理解しやすくなる。各個人のアイデンティティは、その経験のまったくナイーブな可能性に投影され、それによって新鮮で超越的な自己観がもたらされる。他者との一瞬一瞬の接触の中で、自分が役に立つと思うどんな役割でも演じることができることを発見し、自己リハーサルで得た絶え間ない自己肯定感とともに、人間の個性の高まりがここにある。キーワードは “release(解放)” である。

プラスの場合、完全に奔放な自己表現による個性の力がある

マイナスの場合、無駄な(無意味
な)興味の転換によって共同の責任を軽視する
原文

ARIES 2  A comedian entertaining a group 

This is a symbol of the mirror which life holds up to itself recurrently, and so facilitates an everyday understanding of itself. The identity of each individual is projected back into the wholly naïve potentials of his experience, thereby providing a fresh and transcendent self-perspective. Here is man's heightened individuality as he discovers he may play whatever role he finds useful in each momentary contact with others, together with the continual self-reassurance he gains in self-rehearsal. The keyword is RELEASE. When positive, the degree is the power of personality through a full and completely uninhibited self-expression, and when negative, a neglect of common responsibility through idle diversions of interest.

(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)

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牡羊座2度 グループを楽しませているコメディアン


​具体的な生活方針を決める時に、身近な人をまねて行動や技術を習得します。本人はきまじめですが、周囲の人の笑いを誘います。純粋な鏡のような性質を持っているために、模倣対象の奇妙な癖が浮き彫りになるからです。


 牡羊座の1度で新しい体験の世界に誕生した人は、体験的には無垢な状態の中にあって、どうやって生きていけばいいのかわからない段階にありました。
 そのような状況に置かれた時にできることといえば、周囲を見渡し、多くの人を観察し、その生き方を模倣することです。しかしまだ分別も大人的な常識も育っていない幼児のような意識で模倣するのですから、そこには節度というものや脚色がありません。その結果、模倣した姿は、模倣される対象の奇妙な癖やおかしなところをそのまま増強したものとなり、周囲の人の爆笑を誘います。
 しかもこの度数では生命力も溢れていて、模倣は真剣でダイナミックな行為となり、よけいおかしさを増してしまうのです。
 多くの人はこの人の笑いを誘う模倣を見て、あらためて自分の生き方を見直します。それは透明な鏡だとも言えます。そんな皮肉も悪意もない、この度数の人の観察力は多くの人に強いインパクトを与えてしまいます
 それぞれの5度グループにおいての2番目の度数は、1番目の度数に対して対立した方向性を示します。1番目が天なら2番目は地。その点で牡羊座の2度は自分の置かれた環境を見渡して、そこでの行動を決めてゆくのです。
 何も情報がない時には、周囲を観察して真似するしかないのは当然です。


 鏡関係の天秤座2度は “六番目の時代の光が七番目のものに変質する” というやや難しいもの。数霊的に言うと、六番目は受動的な反応を表し、七番目は能動的な行為を表します。当初は自らの意志というより、周囲へのリアクションに過ぎなかった姿勢から、こんどは外界に積極的に意志を表明する方向へと転換します。
 1度ではピンにとめられた標本として人々の目線を意識する。しかし2度では、こんどは主体的な意志を打ち出していくのです。その意味では、牡羊座の2度の「コメディアン」と似ています。本人も周囲を観察し、そこから吸収したものを行為として積極的に表すからです。天秤座は人の集まる社会性のサインですから、部族という単位で描かれるのですが、牡羊座は、無意識の果てしない海から自我が生まれたばかりで、根本的に孤独であり、友達や親しい人がいるわけではありません。まだ何にも染まらない個人として行為し、心は多くの人と共感を感じることなく、とりあえず理解をする手がかりとして、周囲の人の模倣をしてゆくのです。
 活動宮は何かをスタートさせるサインです。蟹座では個人の意志を捨ててより大きな集団的な価値に重きを置くことになります。蟹座の2度、“広く平らな場所の上につるされた男” は、個人的立場からものを見ることを捨てて、より大きな視野を持つことを意味します。しかし着地はしていません。
 牡羊座の2度も、まだ個人のものの見方を示す自我が十分に育成されていないので、いろんなバラエティある人格を模倣している段階で、まだまだ生き方としては仮のものでしかありません。
 もう一つの活動宮の山羊座は社会的な業績などにおいて積極的に振る舞うサイン。この山羊座の2度の “三つのステンドグラスの窓、一つは爆撃で損傷している” というシンボルは、山羊座の野心的な行動によって射手座の精神性が壊れてしまい、それまでの自信が思い込みだったのかという殺伐とした状況に置かれます。牡羊座の2度の精神の中にも、これに似た不安で、どうしていいのかわからない心情が隠されています。

 進行天体がこの位置にある時

 進行天体がこの位置に入った時には、わからないことがあれば、身辺をじっくり観察して真似るといい時期だということです。外国旅行をして食べ物の食べ方がわからない時に、隣で食べている人をそれとなく観察して真似てみる行為を思い浮かべてください。自分の活動のよりどころがまだはっきりしていないので、休めない行為の中で不安感を拭い去ることになりそうです。しかし今のところはまだ、周囲をたえず観察して学習することに時間を使うとよいでしょう。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)


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