牡羊座1〜5度(牡羊座0度0分〜4度59分)(第1グループ)・・・
存在をこの世界に割り込ませる

 牡羊座の始まりの5度グループは、春分点で生まれ落ちた牡羊座の魂が、社会環境の中に自分を割り込ませるという目的に向かってがむしゃらに行為を始める段階です。

 12サインの流れは人の魂の成長物語として読むことができますが、その第一歩であるこの段階は、「無」の世界からこの社会に生まれたばかりの状態です。生まれたばかりの魂が最初にしなければならないことは、まず自分の存在を確実なものにすること。もし意志が弱まり、消極的になると、無意識の中に飲み込まれ、個人としては成立し得なくなります。
  このグループの人は「自我」はまだはっきりできあがっていませんが、それは魂の成長物語ではずっと後の課題です。考え方や生き方を確立する以前に、今はこの環境の中で力強く確実に生きる力を強めなくてはなりません。

 また、時としてこのグループの人は、不思議な能力を発揮することがあります。幼い子供が神のような賢さを見せることがありますが、それはまっさらな魂を持っていればこそ。生まれ落ちたばかりでまだ自我が明確にできていないこのグループの人も、同じように人智を超えた大きな意識を直感的に理解することがあるのです。自我が確立するということは、言い換えれば「個人」という枠の中に閉じ込められるということ。自我が明確になってくるとこうした能力は弱まり、かわりに分別や理性が優勢になります。そうした人には、このグループの人が直感でつかむ大きな意識は理解できません。この段階にある人は、いわば大きな赤ん坊なのです。だからこそ多くの人に働きかける強い力を持っていたり、神がかった影響力を持つことがある、不思議な存在でもあるのです。

 ただ、この段階の人は社会的適応性においては幼い状態。幼児が周囲をまねるように人をまねたり、周囲と同化するケースも多く見られます。
 純粋な意識を持つ反面、自分が持たないもの、すなわち世俗的で日常的な事柄に強い関心を抱く人も多いようです。けれど出生のホロスコープの天体のいずれかがこの度数域にある人は、世間を気にするよりも、まったく新しい活力がわき出てくることに関心を向けた方がいいのです。世間の価値観にあわせるのではなく、無から有を生み出すような潜在力を発掘することを心がけましょう。その探求が、他の人にはできない新しい世界を切りひらく可能性につながるのです。


 このグループにアセンダントがある人

 どこか曖昧な雰囲気を持つ人です。何を考えているか、雰囲気からは察することができません。性格は、衝動的で行動的です。体験して試さないことには何もわからない、というのがポリシーです。いつまでも大人にならないキャラクターですが、それがこのグループの人の魅力です。


 このグループにMCがある人

 自分のポジションをどこに置くかで試行錯誤を繰り返す人です。どんな仕事をしたらいいのか見当もつかないし、社会の中でどう振る舞えばいいのか迷い、いろんな職歴を試す人もいそうです。このグループの人は、自分を無理に型にはめようとしない方がいいでしょう。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)


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 太陽がこの位置にある時期(3/21頃〜 3/25頃):春分の初候(七十二候の第十)

雀始巣(すずめ はじめて すくう):雀が巣を構え始める(日本)
玄鳥至(げんちょう いたる):燕が南からやって来る(中国)

出典はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/愛蔵版-サビアン占星術-エルブックス・シリーズ-松村潔/dp/4651201091