下弦の月が欠けていくとき
だんだん月が欠けていく
下弦の月
崇高なへびが咥えた王冠
剥ぎ取られた頭
裸の王様の家来が追放され
給仕係りの女がボルシチを煮た鍋の柄杓で頭を叩くと
叫びはじめる
だれか助けてくれ!
もうこの世は終わる
あらゆる価値が混沌としながらも
ただ、金と権力だけがとめどもなく膨張して
坂道を転がり落ちて行く
理想
だんだん月の輝きが欠けていき
もう誰も月の光を見ない
明け方ひっそりと出た途端
すぐに西の空に沈んでしまうから