夫が旅立ちました。
もう少し側にいてくれると思ったけれど、
先にどこかへ行ってしまいました。
夫の優しさでしょうか、わたくしの誕生日を祝ってからの旅立ちでした。
出来れば静かに穏やかにおくりたかったけれど、感情にまかせた姑にののしられ、それを制する様に夫は言葉にならない声をあげました。
最後の最後までわたくしを守ってくれました。
子を先に亡くす親の気持ち。
誰かに当たっていなければ保てなかったのでしょう。
でもあの瞬間だけは抑えておいて欲しかった。最後の最後まで自分の気持ち優先の姑
ツラくなかったかと言えば嘘になりますし、当然腹も立ちましたが、あの人はそういう人なのです。
散々人を傷付けて、支えてくれた訪問看護師さん達にも失礼な態度をとって、自分だけ落ち着きました。
今わたくしはやる事にまくし立てられていて、
高齢の姑の今後の心配やらもあり、夫の死をゆっくり悼む事も出来ていません。
だから、なんとも実感が無くて
でも、「ねぇこれは?」と相談する相手は既に無く
顔が見えないのがさみしくて、あちこちに写真を並べました。
わたくし1人ではどうにもならなかった葬儀は、いとこが沢山手伝ってくれて、それは愛情に溢れた葬儀となりました。
長年、姑のひどい言葉に打ちのめされて疎遠だった親戚ですが、姑の性格を知っているので、表だってではなく、裏でこっそり心配して沢山声をかけてくれました。
とても田舎で、今では無いようなしきたりや風習があって、いちから教えてもらいながらの葬儀でした。簡略化が進み続ける現代で、しきたりや風習の継承って凄いなと思いました。
夫の姿はどこを探しても無くなりましたが、不思議と思い出す夫はいつも笑っています。
四十九日、どんな修行をしているのでしょうね
朝起きて、写真を見て、通話の録音をした夫の声を聴きます。
夫の匂いのついた枕を嗅ぎながら寝て、夫の服を羽織って過ごす
「すまんの」と言う声が聞こえる気がします。
「すまんの。すまんすまん」
ほんとだよ。
一人で大変だよ
「まぁそう言うな。ありがとありがと」
泣くのはもう少し先になりそう。
落ち着いたら
ってみんな言うけど、落ち着く日がちょっと怖い
落ち着いたら
わたくしどうなるんでしょうね。
とりあえず、事務処理終わらせて仕事復帰しないと
仕事して一人で食べて行かにゃなりません。
生きて行くって大変だ