ジョージアの伝統的なワイン製造法であるクヴェヴリ製法に関する研究が、ワイン愛好家や製造者たちの間で大きな関心を呼びました。特にGamtkitsulashviliの研究は、クヴェヴリ自体の粘土がワインに独特の味わいを与える可能性があることを示唆しています。

この研究によると、950℃から1,000℃の範囲で焼成されたクヴェヴリは「最高の結果をもたらした」とされています。この焼成温度のクヴェヴリから得られるワインは、新鮮さと主要なブドウ品種の香りを保ちながら、ミネラル感、タンニン、塩味の印象を強く感じさせ、クヴェヴリの特徴ををワインに付与することができるとされています。

一方、1,250℃で焼成されると、粘土鉱物の結晶構造が変化し、ガラス状のセラミックに近い状態になるため、クヴェヴリ特有のキャラクターが消失し、他の中性の容器と同じようになってしまうと論じられています。また、950℃以下で焼成されたクヴェヴリからは、ワインに望ましくない特性が見られ、これはクヴェヴリの壁からワインにミネラルが移行することに起因するとされています。

しかし、適切な温度で焼成されたクヴェヴリを使用した場合、粘土自体の味がワインに影響を与えるわけではなく、むしろ、ブドウの皮との接触がアロマ、色、骨格、タンニンをワインに与える主な要因であるという点が強調されています。クヴェヴリ製法のワインは、微妙なミネラル感、特にタンニンのしっかりとしたグリップ感、そして従来のワインよりも高いレベルの揮発性でその特徴を表現しています。
※個人的には1200度以上で焼成されるクヴェヴリを使用したワインを選びます。