「隠蔽捜査9 探花」
「隠蔽捜査9 探花」 今野敏 新潮文庫 ☆☆
シリーズ第9話、神奈川県警刑事部長になっての第2話。
『日米地位協定は曲者だ。正式には「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」 という。
こんな長たらしい名称をつけること自体が、実にばかげている。官僚か法律家にしか考えつかないことだ。
この時点で、もう普通の間隔ではない。』
神奈川県の他府県と違った点に、米軍基地がある。
また前回のお話 (「隠蔽捜査8 清明」) では、日本最大の中華街があるということがお話のきっかけになっていた。
『なるほど、薬物密売か……。
需要を喚起する必要がない特定の品物の販売については、歴史的には為政者が独占してきた。
……
需要が絶えることがないという意味では、麻薬や覚醒剤といった薬物も同様だ。』
事件は殺人から薬物がらみに。
『花を探すと書いて探花だ』
……
『科挙の最終試験の合格者で、トップを状元、二番手を榜眼、三番目を探花と呼んだそうだ』
予期せぬ同期の出世争いも加わってくるものの、
主人公・竜崎伸也のいつもながらのブレのなさに、
期待通り楽しませてくれます。
『ジャーナリズムは民主主義に不可欠なものだ』