「さよなら、愛しい人」 | せともん屋のおっさんの日記

「さよなら、愛しい人」

「さよなら、愛しい人」   レイモンド・チャンドラー   ハヤカワ文庫   ☆☆☆

 

村上春樹訳

 

私立探偵フィリップ・マーロウシリーズ第2作

 

『なにしろ胡散臭い商売ですからね・・・たいした金にはなりませんね。哀しみならたくさんお目にかかれますが。でもそれと同時に楽しいことも少なからずあります。思いもかけず大きな事件に巡り合えるチャンスだってなくはない』

 

今回は、たまたま殺人現場に居合わせたことから、事件に巻き込まれ、

暴行を受け、麻薬浸けにされたりと、散々な目に合わされるが、

それでも、かわいい女性が現れたりします。

 

『彼女は君に好意を持っている』

『良い子だ。私の趣味ではないが』

『良い子は気に入らんのか?』

『私はもっと練れた、派手な女が好きだ。玉子でいえば固茹で、たっぷりと罪が詰まったタイプが』

 

語り口は、シニカルで絶好調です。

その文章に触れるだけでも十分楽しませてくれます。

 

そして、よく飲みます。

ウィスキー・サワー、バーボン、スコッチ・アンド・ソーダ、ドライ・マティーニ、、、

 

発行が、1940年。

当時、ヘミングウェイが流行作家だったのか、

その名のあだ名をつけられた警官が登場します。

 

『おんなじことを何度も何度も繰り返して言うやつだ。そのうちにそれは素晴らしいことなんだと、こっちも考えるようになる』