生物学的製剤って普通の薬剤とはどう違うの?って思いますよね。
普通の薬剤は化学的に合成されたものですが、
生物学的製剤はバイオ製剤とも言われて、
バイオテクノロジー(遺伝子組み換え技術や細胞培養技術)で作られます。
体内に存在するような物質であり、高分子のタンパク質なので、
内服すると普通に消化されてしまいます。
それで点滴や皮下注射で投与されます。
特定の分子に作用することや、
高分子なので細胞の内部に侵入はしないため、
比較的副作用が少ないのも特徴です。
通常の合成された薬は低分子であり、いわゆる化学物質ですので、
代謝経路がそれぞれ肝臓や腎臓などであり、
それぞれの機能が低下している人には使えなかったり、臓器への負担による副作用もありますが、
生物学的製剤は体内の組織とも言えるような構造なので、臓器への負担の心配もありません。
私はこの治療薬がアトピー性皮膚炎に可能になって、
医師として心から嬉しく思ってます。
以前は、アトピーの治療はその治療薬の様々な副作用との戦いでもありました。
根本治療は食生活の見直しから始まり、長い時間が必要でした。
生物学的製剤の効果は目を見張るもので、正常の方と遜色ない肌になり、
かゆみはわずかになり、みなさん健やかな睡眠時間を過ごすことができます。
前置きが長くなりましたが、
4つの生物学的製剤の簡単な紹介です。
① デュピクセント
人型抗ヒトIL4/13受容体モノクローナル抗体
⭕️生後6ヶ月から使用可能
2週間隔
②アドトラーザ
人型抗ヒトIL13受容体モノクローナル抗体
15歳から使用可能
2週間隔
③ミチーガ
人型抗ヒトIL31受容体モノクローナル抗体
⭕️特徴はかゆみに対する治療薬
6歳から使用可能
4週間隔
④イブグリース・・5月31日から発売です
人型抗ヒトIL13受容体モノクローナル抗体
成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児
4週間隔か、2週間隔(最初の2回は2週間隔)
それぞれ特徴があり、
患者様に合った製剤を選びます。
いずれも従来の治療に難治であるという
ある程度症状の重い方が対象です。
また、高額医療の対象になります。
ただ、イブグリースは4週おきであり、
三割負担の方で18500円程度なので、高額医療控除の対象にならず、
4週間隔であれば、コスト的には一番おすすめですね