すべての細胞が分泌するエクソソーム
美肌やアンチエイジング、疾患の治療に役立つ
幹細胞(若いが大事)由来のもあれば、
癌細胞から放出されるエクソソームもある。
実は癌細胞の転移にエクソソームがキーマンであった事を
東京工業大学生命理工学院 星野先生が Natureという
最も権威ある学術雑誌に発表されています。2015年ですので、
近年の研究スピードからすると もう確立している概念ですね。
要するに
癌の転移はその前段階として(前転移ニッチ)
エクソソームがその臓器に到達して、足場を作っているということ。
例えば乳癌は肺・肝臓・骨・脳に転移しやすいのですが、
(すべての癌が転移しやすい臓器があります)
乳癌細胞はその転移先の郵便番号のような表面マーカーを持っていて、
その臓器にたどり着いていたのです。
(インテグリンという膜貫通タンパク質です)
そして、そこに初めて癌細胞がたどり着き、エクソソームが先に作っていくれた足場を利用して生着・そして増殖が可能となります。
エクソソームが作る足場がなければ、癌細胞はたどり着いても生着ができないのです。
右側の緑に光っているのが肺への郵便番号を持った癌が放出したエクソソーム。
そこに特に肺に特異的に転移するわけではない癌細胞を注入すると
エクソソームの存在部位に癌細胞が増殖します。
左側のエクソソームを投与してない組織には同じ癌細胞を注入しても癌は生着しません。
エクソソームはすべての細胞が放出していて、
たった1mlの血漿中に数兆個が存在している
37兆個の細胞同士が情報交換をしている
想像もできないような世界ですね
これから 人体の仕組みが飛躍的に解明されてくる 予感。
癌だって転移さえしなければ、共存も可能です。
エクソソームを利用した診断・治療が始まっています。
研究者の方々に心から敬意と感謝を捧げます