私たちの体はおよそ37兆個の細胞で成り立っていますが、

そのすべての細胞がエクソソームという脂質二重膜で囲まれた小さな粒子を出しています。

『星野歩孑

東京工業大学生命理工学院』発表より抜粋

 

20年以上前まではそれは細胞が出すゴミ(おしっこみたいなもの・・)と考えられていたそうです。

 

私たちの血液の血漿1ml中に1兆個ほどのエクソソームがあるというのですから、すごい世界ですね。

大きさはウイルスと同じくらいです。

 

このエクソソームは血中に流れ出し、様々な臓器に情報を伝達して、

臓器間のクロストーク・情報交換を担っているとされています。

 

そして、若い人の幹細胞が分泌したエクソソームを老化した細胞に添加すると若返ることが知られていますので、

 

今、エクソソームが若返りの代名詞のようになっていて、

様々な美容処置、点滴、化粧品、と旋風をおこしています。

 

現在使用されているエクソソームは脂肪幹細胞を培養することで、脂肪幹細胞が出してくれるエクソソームです。

 

愛星クリニックで再生治療に使用している 脂肪幹細胞培養上清液も当然エクソソームが含まれています。

ただ、私は皮膚の再生を促すためにはサイトカイン(成長因子)だけで十分だと考えてます。

特に他の臓器への効果は求めていませんので。

 

また、今回話題を集めたのは、

10月13日、一般社団法人再生医療抗加齢学会で、エクソソーム点滴による死亡事例が発表されたから。

エクソソーム自体の問題とは思えないのですが・・

詳細は明らかにされていないので情報を待ちたいです。

専門家によれば、エクソソーム製剤がその製法などにばらつきが大きく、検証してみるとエクソソームとは言えないものが多い・・と。

うーん、あるかも・・。

 

エクソソームは癌の転移に関わっていて注目されています。

(これすごく興味深いですよ。またお話ししますね)

さらにはその治療に期待が寄せられ、世界中で研究が進んでいます。

 

その数や種類の膨大さで私体の体をネットワークで繋げている様子は

インターネットの世界とか、腸内細菌の世界に例えられています。

 

悲しい事故がありましたが、今後の研究に大きな期待を寄せています。