◆火星

次は火星ね。
 

 

火星は情熱と行動の星。ポジティブかネガティブかで言ったら、

 

 

どちらかと言えばネガティブ側に分けられる星でもあるんだけど、

 

 

情熱って結局、使い方次第でポジティブにも、ネガティブにもなるでしょ?

 

 

多くの人はこの火星の情熱をうまくコントロールすることができないから、

 

 

「怒り」としてそれを発露してしまうの。

 


だから火星の情熱はその「使い方」をマスターすべき星の1つよね。

 


この火星をどこに持っているかで、

 

 

どういうことに情熱を向けると結果が出やすいかが分かるから、

 

 

それを知っておくといないとでは、人生の動き方が大きく変わってくるわけ。

 


ちなみに女性が持っている火星の位置で、

 

 

その人が恋愛でどんな男性を求めるかが分かったりするのよ。







「そんなことまで分かるんだね」と僕は言った。

 

 


サラさんはまっすぐ前を見ながら肯いた。

 

 

 

「女性の場合は火星の位置で恋愛の好みを見て、

 

 

 

太陽の位置とか、他の星と取る角度で結婚相手の傾向を見ることができるの」

 

 


「結婚相手までわかっちゃうんだね」と僕は素直に関心した。

 

 


「理論上はね」そう言って彼女は、こちらをじっと見た。

 

 


僕はなんだか居心地が悪くなって、道の脇にあったベンチに視線を向けた。

 

 

 

それから手持ち無沙汰で「女性にとっての恋愛は火星で、結婚は太陽」と言ってみた。

 

 


「ほら、よく恋愛と結婚は別って言うじゃない?

 

 

 

あれは星の世界でも同じでね、火星の好みで相手を選んでしまって、

 

 

 

それが太陽の好みとギャップがあったりすると男性選びで失敗する、なんてこともあったりするわけ」

 

 


「ふうん」と僕は言った。「なかなかおもしろいんだね、占星術ってやつは」

 

 


「そうでしょ? ちなみに男性はね、金星が恋愛の好みで、月が結婚相手と言われているの」

 

 


「女性は火星と太陽で、男性は金星と月」と僕はまた繰り返した。

 

 


「まあ女性の場合、火星以外に、金星も恋愛に影響したりもするけどね」

 

 


「つまり、女性の方が少し複雑なのかなぁ」と僕は言った。

 

 


「それはいつの時代も、どの業界も似たようなものじゃない?」とサラさんは言った。

 

 

 

「そんなことより、あの赤い車、素敵ね」

 

 

 

 

 


僕はサラさんの指さした方を見た。赤いオープンカーが道路脇に駐車してあった。

 


 

「914だね」と僕は言った。

 

 


「なあに、それ?」

 

 


「あの車の名前だよ。ポルシェ914」
 

 

 

「ふうん」と彼女は言った。「車が好きなの?」

 

 


「ポルシェだけね」と僕は答えた。「とは言っても、914はワーゲンとポルシェのあいのこみたいな車だけど」

 

 


その914はずいぶんと綺麗に手入れされていた。タルガトップのBピラーの具合を見ればそれが分かる。

 

 


「次は木星かな?」と僕は訊ねた。

 

 


そうね、とサラさんは言った。



◆木星
 

木星はね、太陽系で最大の惑星ということもあって、

 

 

占星術では「広がり」や「拡大」の象徴として扱われる星なの。

 

 

生まれたときの木星の位置は、その人がもともと持っている強みや才能を表すんだけど、

 

 

同時に適職とか、才能を活かしやすい「分野」も見ることができたりする星でもあるの。

 


ちなみに覚えているかどうかわからないけど、

 

 

木星はひとつの星座にちょうど1年滞在する星でね、

 

 

その年の流行とか、発展しやすい分野も見ることができたりして、

 

 

星読み業界ではプラスの方向で見る人も多いけど、

 

 

逆に木星は、木星が重なった分野広げすぎる傾向もあったりして、

 

 

場合によってはそれがネガティブにはたらくこともあるのよね。



◆土星

他には冥王星とか海王星とか天王星もあったりするけど、

 

 

ひとまず大きな影響を与えるという意味で、今日は土星まで話すわね。

 


土星は基本的に課題や忍耐を表すタフな星なのね。

 


12星座にはそれぞれ特徴があって、その人が生まれたとき、

 

 

土星がどの星座に重なっているかによって、課題が変わったりするわけ。

 

 

タケルくんなんかは「てんびん座:土星」だから、

 

 

人との距離感が苦手だったりすると思うんだけど、

 

 

同じ学年の人はたいてい同じところに土星を持っているから、

 

 

学年単位で苦手な分野が共通したりして、

 

 

それによって起こる社会問題とも深い部分でリンクしていたりするの。

 


でも土星って、厳しいメンターみたいなところがあってね、

 

 

その課題から逃げずに、きちんと向き合ったり、

 

 

自分なりの折り合いの付け方を学ぶことで、

 

 

きちんとご褒美を用意してくれているような星なの。






「土星はなかなか素敵な星だね」と僕は言った。

 

 


「ご褒美を用意してくれている、っていうところがなかなかにくいでしょ?」

 

 


「そうだね」と僕は答えた。

 

 


「ちなみにこの土星が生まれたときと同じ場所に戻ってくるタイミングのことを、サターン・リターンというの」
 

 

 

「サターン・リターン」と僕は繰り返した。

 

 

 

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