ソップ考(前編)
本日はいわゆるチャンコ鍋の話(いささか暑苦しいですが)。
チャンコ鍋も色々あるけれど、中でも代表的なものに゛ソップ炊き゛というのがあります。
いかなるものかと申しますと、鶏ガラ出汁に醤油等で味付けした鍋のこと。
ソップの語には鶏ガラの連想から、痩せてあばらの浮き出たような力士のことを゛ソップ型゛という用法もあります。
不肖、私も゛ソップ型゛でございますが・・・。
このソップ炊きを作る場合、まず鶏ガラを鍋で何時間も炊かねばなりません。
少し白濁するぐらい炊きましたらガラを出し、醤油、塩、砂糖、酒(または味醂)で味付け。
やや甘いぐらいがいいでしょう。
具は下茹でした大根・人参(乱切り)は欠かせず、お好みで油揚げ、白滝や椎茸などの茸類。
主具は鶏の正肉もしくは肉団子(ミンチと言う)。
肉団子は鶏・豚の合挽き(鶏多め)に鶏卵、玉ねぎのミジン切りを混ぜ、塩、味噌、胡椒、生姜のしぼり汁で軽く味をつけ、よく練ります。
スプーンで一口大にすくって鍋に入れ、火が通ったら白菜(キャベツでも可)、青野菜(水菜、春菊など)を投入して完成。
鶏ガラを炊くのが大変ですが、市販の顆粒の鶏ガラ出汁の素で代用しても十分おいしいので一度、お試しのほどを―。
・・・と、三分クッキングはこれぐらいに致しまして、゛ソップ゛の語源をたどってまいります。
中にスープ(英)の転訛としている例もあるようですが、これは明らかな誤り。
ソップとは実はオランダ語でありまして、゛soep゛と綴ります。
まあ、原義はスープと同じで汁物のことなんですが・・・。
では、なぜオランダ語が―と申しますと、この語は江戸時代後期にはすでに日本に゛輸入゛されていたらしい。
当時の鎖国体制下でヨーロッパでは唯一、オランダとの交易があったためです。
同様の例としてコーヒー、コップ、ランドセル、ズック(靴)など枚挙に暇がありません。
しかし、現在の相撲用語のソップは、=(イコール)スープではない。
次回でそのあたりの事情を考察します。
