『逆転裁判456 王泥喜セレクション』の『逆転裁判5』の時系列順にやった場合の真6話(=最終話)についての感想です。
ネタバレ有りなので必要な方はブラウザバックをお願いいたします。
最終話(第5話)のことです。
複雑な時系列であった『5』も遂に終わりです。
今回の真犯人「亡霊」はおそらく多くのプレイヤーが想像できたと思います、あからさまに怪しかったので。
『5』は登場人物が少なめな印象なのでミスリード要員が少なかったというのも判明しやすい理由かもしれません。
ただ、少ないためか登場キャラクター(生存者)はメインキャラを除くと基本全員法廷の証言台に立っていると思われます。
「亡霊」の正体ですが、初回時よりも今回の再プレイ時の方がむしろ衝撃が大きかったです。(何故?)
バンさんは実にいいキャラだったのですが・・・まあ仕方ありません。
あの真っ白な衣装はバン刑事だと「純白のジャスティス」なのですが「亡霊」だと「虚無」の象徴であるかのように見えてくるのが秀逸だったと思います。
また、途中で ~自分は潜入捜査官で極秘の任務にあたっている~ 等と主張してくるのですが、一瞬本当かと思ってしまうのですよね。もし本当だとしたらもっと入り組んだ展開で話が長くなりそうでしたが、そこまで複雑ではないのは難易度を下げることを志した結果なのかな?と思ったりしました。(『5』はとにかくシステム面でも難易度でも楽になりましたから)
最後にナルホド君のマスクを着けてきますが、これは本作のテーマ「自分と向き合うこと」を象徴していたと感じます。そして、その向き合うために必要なことは「他者の存在」であったと思います。
つまり「自分と向き合うためには他者の存在が必要」というある種逆説的な結論に至っているのが本作の物語の面白いところだと感じます。
私は『5』は『4』の事後処理と言いますか、逆算的に構築して補完している部分が強い作品だと考えております。『神宮寺三郎』で言うところの『KIND OF BLUE』(『Innocent Black』の補完)のような作品です。
こういう作られ方が嫌いな方もいるかと思いますが・・・仕方ありませんよ、前作で投げっぱなしだったのですから(苦笑)
今回『5』で大きな補完がされたのが「黒いサイコ・ロックの謎」でした。
前作では「通常とは違う強固なサイコ・ロック」くらいの解釈をするしかなかったのですが、『5』できちんと説明がされました。(それもヒロインのココネちゃんにかかるのですから盛り上がる訳で)
また、前作で語られた7年間に御剣は何をしてたんだ?という疑問にもフォローが加わりました。
そして、王泥喜君の成長を描いてくれました!
彼は「誰が相手でも尋問を容赦しない」という描写が『4』であったのですが、そこからさらに進んで「とことん真実の追求に突き進む」という思考を披露してくれました。これはナルホド君とも若干違うスタンス(方向性というより濃度の違い?)だと思いました。
何だかんだで『4』の説明不足をいろいろ補完してくれたのはありがたかったです。スタッフも相当苦心したことでしょう。
『5』はそれまでのシリーズ作品と比べるとユーザーフレンドリーな改良が非常に進んだ作品であり、難易度の低さも相まって、リアルタイム時はサラサラとクリアして終わってしまったのですが、今回再プレイしてみて非常にきちんと作られた作品であることを実感いたしました。
『456』の中で『5』を一番見直しました。
(ちなみに、本日ようやく『6』をクリアし勲章もコンプリートいたしました)
最後に『5』の好きなキャラ(まあ、みんな好きですが)をあげます。
メインキャラ:希月心音、夕神迅
ゲストキャラ:巣古森学、大河原有忠
以上で終わります。