そんなこんなで、

『女の子』というフィルタに

戸惑いつつも、

 

意外と淡々とやってました。

 

 

 

自分にない価値観って、

気にしようがないんです。

 

 

 

 

 

 

 

思い返せば、それまで

 

 

「女の子なのに」

 

「女の子だから」

 

 

って言われたことがなかった。

 

 

 

散ってもきれいね。

 

 

 

 

 

この感覚を、

どう言えばいいだろう。

 

 

 

 

私は『女の子』だし、

恋愛対象は『男の子』だったし、

そりゃ、色々違うのだけど。

 

 

 

 

"会社で働く"という上で、

性別が何らかの影響を持つなんて、

考えたこともなく。

 

 

「同じ」だと思っていたのだ。

 

これは後で、痛い目に遭います。

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

 

さて、そんな私の新人時代。

 

 

 

それはもう、

 

 

 

とことん

言うこと聞かない奴

でした。

 

 

 

 

お気に入りのしおり。生意気そう!

 

 

 

 

 

 

私は、まだ仕事のイロハも

分かってないくせに、

 

 

 

一人で好きにやりたい。

 

 

 

という、超・めんどくさい奴で。

 

 

 

 

 

担当を引き継いだからには、

とにかく、好きにやらせてほしい。

 

 

 

お客様との重要な調整や、

製造現場とのやりとりも

勝手に進めようとするし、

 

 

死ぬほど作業が遅いのに、

全部イチからやりたがる。

 

 

 

 

先輩方に「こうしたら早いから」とか

「困ったら、早く俺を呼べ」とか

言われても、全部スルー。

 

 

 

 

当時、面倒を見てくれた

先輩二人の会話です。

 

 

 

 

「あいつ、言うこと聞きません。」

 

「俺もや。あいつは聞かへん。」 

 

「え、そっちもですか!      

   どうしようもないっすね。」

 

 

 

 

 

 

また、人間関係も不器用で、

いつも真っ向から体当たり。

 

 

当時の課長は、力で部下を

押さえつけるところがあって、

私は、それに猛反発。

 

 

 

ある日、

話もロクに聞いてもらえず、

一方的に叱られた私は、

 

 

何かがプツンと切れた。

 

 

 

その結果、

 

 

 

 

新入社員、

課長を会議室へ

お呼び出し。

 

 

 

課長は応じてくれましたよ・・。

 

 

 

2人で、アホみたいに

ワーワーやり合って、

議論は堂々巡り。

 

 

 

だけど、結局は

課長が正しいんです。

当たり前だよ。

 

 

私はついに言い負かされ、

悔し泣きを始める始末。

 

 

 

 

 

 

 

が、次の瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

「あっはっは~!     

  俺が悪かった!」

 

 

 

 


突然、机に手をつき、

頭を下げる課長。

 

 

 

 

 

そして、

 

 

 

「お前、もうお手上げや!

    好きにやれ~!

 

 

 

 

 

後は二人でケラケラ笑って、

仲良くお昼を食べに行きました。

 

 

 

そして実際、一切

干渉してこなくなった。

 

 

 

 

思えば、機械の仕様とか

契約書の重要事項とか、

 

 

私の不手際で

ヒヤッとする局面が

何度もあった。

 

 

 

裏で、たくさんの人が

溜め息つきながら

フォローしてくれたんだと思う。

 

 

 

 

******

 



 

さて、そんな中で

のびのびやってたかというと、

 

 

 

 

 

どうも、

つまらん。

 

 

 

 

先輩から引き継いだ案件って

つまらんのです。

 

 

過去の経緯だとか、

既にある人間関係とか、

イチイチ煩わしい。

 

 

 

 

もっと好きにやりたい!

イチから自分でやりたい!

 

 

 

と息巻く私に、

 

絶好のチャンスがやってきます。