「カレーの匂い」第150回 | 星ねこブログ

星ねこブログ

猫好き&詩&小説のコラボマガジンです

「カレーの匂い」第150回


 その頭を撫でてやりながら、

「おまえは何の心配もなくて良かったなあ、

ユキジ。

 今頃、フクシマの原発周辺じゃあ、

何百匹、何千匹かも知れない

neko ,2


犬や猫が薄情な人間に

置いてけぼり喰って、

えさも飲み水も無くてさ。

飢え死にしかかってるんだぞ」

po,

 ユキジは返事のように鼻を

グスグス鳴らした。


 星也は床に長々と横たわった

いつもの姿勢で頬杖ついた。