鯨の入り江(24) | 星ねこブログ

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そら 鯨の入り江(24)


 広場の隅に洗い場があり、姉さんかぶりの女が二人、細長い

木箱をすすいでは脇に重ねている。


 手前が倉庫、広場のずっと奥にプレハブの大きな二階建てが2棟並んでいる。
グリンピース


 職員の宿舎や事務所があるのだろう。


四隅をそれぞれワイヤーロープで固定していた。

 二階の窓に引かれた白いレースのカーテンが、夕風をいっぱい受けてひるがえっている。

 県道を挟んで養殖場の背後にあるのは、荒れ放題の畑地だ。
クール

 それが段々畑となり、山腹を這いのぼってゆく。

そこに限らず、村の田畑はどこも荒れ放題、

村人はとうにサトウキビやパイナップルを

つくらなくなっていた。

それと相前後して、水田も耕されなくなった。

田を荒らす者に金をくれたというから、

驚いた世の中だ。