製作年:1979年
製作国:日本
上映時間:140分
<内容紹介>
男はにこやかに犯罪を重ねた! 数々の映画賞に輝く日本映画史上屈指の傑作!
――― 稀代の殺人鬼、榎津巌の犯行の軌跡と人間像を描いた佐木隆三の直木賞受賞作を、
鬼才・今村昌平監督が挑んだ意欲作。九州、浜松、東京で五人を殺した上、
史上最大と言われる重要指名手配の公開捜査をかいくぐって、時には大学教授、
時には弁護士と称して詐欺と女性関係に明け暮れる犯罪王の生き様を、
エネルギッシュに見事に描いた、
日本映画史を語る上で欠くことのできない傑作。
ふたりの男を殺して逃亡する榎津巌(緒形拳)は投身自殺を偽装して警察の目を欺き、
以後も次々と殺人を繰り返していく。やがて彼は浜松に住むハル(小川真由美)
の情夫となるが・・・・・・。
監督:今村昌平
脚本:馬場当
出演者:緒形拳、三國連太郎、ミヤコ蝶々、倍賞美津子、小川眞由美、清川虹子、
殿山泰司、垂水悟郎、絵沢萠子、白川和子、浜田寅彦、フランキー堺、
北村和夫、火野正平、根岸季衣、佐木隆三、梅津栄、河原崎長一郎、
金内喜久夫、加藤嘉、小野進也、石堂淑朗
[視聴媒体] BS松竹東急
この映画もみんなで話し合わなければならない事案です。
原作は、5人を殺害した西口彰事件を題材にしているみたいです。
で、タイトルの「「復讐するは我にあり」は、
新約聖書に出てくる「愛する者よ、自ら復讐すな、ただ神の怒に任せまつれ。
録して『主いひ給ふ、復讐するは我にあり、我これに報いん』とあり」という言葉の一部で、
悪人に報復を与えるのは神である、を意味するらしい・・・
晩年は人のいいお爺さんの役が似合ってた緒方拳ですが、
この映画ではギラギラしてて、性欲強めの殺人鬼を演じています。
しかし、私が注目したいのは
そんな主人公なんかじゃありません。
この映画には、性欲が強い女性がたくさん出てきます(笑)
劇中に、緒形拳の性欲強すぎて「身体が持たん」
と音をあげた情婦が2人程でてきます。
1人は、絵沢萠子。もう1人が白川和子。
どちらも日活ロマンポルノの女優ですが、この映画では乳もみせません。
しかも、緒形拳の性欲に音をあげる始末・・・
ポルノ女優にこのような役柄をあたえたところに、
倍賞美津子&小川真由美(ポルノ女優ではない)という女優達が演じる女性の
性欲の強さを、相対的に引き立たせる効果があったと思われます。
ちなみに、倍賞美津子(緒形拳の妻役)も小川真由美(逃亡中に知り合った情婦)も
乳を出している。
おまけだが、ステッキガール役の根岸季衣も乳を出している。
倍賞美津子、小川真由美、根岸季衣・・・ みな近年はお婆さん役である。
いまや乳は垂れているかもしれない。
もう1人、北村和夫の愛人が乳を出していたが
名前がわからない。
この他に、緒形拳の母親役がミヤコ蝶々。
小川真由美の母親役で清川虹子が出演していて、老いた女の情念を醸し出しています。
この女達の中でやはり注目すべきは倍賞美津子。
(実生活では、当時 アントニオ猪木の妻)
映画の一場面を切り取った写真をご覧ください。
倍賞美津子は、緒形拳(服役中)に愛想をつかし娘2人を連れて家を出て、
山中の旅館宿で働いていたのですが、
そこに緒形拳の父の三國連太郎が、家に戻ってきてくれと頼みに来ます。
渋る倍賞美津子に、三國連太郎は土下座するは、孫を出しに使うは
卑怯な手を使って説得を図ります。
で、場面が変わって夜。
三國連太郎が温泉に浸かっていると、倍賞美津子が来て突如全裸に。
そして「お義父さん、お背中流します」ときたもんだ。これが上の写真。
で、ビクビクしながら背中を預ける三國連太郎。
倍賞美津子は身体を密着させながら
「私が家に戻るのは、巌(緒方拳)のためでも娘たちのためでもありません。
お義父さんのために戻るのです」ときたもんだ。
敬虔なクリスチャンの三國連太郎も「こりゃたまらん」と思ったのか
「ワシが背中流しちゃる」といって、今度は倍賞美津子の背中を流す体勢に。
カメラが切り替わり、倍賞美津子乳丸出し。
ホヨホヨと背中を流す三國連太郎に業を煮やした倍賞美津子。
連太郎の手を取り、自らの乳にその手をあてがい揉ませます。
でも、敬虔なクリスチャンの三國連太郎はそこでストップ・・・
連太郎の妻のミヤコ蝶々は、
連太郎と美津子の関係を怪しみ、出所した緒形拳に
さりげなくそのことをチクったりします。
(緒形拳の殺人が始まるのは、この後からだったかな・・・)
殺人犯となった緒形拳が逃亡中、
ミヤコ蝶々は病で入院し死期も近づくが、
死ぬ間際に病院を抜け出し家に戻る。
美津子に連太郎を渡さないという執念が感じられた。
婆さんでも女なのだ。
やはり婆さんでも女なのが清川虹子。
旅館を切り盛りする小川真由美と一緒に旅館で生活しているわけだが、
客と客が呼ぶステッキガールとの情交を盗み見したり、
娘・小川真由美と緒形拳の情交を盗み見たりするところに、情念を感じた。
小川真由美の若い燕役が火野正平であることに、時代を感じます(若すぎて、火野正平だとてわかりません)
これは、死刑になった緒形拳の骨を散骨するところ。
結局、美津子は連太郎の紹介でどこかの妻になることが決まったらしい。
劇中では触れられなかったが、絶対この1人はやったと思う。
ちなみに、私は途中まで
三國連太郎が三國連太郎だとわからなかった。
誰だろう?この スカパラの谷中敦みたいな人は?
と思ってみていた。
↓谷中さん
とにもかくにも
自分の夫よりも義父に欲情する倍賞美津子に欲情した映画です。
緒形拳がなんで、小川真由美や清川虹子まで殺したのか
などの考察などは、私にとっては論外です。




