1..まえがき
本記事を読まれる方々は、アイマス研究会に興味を持った、会員のアイドル紹介がどんなものか見てみたい、たまたま目についたなど様々な目的で見に来られているだろう。筆者がこの記事を書いている時は、まだ他の会員達の記事を見ていないため、どのように書くべきなのかを一切把握していない。見苦しい文章になってしまうかもしれないが、筆者なりに担当アイドルについて分かりやすくまとめていくつもりだ。本記事が読者の解釈の一助となれば幸いである。
2..シャニマスを始めたきっかけの女、『黛冬優子』
筆者がアイドルマスターシャイニーカラーズを始めたきっかけとなったのは、Twitterで流れてきた『黛冬優子』というアイドルのオタク解釈ツイートが流れてきたからであった。あの、「あんたはここでふゆと死ぬのよ」で有名な人だ。当時、筆者はツンデレに目がない性格で、恐らくツンデレであろう冬優子が知りたくなりシャニマスを始めた。ツンデレ好きの期待を裏切ることなく、非常に魅力的なアイドルの冬優子に夢中になった。筆者がアイマスにのめり込むきっかけとなってくれた彼女には感謝しかない。冬優子をプロデュースし終えた後、同じユニットに所属する芹沢あさひ、和泉愛依とプロデュースするアイドルを増やしていった。
図1:あさひ「あんたはここで私と死ぬっす!」愛依「あっはは!やばい、ちょーうけるんですけど!」冬優子「あんたらねぇ…!」
そうして様々なアイドルをプロデュースしていくうちに、筆者は不覚にも恐ろしい沼にハマることになる。ノクチルの『浅倉透』だ。次項以降では彼女について詳しく解説(解釈)していく。
3..浅倉透のプロフィール
浅倉透について説明するにあたって、まず基本情報を述べなくてはならないだろう。浅倉透はアイドルマスターシャイニーカラーズに登場するキャラクターの一人で、283プロダクションに所属している。4人組の幼馴染みで構成されたユニット、「ノクチル」のアイドルで透明感を売りにしている。そして、彼女のプロフィールは以下の通りとなっている。
図2:透「え、なんか変?」
年齢は17歳、高校生で幼馴染達と同じ高校に通っている。身長、体重、スリーサイズはどれも平均的で、ユニットの中でも中間的なサイズだ。趣味は映画やドラマを見ることで、よくスマホで鑑賞しているのを見受けられる。特技の「人の顔を覚えること」は、実はあまり得意ではないらしい。じゃあなぜ書いた?
これだけを見ても、読者の多くは特に個性がなさそうなアイドルだと思うかもしれない。しかし、実際にプロデュースを始めるとその印象は覆されることになる。彼女の最も印象的であろうポイントは、まず性格だ。自然体で周りに流されずマイペース、しかしどこか抜けている天然気質という、なんとも放っておけない絶妙な性格をしている。次に容姿だが、顔は非常に美しく整っており、可憐というより端麗な女性といったイメージだ。髪色は薄紫から茶色、そこから先端部にかけて水色をしている。筆者が特に注目しているのは髪の先端部の水色だ。これは、彼女のキーワードの一つである「透明」を表していると考えられている。「透明」については後項で詳しく解説していく。
次にユニット名のノクチルだが、これにはモデルとなった生物がある。プランクトンの渦鞭毛虫門に分類される一種に、夜光虫(Noctiluca scintillans)がいる。属名にノクチルカとあり、ここから取っていると考えられている。夜光虫の特性の一つに、波などの物理的衝撃によって青く発光することが挙げられる。そのため、自らの意思で発光することはない。この特性は、のちに浅倉の特徴と深く関わってくるためぜひ覚えていただきたい。
4..W.I.N.G.編
本項ではゲームに実装されている、浅倉の「W.I.N.G.」シナリオについて解説していく。彼女を理解するためには、本編に触れなくてはならない。ネタバレを多く含むため、まだゲーム本編をプレイしていない読者にはどうかご注意いただきたい。
・スカウト
最初に彼女との出会いから始まる。ある昼下がり、プロデューサーはバスに乗ろうとするが目の前で発車されてしまう。バス停の時刻表を見るに、次が来るのは40分後だ。途方に暮れていると、突然誰かに後ろから声をかけられた。「歩いた方が早いよ」と。振り返ると、そこには一人の女子高生が立っていた。整った顔立ち、澄んだ目、透明感あふれる佇まいは、彼の目を釘付けにした。プロデューサーはぜひうちの事務所でアイドルをやらないかとスカウトするも、きっぱり断られてしまう。バス停から離れようとする彼女に申し訳なさから、自分が駅に向かうため「俺が、行くからさ!」と呼び止めようとした。すると、彼女その言葉で何かを思い出したかのように立ち止まった。そして駅に向かおうとするプロデューサーを止め、さっき断った名刺を受け取った。翌日、彼女は事務所の扉を叩き、正式にアイドルとなった。
以上がアイドルになった経緯だが、正直これだけ読んでも何がなんだが分からないだろう。安心して欲しい、筆者も分からなかった。後にこれがどういう意味なのか理解するだろう。印象的な点として、ゲーム本編では数々の場面の合間に数回、回想としてジャングルジムが映される。ピアノの音と共に映されるジャングルジムは、何故かこちらまで懐かしい気持ちにさせる。
図3:謎のジャングルジム(ポーン:独特なピアノの和音)
・シーズン1
シーズン1のコミュは、浅倉がたまに見る夢の話から始まる。「のぼってものぼってもてっぺんに着かない変なジャングルジム。のぼる前はたいした大きさに見えなかったけど、ひとつ足をかけるともう上が見えない。それでこう思う。ああ、長いなあ…」(プロデュースイベント:「人生」より)その日はアイドルとしての初仕事で、プロデューサーと一緒にテレビ局へと向かった。数々の有名人から挨拶される彼女は、緊張してる素振りを一切見せず挨拶を返していく。彼女から漂う、人を惹きつけるオーラは皆に有名タレントか何かだと思わせている模様。そんな様子に感心しつつも、仕事相手からの質問にどこか抜けた返答をするため慌てるプロデューサー。にも関わらず「アイドルって学校と変わらないね」や「人生って、長いなーって」などと呑気に話すのだった。
このコミュでは、最初のセリフの「長いなぁ…」と最後の「長いなーって」が共通しているため、重要なキーワードだと示唆される。このコミュ名が「人生」ってこともあり、恐らく彼女は『ジャングルジム』を人生に例え、てっぺん(これが何かなのは未だに考察中)までたどり着くまでの道のりを「長いなー」とぼやいているのではと筆者は解釈した。話は変わるが、プロデューサーの多くは朝コミュ、もしくはこのコミュで彼女の性格を初めて理解することになる。これには、既に二次創作である程度見てきた筆者ですら衝撃が走った。
図4:人生って、長いなーって
・シーズン2
シーズン2、浅倉はとあるオーディションを受けることになった。他のアイドル達が自身のキャッチコピーを使ってアピールするのに対し、彼女はそういったことをアピールできずに終わった。帰り際、彼女と初めて出会ったあのバス停で、プロデューサーは学生時代にここで男の子とジャングルジムに登ったのを思い出し、そのことを話す。それを聞いた彼女は少し驚いているようだった。日が変わって、事務所でオーディションの結果を受け取った。残念ながら不合格。美貌やオーラは抜群だが、オーディションに受かるにはそれだけではダメであった。自分のことを表現し伝えるのは非常に難しいことで、彼女もそれはあまり得意ではないようだった。プロデューサーは自身のことをもっと伝えられるようにと頼むが、彼女はいまいち合点がいかない様子。まるで、「私はプロデューサーのこと知ってるのに」とでも言うかのように。
シーズン2はプロデューサーと浅倉の関係、アイドル活動から見える彼女の性質などが書かれている。自身を表現し伝えるのが苦手という性質は、前項で述べた夜光虫の性質と一致するところがあると考えられる。自ら発光せず外部からの刺激にのみ発光する夜光虫と、自分のことをあまり伝えられず他人からの話を何となくで返す彼女はどこか似ていないだろうか。また、コミュ内の彼女の発言に「プロデューサーのこと、私は前から知ってたみたいな気がするから」とある。これは後の伏線となる。
図5:雛菜「『ドキドキプロバイダ、浅倉透。無限のトキメキ、定額制でお届けします』なんてどう〜?いいでしょ~♡」小糸「ぴぇ!?あ、あんまり透ちゃんのイメージに合わないんじゃないかな…」
・シーズン3
これも浅倉の夢の話から始まる。「のぼってものぼってもてっぺんに着かない、変なジャングルジム。降りれないし、終わらないし、長いなーって。でも、気付いたんだ。『向こう側に誰かいる』って。誰かがいて、一緒にのぼってくれる。言葉は交わさないけど———」(プロデュースイベント:「ていうか、思い込んでた」より)プロデューサーは彼女のことをより知るために、日誌を書いてもらうことにした。あまり乗り気ではないようだが、しぶしぶ了承してくれた。最初はしっかり日誌を書いてくれたが、徐々に書かなくなり、ついに最後は「旅に出ます」と書いていなくなってしまった。これにはプロデューサーも肝を冷やし、すぐさま事務所を出て探し回った。一日中探し回り、やっと夜に公園にいる彼女を見つけられた。急にいなくなるような彼女の全く意図を察することができず、思わず声を荒げてしまうプロデューサー。だが、すぐさまこちらが悪かったと謝罪する。透の気持ちを分かってやれないのはこちらが原因だと。それでも、君の気持ちを教えてほしいと頼む。そんな彼の言葉を聞いた彼女は、「プロデューサーなら自分の気持ちが通じてる」と思い込んでいたことに気づいた。プロデューサーを、『へんなジャングルジムの向こう側をのぼっている誰か』だと勝手に勘違いしてたのかもと。
シーズン3はプロデューサーと浅倉のすれ違いを描写している。プロデューサーは彼女のことを知るために日誌という手段を取ったが、彼女は自分の気持ちは伝えなくとも通じてると思っていたという齟齬が生じている。なので日誌を書くように頼まれた時も、そんなことする理由が分からないまま了承したと考えられる。彼女にとって『ジャングルジムの誰か』は大事な存在のようで、まさに人生をのぼっていくパートナーとして考えていたのではないかと筆者は勝手に解釈している。
図6:透『旅に出ます』円香「は?」
・シーズン4
シーズン4では先日の出来事に反省したのか、浅倉は以前より多少まともに書いてくれるようになった。ある日、彼女は渡したDVDを休日にチェックすると書いてくれたため、感想を待ってるぞと日誌に書こうとした。ところが、事務所に戻ると休日のはずの彼女がいた。理由を聞くと、今日は日誌がないため感想を直接言いに来たのだという。見たのは2つだけだったが、しっかりと自分の感想を伝えてくれたことにプロデューサーは思わず感動した。以前まで苦手だった自己表現を、少しでもできるように努力してくれていることが嬉しくてたまらなかった。そこで彼女に、昔小さい男の子とジャングルジムのぼった話をした。その子は夢の中でもジャングルジムにのぼるそうで、いつもてっぺんに着く前に目が覚めると言っていた。彼を誘って一緒にてっぺんに座った時、とても嬉しかった。ああ、のぼるっていいことなんだなぁと感じたのを、最近になって思い出した。彼女は人生は長いと言うけれど、のぼっていくのはいいことだし、彼女にものぼっていくことの嬉しさを感じてほしいと。それを聞いた彼女は「今は…ちょっとわかるよ、一緒にのぼる嬉しさとか」と、微笑んで返した。
シーズン4で大きく変わった点といえば、浅倉が自分を表現しようと努力し始めたことだろう。以前までの彼女であれば、DVDの感想を言うためにわざわざ直接会いに行くなんて考えられない行為だ。プロデューサーに心は通じてるわけではないけど、自分で伝えればちゃんと分かってくれると理解してくれたのだろうか。そして、プロデューサーがジャングルジムの子について詳しく言及したため、彼女は昔に会った学生、即ち『一緒にのぼる誰か』がプロデューサーだと確信している。当時彼女が幼いこともあったため、プロデューサーは幼い頃の彼女を男の子だと勘違いしており、本人であることに気づいていない。それでも、プロデューサーへ寄せていた想いは勘違いではなかったことが分かったのは、彼女にとって大きいだろう。
図7:伝わっているよ…
・準決勝,決勝
シーズン4を乗り切り、W.I.N.G.の準決勝と進出する。準決勝前、浅倉はごみをゴミ箱に入ったら勝つなんておまじないじみたゲームをする。しかし、一回目は外してしまう。と思ったら、彼女はそのごみを拾いゴミ箱へ入れた。入るまでやるという彼女らしいスタンスが垣間見えるだろう。
図8:透「入るまでやる。で、勝つから」
そしてW.I.N.G.決勝、舞台袖で待機する浅倉は珍しく緊張しているようだった。これまでオーディションやテレビ局での仕事を見てきたが、そういった状況下においても彼女はいつも自然体で過ごしていた。そんな彼女が緊張するようになったのは、すごくいい変化だとプロデューサーは考える。彼女自身は緊張してないと思っていたが、プロデューサーに言われて自覚しはじめる。「でも…大丈夫だから」と返し、ステージへと上がっていく。浅倉が緊張を自覚できるようになったのも大きな変化ではないだろうか。
図9:浅倉って手大きくない?
決勝の結果、優勝したのは浅倉だった。舞台袖でライブを見守っていたプロデューサーと彼女はハイタッチをする。「なんか現実感ないけど、いいことをしたかも」と思う彼女。もちろん周りの人にとってもそうだし、何より彼女自身にとっていいことなのだ。帰ってる頃には、今日という日が大事な日だったって分かるはず。
図10:ほら、ハイターッチ!(八宮めぐる)
・TRUE END
優勝した日の夜、事務所へ戻ると何故か浅倉の姿はそこになかった。優勝を祝おうと思ったのだが、一体どこに行ったのか。会うため、夜の街へと探しに行くプロデューサー。そして、一番最初に出会ったバス停の近くの公園に、彼女はいた。「来たくなったら、おいでよ。俺が、行くからさ!」ってあの人は言ってくれたんだっけ、なんて思い返す彼女。そして、自分を探してくれたプロデューサーに自分たちは昔に一度会っていることを伝える。彼は衝撃の事実に驚くも、彼女がそうやって自分のことをちゃんと伝えてくれたことにとても嬉しく感じた。さらに、最初に出会ったときのことはプロデューサーに思い出してほしいと言われる。ゆっくりでもいい、あの日のことを思い出してほしいと。そして彼女は、「のぼろうよ、ジャングルジム」とプロデューサーをジャングルジムへと誘うのだった。
いいね…うん。それはともかく、このコミュではプロデューサーと浅倉の過去の関係が明かされる。二人は昔に一度会っており、小さい頃の浅倉は学生時代のプロデューサーとジャングルジムにのぼった。彼女はその時の思い出を今でも覚えており、スカウトされたときのあのセリフで想起されたと考えられる。
「ゆっくりでもいいからさ、私のこと思い出してよ。人生長いんだから」
前はプロデューサーが、今は彼女がジャングルジムに誘うという、構図が逆転しているのも素晴らしい点だろう。これからも『ジャングルジム』という人生をプロデューサーと一緒にぜひのぼってほしい。
図11:伝えてくれてありがとう
5..浅倉透のPカードのコミュ
シャニマスには二種類のカードがあり、一つがプロデュースアイドル、もう一つがサポートアイドルである。ゲームでプロデュースするアイドルはプロデュースアイドルのカードでなり、それらには専用のコミュが用意されている。2021/3/10現在、浅倉のプロデュースアイドルは特定のものを除き3つ実装されている。恒常P-SSR「10個、光」、限定P-SSR「途方もない午後」、配布P-SR「まわるものについて」である。これらのコミュも素晴らしいものが揃っているため、本項で一部を抜粋し紹介および解説(解釈)していく。TRUE ENDのネタバレもあるため、まだご覧になってない方はどうかご注意いただきたい。
・恒常P-SSR「10個、光」
アイドルイベントの2番目、「2こめ」ではプロデューサーと浅倉が一緒のバスに乗る。普段とは違う方向に向かうバスで、景色を眺めながら彼女はあることを思った。同じ景色でも昼と夜で全く違うように見えて、「ここってこんなだったんだ」となったことはないだろうか。こういうことは、普通に生活しているだけではあまり体感できないと考えられる。何らかの影響で生活環境が変化し、違う行動をすることで見えてくることだろう。それはさておき、降車するバス停が近づいたためボタンを押したプロデューサーだが、ボタンを押したかった浅倉が口を尖らせてしまう。いつもの通学で押してないのだろうか?光る降車ボタンを見て、ふと彼女は呟いた。「昼光ってるものって、見えないんだね」と。プロデューサーは彼女自身のことを思い浮かべながら「俺、ちゃんと見えてるからな。昼の間でも光ってるもの」と返す。「すごいじゃん」と、褒める彼女だった。夜の間のみ光って見えるといえば、ノクチルのモデルとなった夜光虫などが挙げられる。昼では夜光虫の発光を見ることはできない。しかし彼女はそうではない、どんな場所でも彼女は眩く見えると。その眩さにどこか儚さがあったとしても、必ず見つかるのだ。
図12:めーっちゃ斜めだね☆(大崎甘奈)
TRUE ENDの「いつか」では、夕方に光る一つの星を浅倉が見つけるところから始まる。その星をよく見るために、プロデューサーを丘まで連れていく。丘の上からの景色は壮観で、街を一望することができる。景色を眺めていると、唐突に彼女が「ここってさ、誰かのもの?」と尋ねてきた。”ここ”とは今立っているこの場所ではなく、もっと漠然とした、”この世界”のこと言っている模様。であれば、”ここ”は誰のものでもない、まっさらなはずだ、とプロデューサーは考える。いいね、それならと彼女も同意してくれた。そうこう話しているうちに日が暮れはじめ、見える星の数が多くなってきた。そのため、先ほど見つけた星がどれなのか分からなくなってしまう。見つけてよ、と頼まれるも多すぎて無理だし、なんなら彼女も分かっていない。そんな他愛のないやり取りに二人で笑いあった。でも、と彼女は続けて。「いつか見つけられるよ、誰のものでもないんだったら——」
「誰のものでもない、あの星なら必ず見つかる」というフレーズ、どういうことなのか。まず「誰のものでもない」についてだが、第2項で前述した浅倉のキーワードを思い出してほしい。彼女は透明感を売りにしたアイドルであり、この「透明」が最もたる特徴である。透明とは何色にも染まっていない、まっさらな状態のことだ。なので周りに流されず、自然体でマイペースな彼女は、少し語弊はあるだろうが「誰のものでもないアイドル」と解釈した。そして夕方でも光って見えるあの星は「2こめ」のコミュでも述べられていた、「昼の間でも光って見えるもの」と共通する点があり、まさに彼女自身のこと言っていると考えられる。なら見つかるよ、いつか。だってあの時も見つけてくれたじゃん、プロデューサー。
図13:見つかるさ、必ず
・限定P-SSR「途方もない午後」
このカードのコミュも素晴らしいものが揃っており、全部紹介したいところだが最も重要なコミュだけ抜粋し紹介する。それがTRUE ENDコミュになってしまうのが読者に申し訳ないところだが…。
限定P-SSR「途方もない午後」のTRUE END「所感:」では、浅倉が「とおるくーん」と誰かが呼ぶのを耳にする。しかし、それは彼女を呼んだものではなく、他の家族の母が息子を呼んだ声であった。昔にそう呼ばれていたのか、とプロデューサーが尋ねると、「とーるくん」とも呼ばれていたし、「とーる、とーるちゃん」とも呼ばれてたよと彼女は答えた。また、「とーるちゃん、とーる、とーるくん。全部、私のこと指してる音」とも。しかし、それはアイドルをやる前だけだったらしい。アイドルではない「浅倉透」を指す音が聞こえなくなるのは、とても悲しいことだ。プロデューサーは、そんな彼女をなるべくいい音で呼びたいと思う。思考の末たどり着いた音は、「透」であった。彼女も「透で」と、同じ答えに行きついたのだった。
このコミュでは、アイドルをやる前の「浅倉透」から「アイドルの浅倉透」への変化について書かれている。アイドルをやる前は、自分を呼ぶ声全てが自分を指す音に聞こえていたそう。しかしアイドルをやってからは、周りから「アイドルとしての自分」しか見られなくなる。そのため、自分を呼ぶ声が「アイドルでない自分」を指す音には聞こえなくなったのだと解釈している。アイドルは多くの場合、「アイドルとしての自分」を作り上げる。彼女があのように思ったということは、未だ彼女は「透明」のままアイドルを続けているのではないか。ドロドロした芸能界にいながらも誰にも流されず、染まらずにいる浅倉透。どうか、そのままでいてほしい。
図14:透「この前、プロデューサーさんが面白くてさ」円香「…変なものでも食べた?」
6..朝コミュ、他アイドルとの絡み
真面目に書きすぎて疲れたため、お楽しみコーナーとしてこの項を作成した。読者もどうか気を抜いて読んでいただきたい。
シャニマスにはアイドルとの親愛度を上げる朝コミュがあるのだが、彼女の性格のやばさが伺えるものが多数ある。個人的に面白いものを抜粋していこう。
・朝コミュ1
卵焼きは甘い派かしょっぱい派か聞くプロデューサー。果たして彼女はどっち派だろうか?
図15:筆者はしょっぱい派である
・朝コミュ7
イヤホンで何か聞いているらしい浅倉。何か聞いているのか?と聞いたのだが…。
図16:すました顔で寝る浅倉透、17歳。アイドルやってます。
・朝コミュ9
樋口から携帯に何か連絡が来たらしい。そしたら彼女は、「プロデューサーの写真で返事していい?」なんて言ってきた。ダメに決まってんだろ。
図17:透『いえーい(画像を送信しました)』円香「は????????」
・S-R「283プロのヒナ」:小糸ちゃんと雛菜、幼なじみ
小糸と雛菜でコンビニに行く浅倉。アイドルを始めたのであまり食べ過ぎてはいけないと小糸から注意されるも、浅倉は「今月リッチだから」という理由で奢ろうとする。それに乗っかり、雛菜は買い物かごに大量に商品を詰めていく。小糸も好物の飴につられた。そして会計する彼女だが…?
図18:ふふっ、ごめん。財布ないわ
7..まとめ
前項はお楽しみコーナーだったため、真面目な解説は避けた。だが、実は朝コミュと信頼度12ボイスの中に浅倉の重要なキーワードがある。本項では、その朝コミュと本編のシナリオを踏まえた彼女の解釈をまとめていく。信頼度ボイスはネタバレになるのでご注意いただきたい。
・朝コミュ14、信頼度12ボイス
唐突にプロデューサーが、「運命って信じるか?」と浅倉に尋ねる。答えあぐねる様子の彼女にどうしてそう思ったのかを話すのだが、その選択によって珍しく彼女の態度が大きく変わる。つい「冗談だ」と口走ってしまったプロデューサーに、彼女は口を尖らせ「変な冗談だね」と返してしまう。ここまで不機嫌になるのは珍しく、他のコミュではほぼ見受けられない。また、信頼度12ボイスでは以下のように発言する。
「運命って信じる?私は…私は、分かんないけど」
これらのことから、彼女は『運命』にかなり思い入れがあるのではないかと示唆される。
図19:コンビニで運命感じていいのか?
なぜ浅倉は『運命』を重要視するのか?ここからは完全に筆者の解釈になるため、参考程度にしていただきたい。彼女は昔にとある学生と会い、その頃の思い出をずっと覚えていた。夢にも出てくるほど大事な記憶で、一緒にのぼってくれる『ジャングルジムの向こう側にいる誰か』に会いたかったはずだ。そして、たまたま同じ場所で出会い自分をスカウトしてきたプロデューサーが、まさにその人だった。これほど運命的なことがあるだろうか。なら、プロデューサーとの出会いは『運命』だ。彼女はそう考えるのではないかと。
プロデューサーと『運命』の出会いを果たし、『ジャングルジム』を彼と一緒にのぼっていく『透明』なアイドル、浅倉透。透明だった彼女は、アイドルになることでどう変化していくのか。ぜひ、彼らの行く末を読者達の目で見届けてほしい。
図20:ふふっ、やばい
8.参考資料
・アイドルマスターシャイニーカラーズ 公式コミュ
・アイスココア「私の運命の人」:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14291667