仙台スクーリングが終わりました。受講したのは総合特講、科目は文学、テーマは作家「林芙美子」です。講師は作家の中沢けい先生、参加者は150名程でした。


おすすめ度★★★★

脱線話が多く答えがある講義ではないので、好みは分かれそうです。これまで文学に興味を持てず、正直全く期待していませんでしたが、個人的には全てが面白かったです。講師についても、SNSの強めの発言を見ており、不安な気持ちで参加しましたが、実際にお会いすると物腰柔らかなお人柄で驚きました。また、慎重に言葉選びをしている様が印象的でした。講義中に他の文学作品も沢山紹介されたので、別の機会に読んでみようと思います。

【学び】

林芙美子をテーマに、近代について深掘りしました。時代ごとの文学の特徴や、ジェンダー観、政治や社会の特徴などを学びました。また、作家や芸術家の独特な世界観を知ることもできました。

 

【振り返り】

 DAY1:

脱線多め。テーマを飛び越えて話が色んな方向に展開されていきましたが、不思議とそれが楽しく、終始物語を聞いているような気持ちでした。林芙美子については、幼少期を過ごした門司、尾道のことや、当時の社会情勢などを学びました。芙美子はこれまでの常識に縛られず、自由な生き方を切り開いていきます。そのような芙美子の価値観形成に幼少期を過ごした場所や環境が強い影響を与えていることがわかりました。

 

 DAY2:

略年表で、芙美子の一生とその年に起こった時事を追いました。芙美子が活躍した時代は、激動の時代で、大正デモクラシー、第二次世界大戦前、戦時中、戦後、それぞれに、文学の特徴が見られます。芙美子は職業作家にこだわり、情勢に合わせた活動を行っていました。中でも女性記者として従軍し、戦前の最前線にまで参加したことが印象的でした。


 DAY3:

アジアの出版業界の現状や、芙美子の小説『うず潮』『浮雲』について学びました。『うず潮』と『浮雲』は対照的な作品です。『うず潮』は、明るい大衆的ファンタジー、『浮雲』は、人間の虚無感が描かれた暗い作品だそうですが、文学的には『浮雲』が評価されているとのことでした。


【試験について】

持込可、記述式。試験内容は事前に共有されたので、解答案を予め整えておきました。自己評価85点です。自分の考えを書くものが主でした。決まった答えがあるわけではないので、どのように評価されるかわかりませんが、自分の感じたままに書きました。


長沼からの眺め。水鏡に映る緑が美しく、仙台城跡で1番好きな景色です。