ひとつの文明が幕を閉じた
彼等の生活圏である星の寿命の
遥か以前に
自らの手で
その運命にピリオドを打った

彼等が何故その手段を
選んだかは解らない
しかし我々もまた
彼等と同じ運命を
辿ることになる

異質な思想への不信感が
彼等とそして我々の運命に
或いは時相応の終止符を
打つのかもしれない

だから我々も
彼等が数億年前に
最後のつがいを
真空の空に託したように
そしてそれを
我々が受け取ったように
あの暗黒の世界へ
ふたつの命を送ろう

数億年後に
その存命にかかわらず
遥か彼方の異星に
遠い昔
ここにも文明のあったことを
知らせるために