スタッフのSORAです
本書は,がん患者さんが思うような不安や疑問を、
保坂院長がわかりやすく丁寧に回答しているものです
私はこの本を読んで生き方が楽になったので、
皆さんにも紹介していきたいと思います
がんでも長生き 心のメソッド | |
![]() |
【著者】 |
保坂隆 今渕恵子 | |
【出版社】 | |
マガジンハウス | |
【創刊】 | |
2016年1月28日 |
登場人物
本書は今渕さんが質問し、保坂院長が回答する対話形式
- 今渕恵子さん・・・がん患者さん(ステージ4)
- 保坂 隆・・・保坂サイコオンコロジー・クリニック院長
4つのおすすめポイント
- がんという病気の捉え方
- 心の仕組みを知って、がんと向き合う
- がんは第二の人生の始まり
- あの世は、あると思ったほうがお得?
①がんという病気の捉え方
「がん=死」であるか?
今渕さん |
「がん=死」ですか? |
保坂院長 |
「がん=死」ではありません |
患者と医師では視座の違いがあり、
患者のイメージでは早期発見できず、悲壮なイメージ
院長の見解は以下の2つです
2人に1人ががんになる時代
日本人の2人に1人が発症するがんではあるが、
がんによる死因は30%であり、全員ががんで死ぬわけではない
がんは慢性疾患のひとつ
高血圧や糖尿病などと変わらず、気長に付き合うことが大切
生活の見直し例
- 食生活
- ストレスのコントロール
身近なことから初めてみましょう
②心の仕組みを知って、がんと向き合う
がんの告知後の心境の変化
「否認」⇄「受容」→「適応」
「否認」と「受容」の状態を繰り返す
その後、7割の人はがんを受け入れ「適応」に向かう
3割の人がループを抜け出せずに、「うつ病」などが発症しており、
当クリニックでは「適応」できるようにサポートいたします
抗うつ剤は必要?
今渕さん |
いつまでも心が落ち込みから抜け出せない。 薬に頼った方よいですか? |
保坂院長 |
薬に頼らない方法もあります |
薬に依存しない治療法例
- 認知療法・・・「考え方の修正」をしていくカウンセリング
- 運動療法・・・運動により脳のセロトニン代謝が活性化
※抗うつ剤と同じような効果が期待できる
(※院長は「日本体育協会(現:日本スポーツ協会)」公認スポーツドクター)
脳は「根暗な臓器」である
脳は一点集中しかできないので、その性質を利用する
例:編み物・料理などの手元に集中が必要な作業をする
がん生活でのストレス解消方法
今渕さん |
がん生活はストレスとの闘いと感じます |
![]() 保坂院長 |
リラクセーション法を身につけることです |
今渕さん |
心のうちを家族や友人に話せなくて辛いです |
![]() 保坂院長 |
連帯感は心を元気づけるので、 |
リラクセーション法
- 腹式呼吸
- 弛緩療法
- 自律訓練法
- イメージ療法
各ソーシャルサポート
- 情緒的ソーシャルサポート・・・メンタル面で支え癒してくれる人
- 手段的ソーシャルサポート・・・行動面・実際的な面で支えてくれる人
- 情報的ソーシャルサポート・・・情報面で支えてくれる人
※1人の人が3つの役割を持つのは大変なので、何人いてもOK
③がんは第2の人生の始まり
がんは、第2の人生のきっかけ
今渕さん |
(がんを罹った) |
![]() 保坂院長 |
スピリチュアリティが喚起されたのですね |
今渕さん |
スピリチュアリティとは? |
![]() 保坂院長 |
その人なりの死生観や信仰、 |
④あの世はあると思った方がお得?
今渕さん |
あの世はあるのでしょうか? 昔、臨死体験したんです。 神々しい光に包まれた世界に行きかけました |
保坂院長 |
死の迎え方は人によって違うけれど <中略> ですが、あると考えるほうがお得です |
死後の世界は「ない」と思っていたが、「あった」場合
死んだ後にまで生前の価値観や人生観が崩れてしまうからです
感想
この本に出会ったのは、乳がんの治療から2年経った頃でした
最初は前向きな今渕さんだから、がんに向き合えていると思っていましたが、
今淵さんだからではなく、『自分の心の状態次第』だと気づきました
『自分の心の状態次第』と言うのは、
他人と比較した相対的な評価や見方ではなく、
『自分はどういう心の状態でいたいか』という
自分の前向きな気持ち次第で幸福になれると思います
最近の私は、見た目が変わる病気を患っており、
見た目の変化に落ち込み葛藤する日々を送りました
「否認」と「受容」を繰り返しながら、
自分のぺースで「適応」することができました
がんという病気に関わらず、
生き方に行き詰まりを感じた時にお勧めしたい1冊です
最後に
この本を手に取って頂き、
自分らしいがんとの向き合い方を見つけて頂けたら幸いです
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