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【ネタバレ】

 

 


息子の誕生日に家族で百貨店にやって来た信明。
しかし職場からの突然の呼び出しで、急遽出勤しなければならなくなる。
常に仕事優先気味な信明は、息子の誕生日であるにもかかわらず出勤をする様を妻に皮肉られてしまう。


家庭の為に仕事をしているのに。

理解を得られない辛さから、エレベーターの中でつい「一人になりたい」と考えてしまう。

 

するとエレベーターガールが

「かしこまりました。」

と一言。


発言をやや不思議に思ったものの、暗いエレベーターガール、故障した階数表示ランプ。

どんよりとした雰囲気のエレベーターに気が滅入ってしまう。

 

 

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少ししてエレベーターがどこかの階に止まり、エレベーターガールが地下4階をコールした。


地下、4階?

 

エレベーター内の階数表示にはB2までしかない。


目当ての1階はもう過ぎてしまったのだろうか。

訪ねようとしたときエレベーターの扉が開いた。

 

その先、地下4階は灯りの一つもない暗闇。

そこで同乗していた客が続々と降りていく。


信明がひとりきりとなった状態で、更に動くエレベーター。


次に扉が開いたのは地下13階。

真っ赤なフロアの奥から呻き声と共にエレベーターに駆け寄って来る人間。

すんでで扉は閉まったが、今見た光景の異様さに動揺を隠せない。


このエレベーターは何か異常だ。
「元の階に戻してくれ!」

と懇願する信明。

エレベーターガールに掴みかかるも、ゴトンと倒れ、動かなくなった。

よく見るとそれはエレベーターガールの服装のマネキンであった。


恐怖で声も出ない信明。

尚動き続けるエレベーター。

 

次に扉が開いた先にあったのは―――いつも通りの明るいフロアだった。

安堵し、エレベーターから急ぎ降りる信明。

 

無事帰ってこられたことにほっと胸をなでおろすが、すぐに異変に気が付く。

明るくはあるが妙にしんとしていて、誰もいないのだ。

 

立ち尽くしていると、ふいに蛍の光が流れはじめ、フロアの電灯が徐々に消えていく。

そして館内放送が閉店を告げた。

 

「おひとりの時間、心行くまでお楽しみください。」
 

それは先ほど倒れて動かなくなったマネキンの声だった。

閉まりゆくエレベーター。

最後にエレベーターガールの目が覗いた。





【考察】


この『異階』とは何だったのか?

 

あるはずのない地下階は、主人公の「一人になりたい」という願望を感知し(ゆがんだ形でも)叶えてくれるある種親切な怪異だったのかもしれない。

(電王のイマジンみたいな)

なので心行くまで(つまりは心底嫌になるまで)一人でいれば帰してくれるかも。

 

ただ「地下4階」は少し性質が違いそうで、いわゆる霊道だったのではないかと考えた。

この階で降りて行った、暗い表情をした客たちはすでに亡くなっており、霊界へ行くためにこのエレベーターを用いたのだと思う。

洒落怖系でもこの手の話があり、突飛な発想という訳ではないはず…。

 

(乗れないエレベーター:

何故か一人で乗ったのに定員オーバーのブザーが鳴るエレベーター。

仕方なく見送ると、ボタンを押していないのに一回屋上まで行ってから降りてくるという不審な動きをしている。

霊感有りな人に言わせれば、このエレベーターは霊道になっており、

亡者を屋上階よりもさらに高い所(あの世)へ連れて行くためこのような奇妙な動きをしていたのだろう、とのこと。

もし乗り込んでいたらどうなっていたのだろうか…。

という怪談。)

 

で「地下13階」「明るいフロア」は一人になりたい願望をかなえてくれる場所。

駆け寄ってきたのは既に「心行くまで」楽しんだ人間だとすれば、近い将来信明もこんなふうにやつれてしまうのかも…。

 

あと、このフロアに降りる客はいなかったはずなのになぜ止まったのか

その階から呼んだからだろうか?

呼べば来てくれるのなら、意外と有情な怪異なのかもしれない。

 

あともう一つ説を挙げるとするなら…というかこっちが本命なんだけど普通に地獄、または煉獄かもしれない。

「乗れないエレベーター」が上方向のあの世、つまり天国へ死者を送るものなら、

逆方向の下へ行く「異階」のエレベーターが行く先は地獄か煉獄と考えるのが妥当そう。赤いし。

主人公は家庭を顧みないが家庭のために頑張っているので、即地獄よりは煉獄で浄められる方向なのかな。

だとすると呼んだら来てくれるんじゃなくて一回地獄見せて反省を促したのだろうか。

 


エレベーターガールは何者か

 

 

異階地獄説を採用するならば、ギリシャ神話のカロンや鬼等の死者を地獄へ案内する存在だったのかも。

案内ついでに地獄をチラ見せすることで信明には反省を促し、地獄の人間には出られるという希望を与えて落とすという地獄を味わわせる、仕事の出来るマネキン。

 

(なぜマネキン?と思いマネキンに関する怪談を幾つか閲覧したのですが、そもそもマネキン自体が動いているというような話が見当たらず…。

またなんかそれっぽいのがあれば追記します。)

 

 

 

 

 

 

他事

正体に関して、多分無関係だとは思うけど10期1話「辞めたい仕事」のマネキンたちとの関係がまことしやかにささやかれていた。

もし本当に関係があるなら嬉しい。

10期という一種の区切り、集大成なので1期とのリンクがあるのかもしれない。

このデパート自体も2期のOPや3期のメリーゴーランド等に登場しているので横のつながりがあってもおかしくないはず…。

もしかしたら10期には1期と少なからず共通している部分があるのかもしれない。
 

(マネキンの目元、妻に似ているような気がするがこれは鬼嫁ということなのだろうか…?)