オールドクルスペと言われる
50年から100年近く経ったホルンを使用するには、
それなりのメンテナンスが必須です。
昔、オールドクルスペが日本で全く入手できない
時代に、ツテを頼ってなんとか手に入れたは
いいものの、ロータリーはスカスカ、表面はボコボコ
状態で、実使用に耐えうるものではなかったのですが、
それでも音色の好みだけで無理を承知で使っていた頃
があります。
当時は入手困難だったため、お値段もそこそこ
高かったです。購入した方々も、実際吹くと、
オールドクルスペってそんな良い楽器ではない!と、
ネットに書きまくられた時代もあります。
そりゃ、そうです。
だってロータリースカスカの楽器なんて、
どんな名器であっても鳴りませんよね。
否定された方々は、ほぼ必須のメンテナンスが
出来ない状態で判断された人が多数です。
まぁ・・・ボロボロの楽器をわざわざ使おうとする
人のほうが圧倒的少数派ですので、
仕方ないと言えば仕方ないですよね。
10日後の「クルスペホルンアンサンブル」の
演奏会では、メンバー全員が使用するいわゆる
オールドクルスペは、我々のメンバーだった
マイスターヴェルクの工房主、
本田さんが直してくださった楽器です。
本田さんはヤマハ(トリプルホルンを作った人です)
を経て、独立し工房を立ち上げた方ですが、
ご本人もヤマハ吹奏楽団等でホルンを吹いておられ、
かの有名なフィラデルフィア管弦楽団の
元首席ホルン奏者だったメイソン・ジョーンズ氏
のお弟子さんでもあります。ジョーンズと言えば、
生涯クルスペホルンを愛用された方で、
多くの録音が残っているほぼ全てがクルスペ
(ニッケルのホーナーモデル)で演奏されています。
その本田さんが我々全ての楽器のメンテナンスに
あたってくださったお陰で、当然、全ての楽器が
非常に良い状態にあります。
もし、演奏会にいらした時、ご自分のクルスペを
持ってきていただき、拝見させていただければ、
ある程度の状態と、楽器の来歴等々を
お伝えできると思います。
ご面倒でなければ(荷物になりますが(^^;)
是非お持ちください。お待ちしてます!
さて・・・我々のあまりに古い古い楽器と違い、
多くのホルン吹きの皆様の楽器は、そこまでの
メンテナンスは必要ない、かも・・・しれません。
もちろん吹く頻度にもよりますが、ロータリーへの
オイル、管へのグリスなどは定期的な必須条件です。
ご自分の楽器であれば、やってらっしゃいますよね?
ところが、現在日本の中学・高校(大学・一般も)で
非常に盛んな吹奏楽では、個人持ちではなく、
団体所有物である楽器を使うことが多いと思います。
つまりその楽器を使う人が、数年ごとに
変わることになります。そのため・・・
(かどうかわかりませんが・・・(^^;)
どうしてもメンテナンスがおろそかになってしまう
状況が生まれてきます。楽器は現在もどんどん
お値段が上がっています。元々高価なものですが
もっと手の届かない高級品(^^;となりつつあります。
学校などの吹奏楽部では、なかなか楽器購入が
難しい状況ですので、やはり現在所有の楽器を
しっかりメンテナンスして、
長持ちさせるようにせざるを得ません。
基本ホルンの場合は、前述しましたホルンの
心臓部であるロータリーヴァルブにオイルを挿す
ことは必須となります。ロータリーはもちろん
金属でできていて、それが入るケーシングも
金属です。キーを押してロータリーを回す度に
金属と金属が摩擦を起こして、オイルが減ると
摩耗し、隙間ができます。そこから息もれを
起こしてしまいます。
つまりオイルを挿すことをさぼっていると、
より早く楽器の寿命がきてしまうことになります。
忘れがちなもう一つ大事な部分は、管です。
特にメインチューニング管は、水を抜く度に
動いています。管も内管と外管が金属同士で
擦れる訳ですので、こちらもいずれ減ってきます。
ここから、管の水漏れや、息もれとなり、
こちらも楽器の寿命を減らしてしまいます。
管は必ず一度古いグリスをふき取って、
こまめにグリスを塗ることが大事です。
あと、多くの人が知らない「水通し」です。
ホルンは金属ですので、木管楽器と違い、
水でじゃぶじゃぶ洗えます!(^^;
これを言うとビックリする人が多いのですが、
(使用頻度にもよりますが)水通しは必須です。
もちろん溜まった汚れを取る目的もありますが、
ロータリーオイルとグリスがロータリー内で
重なって動きが重くなることが多々ありますので、
それを洗い流すことも目的です。
マウスパイプは一番汚れる場所ですので、
ここも必須です。これを放置しておくと
内側から腐って穴が開きます(^^;。
(↓自分的メンテナンス中)
と・・・
いろいろ脅すようなことを書いてしまいましたが、
新しい楽器であってもメンテナンスは
必須であることを知っていただければ・・・
と思います。高価で寿命のある楽器・・・・・
どうぞ大切にしてあげてください!!!
(↓我が家の「そらた」とメンテ済のクルスペ)



