ヘルプマークってご存知ですか?

先日、就労して1年経つ、Aさんが困って相談してきました。

この方は身体障がい者です。

電車とバスを利用して出勤されているのですが、

朝の公共交通機関はいずれも混んでいて、いつも辛抱して通勤されています。

それでも時折足が痛くてたまらない時があるそうです。

 

障害者用のシートはあるものの、ほぼ毎度そこには学生の方が座っていて

Aさんは毎回ではなく痛い時だけでいいから席を譲ってほしいと

思うのだけれど今まで一度も言いだせずにいるそうです。

辛い時はどうしたらいいのだろうと悩んでおられます。

 

私は、(バスでの出来事と聞いたので)バスの運転手さんが気付いて

譲り合いのアナウンスしてくれないだろうか…とも思いましたが、

混んでいるから状況が見えないのでしょうか運転手さんは気付かないようです。

期待できないのならば、自らこういうのはどうだろうとAさんに投げかけました。

 

「あの…すみません。足がとても痛いのでこの席座らせてもらえませんか?」

 

このように言えば、理解して譲ってくれるのではないだろうか。

 

Aさんはわかりました言ってみます。と答えたものの

その後やはり声を掛ける勇気がなく、その後も辛抱しているそうです。

どうしたらいいのでしょう。

こちらからバス会社に配慮求める電話をするのも有りかもしれません。

 

そんなことを考えていたら、Aさんの同僚のBさんが、

カバンに「ヘルプマーク」をぶら下げていることを思い出しました。

リュックの一番上の取っ手のところにそれを付けていて、

満員の電車やバスではリュックを抱きかかえる様に肩から下げるため

顔に近い高い位置に「ヘルプマーク」が来ます。

そのため、他者から認識されやすいです。

取り急ぎ、Aさんには、市役所でこの「ヘルプマーク」を貰って、

Bさんの様にカバンに付けてみることをお奨めしました。

 

さて、ここで気になるのですが、「ヘルプマーク」は、

世の中の多くの人に浸透しているマークなのだろうか…。

例えば車の「若葉マーク」「紅葉マーク」「障害者マーク」をはじめ

あらゆるメジャーなサインを見ると、それが何を指しているのかすぐ分かりますよね。

この画像を見てください。白十字とハート。

およそこれは医療か何か体に関係あることかな?ぐらいは見当付くでしょう。

実はこれがヘルプマークなのです!

 

東京発祥なので、地域によっては何を今更書いてるの?

…というほど認知されているのかもしれません。

しかし、本当に何を伝えたいマークなのか分かりますか?

 

ある自治体のHPなどを参照し、掻い摘んで解説いたしますと、

ヘルプマークとは

義足や人工関節を使用している方、内部障がいや難病の方、または妊娠初期の方など、

外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、

周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、

援助を得やすくなるよう、東京都が作成したマークです。

H29年頃から今日まで全国的にもマークの普及が進み、

紙製、木製など様々なタイプのマークが使用されています。

 

ヘルプマークをつけた方を見かけたら

  • 電車・バスの中で、席をお譲りください。
    外見では健康に見えても、疲れやすかったり、つり革につかまり続けるなどの同じ姿勢を保つことが困難な方がいます。また、外見からは分からないため、優先席に座っていると不審な目でみられ、ストレスを受けることがあります。
  • 駅や商業施設等で、声をかけるなどの配慮をお願いします。
    交通機関の事故等、突発的な出来事に対して臨機応変に対応することが困難な方や、立ち上がる、歩く、階段の昇降などの動作が困難な方がいます。
  • 災害時は、安全に避難するための支援をお願いします。
    視覚や聴覚に障がいがあり、状況把握が難しい方、肢体に障がいがあり、自力での迅速な避難が困難な方など様々な方がいます

どうか、ひとりでも多くの人々にヘルプマークを理解して頂き、

電車やバスなどで席を譲る、困っている様であれば声を掛けるなど、

誰もが思いやりの行動をとることが自然とできる

世の中となっていくことを願っております。