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友達に話があって電話をかけた。
その内容は俺的にビックリした事だったから、早く伝えようようと思っていたけどタイミングを見て夜にした。
電話に出た友達は何か落ち込んだような声だった。
『今電話しようと思ってたんだよ、チバさん亡くなっちゃったな。』
……はぁ？
嘘でしょ！？
彼は今日のニュースで知った事、その事で俺が電話してきたと思ったらしい。
ショックだった。
まさか亡くなっていたなんて…
今日もBirthdayの曲聴きながら運転して家に帰ってきたのに…
チバユウスケ
俺の中で世界一カッコいい男で
最高のボーカリスト。
Birthdayのサウンドも最高でさ
毎日毎日何年も聴き続けてきたよ。
食道がんで治療休養に入るとのニュースを知ったのは今年4月の大阪だった。
その日はくみの大阪での治療1回目。
退院した当日に帰るのはしんどいからと、駅近くのホテルに1泊して翌日に帰る事になっていた。
何気にテレビを見ていたらチバさんのニュースが流れた。
その時も驚いたよ。
大丈夫かよ！？
食道がんってヤバいのか！？
くみが調べてくれた。
『早期なら完治できるってよ！』
そっかぁ…
じゃあ大丈夫なのかなぁ…
くみは俺がチバユウスケの大ファンだって事は知っていた。
『どこの病院だって？』
…知るわけないよね。
『連絡とれないの？』
…とれる訳ないよね。
もう信じるしかなかった。
きっと大丈夫だって。
俺が髑髏好きなのはミッシェルと
theBirthdayのロゴやグッズの影響だった。
チバさんの声がたまらなく好きで、チバさんの歌詞の世界観が大好きだった。
あの日、何でガンなんて病気があるんだろう…と俺がポツリと言った一言、くみにはとても印象に残っていたと後からきいたんだ。
あれからちょくちょくチバさんの病状が知りたくてネットで検索していた。
でも数ヶ月経っても何も情報は出て来なかった。
それでも毎日チバさんの歌声を聞いていた。
8〜9月だったかな。
引っ越してきて大きなテレビになったから
、毎日数時間BirthdayのPVやミッシェルのLIVEをユーチューブでみていた。
いい加減、本当にこの人好きだよねってくみに言われた。
『何とか連絡取れれば、いい病院とか治療方法を紹介出来るかもしれないね』
その言葉に俺は現実味を感じられなかった。
たかだか1ファンの声が届く訳ないと、食道ガンなら歌えなくなる可能性はあるけど、チバさんならきっと戻ってくるよと思えたから。
今にして思えば…
くみは自分の事でいっぱいいっぱいなのに、少しの希望でも必死で食らいついて、可能性を自力で延ばして頑張っていた時期なのに。
人の為に心配して言ってくれた言葉のありがたみを、俺は軽く受け止めてしまって最初から諦めていたんだろうね。
今更だけど…ごめんなさい。
でもありがとね、今になってあの時の事を思い出してさ、やっぱりくみは凄い人だと思う。
チバさん
事務所からの報告を読んで、安らかに眠れたそうで…よかったです。
苦しまずに眠れたのなら、それでよかったと思います。
俺はたかだか1ファンですが、チバさんの歌声に毎日救われていました。
グレッチの音色がカッコよすぎて、Birthdayの奏でる音の中で、いつもチバさんの音に集中してましたよ。
もちろんBirthdayのメンバー全員の音も超最高でした。
ソロのデッドドリードライブとROSSOのシャロンは本当に大好きで何百回聞いたことか。
たまたま今日運転しててね、行きはミッシェルのエレクトリックサーカス、帰りはBirthdayの爪痕を聞いて泣きそうになりました。
特に爪痕は、アベさんを意識してずっと聞いていたのに、今の俺は自分の奥さんと重ねてしまったので。
チバさん…
本当にカッコよかったよ。
これからもずっと聴きますね。
どうぞ安らかに…
心から
御冥福をお祈り申し上げます。
今日は朝から指の神経が痛む。
8日に診察があるけど、骨はくっついたのかな。
骨や傷より、神経の痛みが鋭くて嫌になってくる。
本当に馬鹿な事したわ。
勝手に痛い思いしてさ、余計な金かけてさ、仕事も出来ないし、くみにも怒られて踏んだり蹴ったりだよ。
この痛み、だぶんずっと忘れる事は出来ないだろうね。
なんなら一生痛くてもいいよ。
あの夜のくみは1番辛そうだった。
助けてあげれなかった戒めだと思えば、こんな痛みは大した事ないよ。
でも一応薬は飲むけどね。
色々と支障が出るので。
そうそう、友達へ俺からの報告はチバさんの件で後回しになってたんだけど、ちゃんと伝えてその話はまとまった。
その流れもあって前のカミさんにLINEで連絡してみた。
実の娘の事も気になっていたし、昔お世話になったご両親もどうしてるかなと思って。
返ってきた返事の内容を読んで安心した。
離婚してだいぶ経つ。
俺の勝手な行動で2人に辛い思いさせたのは間違いない。
それでも、ずっと今でも連絡をとらせてもらえているのは感謝しかない。
もう20年近く、娘に毎年誕生日のプレゼントを贈っている。
実の父親として唯一出来る事だから。
もし俺に何かあった時は、プレゼントが届かなくなった時なんだろうと思う。
せめて何か…遺書じゃないけどさ、俺が生きてるうちに、本当に伝えたい事を書き遺しておこうと決めたよ。
いなくなってからさ、どう思っていたのかとか色々考察されるのは構わないけど真実はわからないじゃん。
だからやっぱり自分の言葉で残しておきたい。
自分がいつ死んじゃうかなんて、誰にもわからないから、定期的に書き換えか必要かもね。
もし自分もガンになったら…
余命がわかってしまったら…
リアルに想像しておかないと残された人も大変な事になる。
だから保険も見直すよ。
さてさて
夜はまだ長い。
チバさんの歌を聞きまくって寝落ちしようかね…
