1月は苦手だ。

 

 

 

俺の誕生日でもあり

オヤジの命日でもある

1月16日あたりになると

どうも体がおかしくなる。

 

 

 

親を亡くした子どもが

みんな同じ思いかどうかは

わからないけれど

 

 

 

振り返ってみれば

オヤジが亡くなった年齢に

自分が近づく頃が

一番嫌だったかもしれない。

 

 

 

なんで嫌なのかが

上手く言葉にできないけどね。

 

 

 

「上手く言葉にできない」と言えば

 

 

 

周りからよく質問されることで

気持ちを上手く伝えられないことが

俺の中にもう1つある。

 

 

 

「髭」のことだ。

 

 

 

時を遡って

監督就任1年目が終わった年

2004年の年末

 

 

 

世間に知られないように

大腸がんの手術をしたんだ。

 

 

 

そのちょうど1年前

監督就任が決まった時

その激務に耐えうる体かどうか

病院で検査をすることにした。

 

 

 

その時

大腸ポリープが4つ見つかった。

 

 

 

年が明け

切除手術を受けたが

そのうちの1つが

大腸の壁にへばりついていた。

ガンの可能性もあるという。

 

 

 

無理に取ると危ないから

1年様子をみましょう。

 

 

 

そう言われていたものが

やっぱりガンだったんだ。

 

 

 

早期とは言え

医者から「ガン」と告げられると

少なからず

心が揺さぶられるもんだ。

 

 

 

自分の人生を問うたり

その着地点を

リアルに考えたりもする。

 

 

 

そして今

自分の果たすべき責任のこと

 

 

 

球団のこと

家族のこと

 

 

 

手術後

入院生活で生えた無精髭を剃ろうと

自分の顔を鏡でジッとみつめながら

 

 

 

いつものように

カミソリを持つ手を上げた時

傷口に響いた。

 

 

 

今日はやめとくか。

 

 

 

そんなことをしているうちに

髭を蓄えた今の自分に

ある思いがふっと湧いた。

 

 

 

それが上手く言葉にできない。

 

 

 

そして

そのままキャンプに入った。

 

 

 

生やし続けるつもりはなかったんだ。

 

 

 

遅くとも

シーズン始まる前には

ある思いと共に

綺麗にそり落とそう。

そう思ってはいた。

 

 

 

そのタイミングを

見計らっていた時

 

 

 

たまたまつけていたテレビから

俺の髭のことで

渡辺恒雄主筆が

インタビューに答えているのが

聞こえてきた。

 

 

 

「まぁ、いずれ剃るでしょう。」

 

 

 

その言葉を聞いた後

すぐに剃ったよ(笑)

 

 

 

 

その名残かね

この時期になると

なんだか髭を蓄えたくなる。

 

 

 

なんだろうねぇ…

 

 

 

堀内の七不思議とやらがあれば

そこに入れといてくれるかな(笑)

 

 

 

 

よし!元気出てきたぞ~!

それじゃあ、またねバイバイ