困ったなぁ

仙さんに続いて

衣さんもなんてさ。

 

 

 

俺、先週ハワイに行ってて

知らなかったんだけど

戻ってきてすぐに

「衣さんの解説の声が出ていなくて心配だ」

っていう話は

仲間から聞いてたんだ。

 

 

 

衣さんと言えば

グラウンドではハッスルプレー

ユニフォームを脱ぐと

落ち着いた物腰で

ジェントルマン

 

 

 

ゴルフも

ご一緒させてもらったことがあるけど

構えたらすぐ打つタイプで

とにかく動きが早い

でもプレーを終えると

静かで穏やかなんだよね(笑)

 

 

 

そして

誰彼分け隔てなく

悪い事は言わない

それが信条だったんじゃないかな。

 

 

 

そうそう

食事をご一緒させていただいた時に

すごく印象的だったのが

右利きなのに

左手でお箸やらを持って

お食事されていたこと。

 

 

 

右バッターは打つ時にね

グリップを左手でリードするんだけど

その左手の自由を利かせるために

そうされてたんじゃないかな。

 

 

 

 

しかし現役の頃は

たくさん対戦させて

いただきましたよ。

 

 

 

 

スポーツ報知を読んだらね

こんな記録が書いてあった。

衣さんの通算打席 10634 のうち

対戦相手

1位 ヤクルト 松岡 297打席

2位 巨人   堀内 251打席

3位 大洋   平松 229打席

 

 

 

俺が歴代2位だってさ。

その251打席の中でも

特に印象に残ってるのは

衣さんの5試合連続本塁打の記録で

5本目は俺からだってこと。

ありがとうございました(笑)

 

 

 

対戦相手として

マウンドからみた衣さんはね

 

 

最初の頃は

インコース高め

アウトコース低めに弱くてね

そこへ投げときゃ打たれない(笑)

 

逆に危ないのは

真ん中低め

そこへ行っちゃうと

上手く打たれる

衣さんは

ローボールヒッターだったよね。

 

 

 

それでね

長くバットを持ってさ

思いっきり振ってくるんだよ。

だもんだから

当たりゃ飛ぶけど

当たらなきゃ飛ばない(笑)

 

 

1、2、3で

踏み込んで打つタイプでさ

体に粘りがなかったんだな。

 

 

だからね

こんな言い方したら

失礼かもしれないけど

2000本を打てるバッターになるとは

思ってなかったんだ。

最初は、だよ。

 

 

 

それがさ

晩年になっていくにつれ

体が止まるようになってね

変化球にも上手く対応して

バッティングが

進化していったっていうのかな

 

 

 

マウンドからみてて

それが凄くよくわかったよ。

 

 

 

衣笠祥雄というバッターが

23年という時間をかけて

完成されていったんじゃないかってね。

 

 

 

こうして話をするだけで

衣さんが目の前の

バッターボックスに

立ってる姿が目に浮かぶねぇ。

 

 

 

プロの選手として

続けるってことは

そりゃ大変なことでさ

まず体が強くなくちゃ

やれないもん。

 

 

 

だから

衣さんの人生も

野球と同じように

もっと長く続けてくれるもんだと

思ってましたよ。

 

 

 

 

惜しいなぁ…

 

 

 

衣さん

251打席の真剣勝負

本当にありがとうございました。

 

 

 

 

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

合掌