今日から10月かぁ。

なんだか

早くてついていけないね。

 

今日は俺の公式サイト

ギャラリーページ更新日

 

今月も

そこにアップした記事を

ブログに共有させてもらうね。

 

俺の仲間は(俺も含めて)

サイトとかブログとかリンクとか

どれも区別がつかないようで

とにかくブログだと

確実に読めるそうだから(笑)

 

色々話したいことはあるけれど

とにかく

がんばれ!

ジャイアンツ!

 

hit&07さん

球場での応援よろしくね!

 

俺はドリームベースボールで

がんばってきます!

 

堀内恒夫公式サイトより

【 俺の引退試合 】

1983年10月22日 現役最後の打席 

後楽園球場にて (C)報知新聞社

 

いい写真だね~

我ながら惚れ惚れするよ(笑)

ちなみに、俺、右手に手袋してるけど

これ間違いじゃないからね、

右手を守るためだよ。

 

この写真はね

俺の引退試合での一枚

 

この引退試合は

巨人の優勝が確定した後の消化試合でね

そうなると、とたんに

球場に足を運んでくれる人が

少なくなることを

俺自身、よく知っていたからね

 

俺、女房にさ

スタンドがカラガラだったらどうしよう

なんて、ちょっと弱気なこと言ったんだよ。

 

そうしたら、うちの女房

何て言ったと思う?

「大丈夫よ!私と子どもたち

それにお母さんや妹さんも来てくれるから

誰もいないところで投げることには

ならないわよ!」だって(笑)

 

 

試合開始は午後1時30分

対戦相手は大洋ホエールズ

 

6対3で迎えた8回表

とうとうその時がやってきた。

 

俺の名前がアナウンスされる。

「ピッチャー堀内、背番号18」

これを聞くのも今日で最後か。

 

当時はリリーフカーに乗って

マウンドまでいくスタイルだったけど

この日、俺は断ったんだ。

 

ブルペンからマウンドへの道

それは

ピッチャーにとって男の花道だ

 

だから最後は

その道をゆっくり歩いていくと

決めていたんだ。

 

「さぁ、扉を開けてくれ。今日は歩いていく」

 

俺は堂々と

そしてゆっくりと

マウンドまで歩くつもりだった。

 

そしたらさ、

スタンドのみんなが

総立ちになって拍手をしながら

俺を迎え入れてくれたわけさ。

 

想像以上の大歓声に

急に足元がおぼつかなくなって

早くマウンドに行かねばと

しまいには、俺

走りだしちゃったよ(笑)

 

そして、その回

大洋打線を3人で

ピシャと抑えた。

 

よし、この調子で

後1回抑えれば

いいんだ。

 

しかし・・・

その後、とんでもないドラマが

待っていたんだよ。

 

8回裏 巨人の攻撃

 

先頭打者 5番 駒田徳広が

ライトスタンドに

特大のホームランを放った。

 

その時、誰かがこう叫んだんだ

「みんな、ホリさんまでまわそうぜ!」

 

嬉しい言葉だったけど

そんなことありえないと思ったよ。

 

だって俺の打順

9番じゃなくて

篠塚和典に代わって

3番に入ったからね

 

それに消化試合だけあって

すでにこの回には

ほとんどが若手や

控え選手に代わっていたからさ

 

ところがだよ

6番 石渡 茂 四球

7番 クルーズ 三振

8番 吉田孝司 ヒット

9番 山本功児 3ランホームラン

1番 吉村禎章 三塁打

2番 鈴木康友 スクイズ

 

なんと!

1死1塁の場面で

本当に俺までまわってきちゃったんだよ!

どう考えてもありえんだろうって。

 

俺は急遽、山倉和博の

ヘルメットと手袋をつけ

淡口憲治のバットを借りて

バッターボックスに立った。

 

ベンチを出る時

若い選手に

「ホリさん、一発いこうよ!」なんて

はっぱかけられたけど

「バカ言うんじゃないよ!」

って笑いながら言い返したよ。

 

俺はもうバッティングの練習なんて

いつしたかも覚えてないくらいだったし

打席に立つこともまれになってたんだ。

 

いつも強気なことを言う俺だけど

そこには確たる自信があったから。

でもこの時の俺は

打てる気なんてサラサラなかったんだ。

 

ピッチャーは金沢次男

1球目 ストライク

2球目 空振り

目がボールの速さに

全然追いつかない。

みんなが一丸となって

俺にくれたチャンスだけど

こりゃ、本当にダメだと思った。

 

3球目 ボール

でもね、この1球

この時に突然ボールが

ハッキリと見えたんだ。

こりゃ、いけるかもしれん。

一瞬にして確信に変わった。

 

そして4球目

すっぽ抜けたような

ストレートがきた。

 

俺はそのボールを見逃さず

思い切って振ってやったんだ。

当たった瞬間、感じたね。

「ホームラン」だって。

 

それが

俺の現役最後の打席

通算21本目の本塁打

 

悲鳴にも似た歓声が沸き

スタンドからは紙吹雪やら

紙テープがあちこちから

舞い上がった。

 

俺がベースを1周し終わった後も

興奮冷めやらずで

係員が外野に投げ込まれた

紙テープの山を拾っているのに

球審がプレーを宣告しちゃうほど

球場全体がパニック状態に

なったようだった。

 

 

試合後に球場の特別室で

記者会見が行われた。

 

今回はその時に言った言葉で

締めくくりたいと思う。

 

「俺は努力なしで

素質だけでずっとやってきた。

それについては色々言う人もいるだろう。

しかし人生ってのは何本もの道があるけど

結局

自分のたどる道というのは1本しかない。

俺はその道を歩いてきたんだ。

やりたいことは全部やった。

悔いはないよ。」

 

(C)報知新聞社