巨人V9時代の1年目

1965年に入団して

V1~V9まで経験し活躍された

土井正三さん。

入団は土井さんが1年早いけど

立教大学からプロになったから

年齢は俺より5つ上。

 

広岡さんが引退されてからは

1塁手  王  貞治

2塁手  土井正三

遊撃手 黒江透修

3塁手  長嶋茂雄

これがご存じ!

巨人V9時代「黄金の内野」ですよ。

 

その中でも

土井さんは内野の要だったからね。

守備のサインを

土井さんが出してた時もあったくらい。

それで、土井さんが王さんに

黒江さんが長嶋さんに

「前に出てください。」とか

「後ろに下がってください。」とか

やってたんだ。

 

 

以前、菅野と小林の話をした時に

菅野の投げたい球を

小林が第六感で感じとれ、

って言ったことあったけど

土井さんと俺はまさしく、それ、だった。

俺がセカンドにけん制したい時、

土井さんが、けん制してこいって時、

サインじゃなくて

アイコンタクトで出来たんだ。

わかるんだよ。

 

 

俺、はっきりした日付が

思い出せないんだけどさ、

忘れられない光景があってね、

阪急ブレーブスとの日本シリーズで

絶対に点を取られてはいけない

っていう場面で

俺、リリーフで登板したわけ。

ノーアウト、1、2塁。

牧野茂コーチ、内野手

そしてキャッチャーの森さんが

マウンドに集まって

次のバッターは

「バントしてくるか、

打ってくるのか・・・。」

 

そこで土井さんが

「バントなら3塁線を狙ってくるだろうけど

ホリは守備が上手いから

そこへ転がしても、走者を送れる可能性が

低いことはわかってるだろう。

ここは打ってくるに違いない。」と言った。

それを聞いた牧野さんが

「じゃぁ、お前達に任せるよ。」と言って

ベンチに戻った。

そして森さんが

「ホリ、インハイに投げてこい!」の言葉で

みんな、自分のポジションに戻った。

 

そして、俺は森さんの要求通り

インハイに投げたら

土井さんの予想通り!

相手は打ってきてショートライナー。

セカンドランナーが飛び出してて

ダブルプレー。

そのプレーがきっかけで

風向きが変わり、その試合勝ったんだよ。

あの緊張感といい、冷静な判断といい、

本当、忘れられないね。

 

 

1969年日本シリーズの

本塁突入にしても

想い出せば

土井さんの名プレーは

まだまだたくさんあるよね。

 

 

 

土井さん、キャンプの帰りにゴルフをして

その時、血尿が出たらしく

ビックリして病院に行ったら

しばらくして膵臓ガンっていうことが

わかってね。

 

帝京大学病院に

巨人で立教の後輩である横山と一緒に

お見舞いに行ったんだけど、

その時は土井さんが1時間喋りたおしてね。

お見舞いに行った俺と横山の方が

疲れきった思い出があるよ(笑)

 

その後、2007年に

巨人通算5000勝記念のイベントが

東京ドームであってさ、

V9戦士が各ポジションについて

始球式をするというもので

土井さんは手術した後だったから

車いすでセカンドのポジションについてね。

 

2008年の俺の野球殿堂入りパーティーにも

車いすで駆けつけてくれて。

それがお会いした最後だったね。

 

 

今年の春、立教大学の応援に

神宮球場へ行った時、

同じく立教野球部だった

土井さんの弟さんがいらしてて

ご挨拶したんだけど

面影そっくりでさ・・・。

 

 

 

今日は土井さんで始まり

土井さんで終わるブログでした。

 

 

それでは、みなさま

よい1日をパー