理解してくれている男たち・クワドラプルアクセル感想 | ほりきりのブログ

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鉄道の旅とスポーツが好きです

 クワドラプルアクセル、もうちょっとだけ引っ張ります。
 今度は男性陣。




(ゆずプーだってのっかる)



 ノッテステラータで共演した男性陣ふたり。無良さんと刑事くん。
 フィーバーな二人がショーの総括をしつつ、見守っていた羽生さんについて語ってくれた。


 無良さんは今はコーチもして若い選手たちを教えているけど(筆頭は駿だよな)だからこそ、プロとしてどんどん高みにのぼっていく羽生さんの体の作り方に驚いているようだった。
 普通試合に出ているときをピークとするならば、そこから外れると練習量も減ってしまいがちでどんどん衰えていく。鍛え上げていたからこそ衰える落ち幅が大きくなり故障も多くなるのだと。初めて聞いたわ。だから普通は急に落ちないように気をつけているのに、ゆづは逆だって。プロになってからさらに上げていってるって。
 自分がプロとして滑り、コーチとして人の体も見ているからこその視点なんだろうな。すごいな。
 それでさらに上げてケアしている羽生さんの身体は、しっかり出来上がっていると。体つきが本当にいいバランスで引き締まっていると。
 無良くんも筋トレ好きだったんじゃないかな。でも筋トレはすればいいってものではないだろう。よけいな筋肉が付いたら邪魔になることもあるんだろうな。そこのバランスがいいのだろう。なんか無良くんに言われるとすごく納得するわ。

 


 たぶん誰よりも昔からいっしょに戦ってきてそばにいただろう刑事くんは、羽生さんの本質を見ている。
 プロになってから単独でショーができるほどいろんな見せ方演じ分けをしているのだけども、それはもうすでにすべてそろっている高い技術、それをもって足したり引いたりしながら、正しい技術をプログラムに新しく落とし込んでいくって。それは羽生さんの持論そのままだね。それを実践していることを刑事くんはちゃんと見ていて理解しているんだな。
 またノッテステラータというショーに対する羽生さんの想いも理解してそばにいてくれてる。3.11ともろかぶりして座長が辛そうだった昨年と、対して今年はちょっと柔らかかったと。そこはショーに如実に表れていたけど、近くにいた人は直に感じ取っていたんだね。
 つらい部分は「みんなで横に立って支え合おうという感じでいます」
 くー、泣ける。ノッテステラータが単独ショーじゃなくて、あのメンバーといっしょに作るショーで本当によかった。


 で、おふたりの「サタデーナイトフィーバー」は、二人とも緊張していたって。かっこよかったけどな。
 身体が大きくてパワータイプの二人。なるほど。見てて二人がすごく釣り合っていたように見えたけど、身体のバランスがよかったんだろうね。娘は刑事が無良くんの大人の男に追いついてきたって粋なこと言ってたけどね。
 私はもろ世代だからめっちゃ盛り上がったよ。フィーバー!!



 衣装デザイナーの原さんが張り切りすぎている。
 ゲームに詳しい人がRE_PRAYに触れると、自分の解釈を、使われる曲やゲームの背景を語らずにはいられない!って感じ。
 原さんもオタクだったんだ。オタクが自分の領域に入ってこられてそこに共鳴する部分を見つけるともう止まらなくなるんだよね。いやーほんと止まらない。
 はっきり言ってゲームのわからない私には理解不能な勢いになっている。でもあのRE_PRAYはわかる人が受け止めてわかる部分を全部語ってくれて、それを羽生さんが受け止めたら、オタクたちの中で世界が昇華してしまうんだよ。
 その感覚すっげーわかるわ。私の領域にゲームがないだけで。マンガでもアニメでもスポーツでも歴史でも、私だって止まらなくなるもん。そんで今一番止まらないのが羽生結弦だけどね。だからこうして夜な夜な長文書き散らすことになるんよ。
 そして羽生さんの今の尋常じゃない活動の仕方も理解してくれている。
 よかったね、羽生さん。身近にいる人にこんなに響いてくれたよ。これもまた報われていることだと思うな。



 そして清塚さん。
 お二人は仲良しで親友という言葉も使われている間柄。でもものすごくストイックに最高のプロフェッショナルとして対峙していると思った。
 RE_PRAYの重要な楽曲のいくつかを清塚さんが編曲し演奏録音しているんだけど、このスタッフも超一流でなければならない。時間がなくて一発勝負になろうとも、その超一流をそろえる。清塚さんも音楽の面で絶対に妥協しないプロなのだ。プロとプロがつばぜり合いをするように作り上げていく。仲良しでもなごなごなんてしてる暇ないんだよ。


 ショーを作っているスタッフもたぶん超一流。その人たちが魂を燃やして総指揮にくいついていく。誰よりも努力して何もかも捧げて全力でショーに取り組んでいるのを見ているから。みんな本気になる。
 そんなたぶん張りつめて煮えたぎっている現場では、みんな同じ方向を見ているから、きっと羽生さんの身体のことまで見えないかも。
 そこで、清塚さんがひとりで必死に心配している。


 清塚さんも原さんも、羽生さんがやろうとしていることをわかっている。私らファンも横浜のMCで聞かされて納得するしかなかった。
 それでも、心配は心配なんだよね。ああいう現場だから、みんなも同じように戦っているから、今少しだけ外にいる清塚さんが心配するしかないよね。
 そうやって心配しても「えへへへ」って笑うんだって。やばい、こっちまで心臓がきりきりしそう。


 清塚さんがいてくれてよかった。近くで心配だ心配だって言ってくれる人がいてよかった。
 羽生さんが命を削って身を捧げて成し遂げようとしているときに、ときにふっと力が抜けて落ちてしまったとしても、振り返って帰る場所があるよ。
 同志として共に戦うプロフェッショナルであり、帰る場所のひとつになりうる親友である。
 清塚さんがいてくれて、本当によかった。



 最後に都築先生は褒めて褒めて褒めまくっていた。
 魂で、神で、宇宙なんだって。
 SEIMEIで次元の扉をぶち破ったとき、私はあれは神の領域に手をかけた、と感じた。でももはや手をかけたどころではない。完全に神の領域にいってしまった。先生が神が演技してるっていうんだもの。
 都築先生がそう言うんだから、そういうことだよね。
 今の羽生さんのスケートは、神の領域です。



 男性陣のお話を読ませてもらって、羽生さんは理解してくれる人たちに囲まれていると思いました。
 エンタメの世界で新しい戦いを始めた羽生さんには敵も多いかもしれない。
 でも理解してくれる人が集まって、いっしょに仕事をしてくれている。
 それぞれの分野の超一流がこぞって羽生さんと仕事をしようと集まってくれる。
 そんな風に実感させてくれる、すばらしい「羽生本」でした。

 これからも、ファンのみんなも清塚さんといっしょになって、オロオロと心配しながらついていく。
 羽生さん、絶対大丈夫だよ!