羽生さんの心は太平洋よりも広く、博愛は日本海溝よりも深い | ほりきりのブログ

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 宇野昌磨選手が競技を引退したそうです。
 長い間の現役生活、お疲れさまでした。



 私は見守ってきた主だった選手の引退とかに際しては言葉を添えてくることが多かった。
 それは自分が観戦した思い出とか、お気に入りのプログラムについてで、選手を総括するんじゃなくて個人的な思いを語ってきたのだ。
 そんなわけで今回は特に何も触れていなかった。

 のだが。


 羽生結弦さんからのコメントが発表された。
 最初テレビで紹介されたらしい。そのあとスポーツ各紙からも出た。どうやらメディアからの求めに応じて皆さんに送ったと思われる。

 それまでは第一報だけで大きな報道はなかった。ネットでも私の見る範囲では反応が薄かった。
 それが羽生さんのコメントを境に、羽生さんも込みでどっと流れる。他の選手関係者からのコメントも流れてきたようだ。
 羽生さんを待っていたような。それまではみんな動かなかったみたいな。やはり最も影響力のある存在であるのだろう。

 さて少し事情が変わったな。私も対応しなくちゃ。
 では羽生さんからのコメント。


 「小学生、中学生の頃から宇野選手と共に戦ったり、共に歩んできた身としては、どれほどの覚悟で頑張ってきたのかを知っていますが、少し環境が変わるだけで、これからも頑張っていくのだろうから、僕からの「お疲れさま」は言わないでおこうと思います。

 どうかこれから先に、幸せをたくさん思い描けて、たくさん叶いますように。

 『宇野昌磨』の理想のスケートを、ずっと楽しんでいきます。

 普通の、年齢が3つ違いなだけの男性同士で、たわいもない会話をしましょう。そしてまたスケーターとして、リンクで、笑いながら本気出せる、熱くなれる、2人にしかできない時間を過ごせる機会がくることも、どちらも本当に楽しみに待ってます。

 「ゆづくん」として「昌磨」と世界で競技してこれたことが、本当に幸運なことで、楽しかったです。本当にありがとうございます。

 これからも“また”楽しみがたくさんありますように。羽生結弦」



 羽生さん、心が広い!

 脳内で七宝ちゃんの声でツッコミされる。かごめちゃんのようではないか。(私は「犬夜叉」大好きです。ちなみに私は犬夜叉並みに心が狭い!)

 羽生さんの心は太平洋よりも広く、
 その分け隔てない博愛は日本海溝より深いわ。



 2年前、羽生さんのプロ転向に際して宇野選手からメッセージがあった。そのときの内容にひとつひとつ丁寧に自分の言葉で綴った、返歌でありました。
 私は宇野選手のコメントをいちいち覚えていない。(改めて紹介しているところもあったけど、読めなかった)
 ただ「ゆづくん」という名称で語りかけていたのと、20代の男同士の話がしたい、みたいな内容は覚えている。
 それをすべて引用してきれいに返している。(リアル光源氏?)


 20代となると羽生さんは今年30になるから。だから3つ違いなだけと直したのかな。
 大人になると年齢の3つ違いはもう差を感じないだろうけど、学生では3つはすごく大きい。というか部活の中では一番先輩後輩の上下関係がきつい範囲になるかも。(それ以上離れると本来接点がない)
 だから3つ違うだけの男性同士がたわいない会話ができるようになるのなら、大人になったからなんだね。

 先輩に対して「くん」とか「ちゃん」とかで呼ぶのはどうもこの競技の特性のようです。(羽生さんも「大ちゃん」呼びしていた頃もあるんだよ)
 だからここで「ゆづくん」でもいいのだろう。羽生さんも下の名前呼び捨てにしてる。

 こうした過去にもらったコメントをきちんと覚えていて、ちゃんと返してあげる。すごい心配りだなあと驚きます。


 小学校の頃からいっしょに戦ってきたって。全部見ててなにもかもちゃんとわかってるんだよ。
 よかったこと、楽しかったことを思い出して、ねぎらいとはなむけを贈ってあげられる。
 そして幸せがたくさん叶うようにと。
 ああ、なんてやさしい!

 いっしょに競技をしてこれたことが幸運で楽しかったって。ありがとうって。
 ああ、なんて心が広い!



 この二人にしかわからない、特別な時間があったのだろう。大切な思い出があるのだろう。
 それについて私がちゃちゃを入れることはできません。
 
 だからといって、やたらと二人の関係を美しいものとしてやたら尊がるのはまた違うと思うのだよね。
 今までいろいろあったから、ファンの中でも整理のつかないものもある。
 私は正直いっしょに見たいとは思えないし。でもそれは個人の感想です。
 

 二人の間のことは二人にしかわからない。
 羽生さんの気持ちも、宇野選手の気持ちも。それもお互いにも通じてるとも限らないし。人の思いはそれぞれ。
 そして私の気持ちは私のもの。


 スケーターとして、リンクで、ということを受けて、ショーで共演があるのか問題。
 SOIみたいな既存のショーでの共演はあるかもしれない、とは思う。それはお仕事ですから。どっちもプロなら。(そうなったときに私が飛行機乗ってまで行くとは言えないけど)
 でもファンタジーやザアイスのように、お互いがトップでまとめてるショーに出張ってくることがあるかなあ。少しハードルが高い気がする。それやっちゃうと双方のファンにも不満が多いと思うし。リスクのが高いよ。

 「宇野昌磨」の理想のスケート、って「」をつけてる。
 「羽生結弦」のスケートとはきっと全然違うのだろうから。



 これからは、二人はそれぞれの価値観で、自分の活動をしていくのだと思う。
 プロの道はきっと厳しいよ、昌磨くん。採点じゃない、結果(お金と集客)が勝負の世界だ。
 羽生さんはその厳しさを一番よく知っている。
 だから今、同じ言葉を引用してエールを贈ったんだろう。

 これは、CLAMP先生や緒方恵美さんとX上で直でやりとりした相聞歌とは違う。 
 羽生さんは2年前にもらった言葉に、きれいにリボンをかけて礼を尽くしてお返ししたみたいに見える。



 ただ驚くのは、2年前のメッセージをしっかり覚えていて引用するって。
 つまり小さな出来事もささいな言葉も、自分が受けたことは覚えているんだよ。
 これ、なかなか怖いわ。

 羽生さんは心の写し鏡。
 これからも羽生さんのために、誠実な応援をしていこうと、ケツイを新たにしております。

 そして、羽生さんにこそ、幸せがたくさん叶いますように。




 あら、宇野選手の引退に寄せてなのに、羽生さんのことばかりだわ。しょうがないわね。これが私のスタンスだもんね。
 これからは競技の世界も少しは変わるのだろうか。
 もう少し楽しんで(ストレスなく)フィギュアの試合が見られるようになったらいいな。