今夜はクリスマスイブです。
この夜に、21時に、羽生さんの公式ユーチューブチャンネルで、「ゴリアテ」と「アクアの旅路」が一般公開されました。
1ヶ月前にメンバーだけに見せてくれた動画を、たぶん細かい微調整をしまくって神経を注いで大事に大事に育てて、晴れてクリスマスプレゼントとして一般公開ですよ。
たくさんの人に見てもらえるね。よかったね。
ゴリアテは、神話の物語になるようなものとは関係ない、曲のイメージをそのまま表現したものだそうだから。別に怪物をぶっ倒すお話なわけではない。
でも蹴りあげながらぐるぐる回ったり、最後にカメラ吹っ飛ばしたり。なにか戦ってぶっ倒す感覚はあるよね。
まあそこがゲームの雰囲気というところか。
出だしの演出がもろゲームっぽいしね。
私が好きなのはアクセル跳んでからピョン。
ハイキック連続でかましながら旋回していくところ。
とうとう文字通り氷を這うハイドロ。
吹っ飛びながらくるくる回るカメラ。
へへ、みんなもきっとそうだよね。
こんなに激しく動きながら、踊りながら、アクションしまくりながらも、ここは氷の上なんだよね。
初めて見る一般の人がびっくりするかも。羽生さんは陸や床の上より、氷の方が動けるんです。氷上生物ですから。
アクアの旅路は、本当に悪意も災いも洗い流してしまうような感覚だ。
こんなに滑らかにしなやかに、水が流れるように、人の体は動くものなのね。
そのしなやかさを見せる肝が美しいスタイルだ。この練習着の美を、一般の人に見せちゃうのか。美しいスタイルは、日々の研鑽の中で磨きあげた成果だからね。
そしてこの演技の中にもジャンプはあるんだよ。見落としそうだよね。まるでステップの中だものね。表現としてのジャンプを極めるとこうなるんだ。表現とジャンプは両立する。いや、ジャンプが表現だ。
スピンが柔らかい。アップライトで上にあげた手がほどけていく感じがたまらない。
なにもかも、柔らかくて、静かで、沁みてきます。
聖夜にふさわしい、祈りそのものだと思うのです。
羽生さんは他意なく、クリスマスに届けようとしたのだと思う。でもたまたま全日本とあたってしまったね。
試合で頑張る選手たちの演技とは、まったく別のところにある、次元の違う、プロの演技だ。
私が現役の選手を評して柔だとか剛だとか言った。その中庸とも言った。でも羽生さんはそのすべてなんだな。
剛を極めて激しく舞うようなゴリアテとか。
究極の柔のようなアクアの旅路とか。
あらゆる表現を、あらゆるキャラクター性を、阿修羅だろうが菩薩だろうが、魔王だろうが天使だろうが、すべて矛盾なく身のうちに持つ。
それをよく見せてくれるのが、このふたつの動画のような気もする。
そしてこれ最後にRE_PRAYの紹介がはいる。羽生さんがやる唯一の宣伝かもしれない。
ゴリアテがRE_PRAYの戦いまくる前半。
アクアが祈りの後半。
まさに象徴になっているよ。
ゲーム関係で今羽生さんの演技に興味を持っている人たちにも、何かのイメージが届くといいな。
そして、
羽生さんのことをよくわかっていない人たちにこそ見てほしいんだけど。
羽生さんの一番雄弁な言語がスケートだから。
悪意ある噂話とは違う、嘘や中傷ででっちあげられたものとは違う。
これが羽生結弦そのものです。
今日はクリスマスイブ。
我が家の今年のケーキは栗のブッシュドノエル。
ねこまさむねくん、伊達巻じゃないわよ。
動画のクリスマスプレゼントで、ウキウキしたり厳かになったりします。
羽生さんのスケートは心に灯る光です。
羽生さんにも光が降り注ぎますように。
メリークリスマス!