美しいスケーター美しい体が世界を救う? | ほりきりのブログ

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鉄道の旅とスポーツが好きです

 ブリアンコーチが京都の木下の合宿で指導していて、そこでとってきたインタビューの訳文が紹介されているので、私も読ませてもらってきた。
 多くのブロガーさまがすでに紹介し解説しているから、あまり詳しいことは必要ないと思うけど、自分のために一部の抜き書きと感想を。



 羽生結弦選手と仕事をしたとき、羽生選手はすべてにおいて優れていました。すばらしいスピン、すばらしいスケーティング技術、すばらしいターン、すばらしいフットワーク、すばらしいジャンプを持っていました。美しいスケーター、美しい体!つまり、これらすべて、パッケージとして持っていれば、何かを失っても、偉大な存在でいられるのです。

 皆さん反応しているのが「美しい体」ですわね。ビューティフルボディ!です。びっくりマークで強調もされているわ。
 そう、体美しいです。でもそれはただ持って生まれた美貌だけじゃなくて(それはとても重要だけど、そのうえで)スケートのためだけに鍛え上げて作りあげられた美しい体よね。スケートのためのトレーニングをすることだけでできあがった絶対的に必要なだけの筋肉。筋トレはしないって言ってたもんね。だからそうやってできた美しい体というのが、結果的にスケートのために理想的な体なのよ。
 そしてスピンもターンもフットワークもジャンプもすべてがすばらしい。そんなスケーター、他にいるかい。このパーフェクトなパッケージゆえに、偉大な存在であると、コーチが言い切っているよ。



 ユヅルと仕事をした時、足首の問題で本当に色々なことが減りました。平昌オリンピックの前は壊滅的で、アップを続ける必要があるため、そのケガから回復するのは大変でした。そのため、怪我を治すのに時間がかかってしまうのです。
 だから、私はミエに「マオやみんなが健康でいられるようにしなければならない」と言うんです。


 ああ、ユヅルの足首… 平昌前… 思い出しても苦しいけど、そのときにずっとそばにいて全部見ていたのがブリアンだものね。
 どんなアスリートにも怪我は避けられないものでそれは羽生だけではない。それでもきちんと対応しながら一度も長期離脱休養することなく10年以上もトップに居続けることができたことは尋常じゃない、羽生ならではだと思うわ。
 そして濱田コーチに対して健康でいなきゃいけないと言えることはすばらしい。ミエの一番大事なマオのために必要なこと。くれぐれも念を入れといてください。あのクラブで一番心配なのがそこだから。



 ジャンプのメカニズムを理解させながら、それができれば成功するということを理解させなければならないのです。私が持っているジャンプはすべてユヅルのものなので、ユヅルのビデオを主に見せています。ボディーアライメントが秘訣だと教えています。4回転を跳びたいなら、近道はないんだ。近道をすれば、怪我をすることになるから、それに向き合う必要があるんだ。

 ジャンプのメカニズムってどういうものだか素人にはわからんけど、それがブリアンと羽生が作り上げたメソッドなのよね。アライメントの調整って、ブリアンが教えたんだね。ブリアンの教えをしっかり受けついているから羽生はもうひとりで全部できるんだ。
 その理論を説明するための教材が羽生。いやそのビデオって、世界中のコーチが欲しがる秘密兵器じゃん。それを駆使してコーチングできるブリアンは最強だ。その指導を受けられる木下アカデミー、勝ち組だぞ。
 4回転を跳びたければ近道はない。近道をしようとすれば怪我をする。ーー選手も、指導者も、肝に銘じなければならない金言だね。




 ブリアンて今京都とスイスをまたにかけるさすらいのジャンプコーチなんですか?お仕事はしないといけないんだけど、羽生でなければ特定の選手に固定したコーチはしないってことかな。
 いっそ、カナダだろうが中国だろうが、求められればジャンプコーチしてまわれればいいのにね。世界に羽生式の正しい美しいジャンプを広めてほしいものだ。

 羽生の技術を見せられて、すぐできるできないは別にして、これが正しいこれを目指そうと努力する若者は、きっと王道を進んでいけるだろう。
 一方それを見ても技術を直そうとしない(直せない)者はそこまでなんだろうな。たとえジャッジから点数をもらったとしても観客からの支持はきっと得られない。

 今の競技フィギュアが衰退しているのは、技術の低下(崩壊といってもいいか)のせいだよ。一見高難度のジャンプをたくさん跳んでいたとしても、その踏切りやら離氷やらがめちゃくちゃになっているんだもの。
 踏切りがおかしいとなんのジャンプを跳んでるのかわからない。回転をごまかしたジャンプには高さや距離がなくて驚きや爽快感がない。見ててつまんないし感動しないのだ。見てるだけの一般人の目が一番正直なんだよ。
 だって、私がまず落ちたのが15歳の4回転トーループなんだから。そのまま13年だよ。
 正しいジャンプは大きいし美しいし、見たときにうおーーー!ってなるんだ。完璧な着氷は鳥肌がたつんだ。正しい美しいジャンプはそれだけで芸術なんだ。そういう技なら見るものを引き付けるのだ。
 

 だから一般の人が見たいと思い、人気があって、スタンドに観客を戻すには、まず技術を正しくすることからだと思う。
 そのために、ブリアンの宝物の羽生の映像が、羽生が作り上げた正しく美しいジャンプが、世界に広まって意識してくれるなら、それはとてもいいことだと思う。
 コーチングはブリアンにまかせて。羽生はその滑りとその芸術的なジャンプで世界を魅了し続けるだろう。何がすばらしいのかは、見ればわかる。
 それをも認め受け入れないならば、あとはもう滅ぶだけさ。
 
 
 ブリアンの持つ羽生の映像が、羽生が見せる正しい技術が、フィギュアスケートを救う最後の砦なのかもね。