「友情を育てるために1番大切な事は何だと思います?」

 

 

 

時間。

 

 

 

「時間? どうして時間なんですか?」

 

 

 

育むんだから時間がかかるに決まってるじゃん。

 

 

 

「時間をかけなくても育める方法は?」

 

 

 

無いね。

 

 

 

「そんなこと言ってたら大切な人とか親友とかを作るのにも時間が掛かっちゃって、なかなか出来なくなるじゃないですかぁ」

 

 

 

そんな事はないでしょ。

 

大切な人は初めから大切な人でしょ?

 

 

 

「初めっから? 初めはなんてことない普通の人だったのが、付き合っているうちに少しづつ大切な存在になっていくでしょ?」

 

 

 

そうじゃありませんっ。

 

始めは相手の存在の大切さに

 

気づかなかったものが、

 

後になって気づくだけです。

 

大切な人は始めから大切な人として

 

あなたの世界に存在しているものなの。

 

 

 

「そうなんですか? じゃぁ愛する人とかもそうだって言いますか?」

 

 

 

それも同じ。

 

 

 

「でも、そういう人って、出会いの場が必要だし愛を育む時間だって必要じゃないですか?」

 

 

 

あなたが言ってるのは

 

愛じゃなくって愛情。

 

感情とか思い入れのこと。

 

 

 

「どうしてですか?」

 

 

 

大切な人は初めから大切な人として

 

あなたの前に現れてくるんです。

 

その人が初めて現れたときには、

 

嫌な人って思ったり

 

何とも思わない人かもしれないんです。

 

でもあるときに、

 

気になる人になったり

 

ますます嫌な人になったりするんです。

 

 

 

「それで?」

 

 

 

あるときに大好きになったり

 

その人無しじゃダメな存在にも

 

大嫌いな存在にもなり得るんです。

 

 

 

「そうやって変わることがあるのはどうしてですか?」

 

 

 

背景に愛があるからだよ。

 

初めっから愛があるのに

 

そのことに気づけなかった人と出会って、

 

あるときに愛に気づくだけなの。

 

当然、気づく機会がない人もいるし

 

気づけなかった人だって沢山いるんです。

 

 

 

「どういうことですか?」

 

 

 

愛はすべての人にあるんだけど、

 

あなたみたいに特定の人物に対してだけ

 

愛を感じ取るって言うのは

 

かなり特殊な状況なんです。

 

ある意味、

 

相手の存在に洗脳されている状態だね。

 

 

 

「それが愛なんですか?」

 

 

 

愛じゃないんだけど、

 

今のあなたみたいな人にとっては

 

そういうふうに言わないと

 

好きとか嫌いっていう愛情と

 

もともとある愛の区別もつかないでしょ?