「ルールって守るべきですよね?」

 

 

 

まぁそのほうがスムーズに事が進むね。

 

 

 

「なんか引っかかる言い方ですね」

 

 

 

あなたが“べき“なんて言うから。

 

 

 

「守るべきでしょ?」

 

 

 

そうとも限らないでしょ。

 

 

 

「どんな時ですか?」

 

 

 

あなたに重大な被害や災難が降りかかる時とか。

 

 

 

「そんな特別な事じゃない普段の時ですよ」

 

 

 

例えば、40キロ制限の道路を40キロ以下で走れと?

 

 

 

「そこまでは言えませんけど…。でも守るべきですよね?」

 

 

 

何のために?

 

 

 

「他の人に迷惑かけないためですよ」

 

 

 

俺なんか40キロの道路を30キロで

 

走ってる人がいる方が迷惑だけどね。笑

 

 

 

「そういうことじゃなくて…、決まりは守るべきだってことですよ」

 

 

 

それって決まりを守らない人がいたら、

 

あなたが不愉快になるってことでしょ?

 

 

 

「どうしてですか?」

 

 

 

あなたが考えているルールから

 

逸脱する人がいたら、

 

あなたが不愉快に感じるってこと。

 

私はきちんと守っているのに

 

あの人はどうして守らないだ、って。

 

 

 

「それもありますけど、だったらルールは守らなくても良いんですか?」

 

 

 

それは論点のすり替え。笑

 

ルールは守るためにあるんです。

 

でも守らないといけないものじゃないよね。

 

 

 

「守るためにあるのに、守らないといけないものじゃないってどういうことですか?」

 

 

 

ルールはルールのためにあるんじゃなくって、

 

ルールを使う側の人のためにあるの。

 

使う側っていうのは、

 

社会全体だったり個人だったりのこと。

 

社会全体に合わせる必要はないけど、

 

社会全体に合わせないと不安に感じる人だっている。

 

個人だって、自分の好みや選択に合わせて良いんです。

 

でも、自由を与えられていることで

 

不安になってしまう人も存在します。

 

私はどうすれば良いんだろうか、

 

自分だけ違ってると不安だってね。

 

その時に楽な選択としてルールや

 

社会の慣習を守ることを選ぶわけです。

 

 

 

「つまり?」

 

 

 

ルールは守らないといけないとか、

 

守るべきだっていうのは、

 

あなたの不安が背景にあるってこと。

 

 

 

「不安ですか?」

 

 

 

みんなと違う選択でも良いんだろうか、

 

逸脱したら周りに迷惑かけて

 

他の人から嫌われるんじゃないかとか。

 

 

 

「不安かぁ…」