「そういえばずっと前、テレビで言ってましたよ。 いま世の中では賛否両論らしいです」




いつものことながら…、

せめて主語つけて話をしてください。
 
 
 
「生理中のスタッフは胸のところにマークをつけるそうなんですよ。 それで周りのスタッフにわかるように教えてあげるそうなんです。 それがデパートらしいんですけど、これに対して賛否両論あるんですって」
 
 
 
へぇ、良かったね。
 
 
 
「そういう反応じゃなくて、そろそろ何かお言葉をくださいよ」
 
 
 
お言葉?
 
良かったねって言ったじゃん。
 
 
 
「そういうのは求めていません」
 
 
 
どんなことを求めてるの?
 
 
 
「私のようなおバカでも、なるほどなぁ面白いなぁって思えるような話ですよ」
 
 
 
めんどくさいじゃんねぇ。
 
…でも、まぁいいか。
 
どんな切り口で話をすればいいの?

例えば男性性と女性性とか

性教育やジェンダーの話とか性差とか、

何について話を聞きたいのか
 
選ぶことくらいはできるでしょ?
 
 
 
「それを言われると…。う~ん、性差かなぁ」
 
 
 
性差について話をするためには
 
男性性と女性性について
 
分かっとかないといけないけど?

それはわかる?
 
 
 
「例えばどんなことですか?」
 
 
 
尋ねると言う事はよく知らないんだな?
 
 
 
「細かいこと言わずに教えてくださいよ」



せっかちだなぁ。
 
男性と女性の大きな違いは、
 
生物学的には遺伝子のことだよね。

人の存在っていうか、
 
在り方っていう意味から特徴を
 
表現すると“攻撃性と受容性”。
 
 男性の特徴は攻撃性で、

女性の特徴は受容性っていうこと。
 
これは物事の考え方でもそうだし

セックスでもそうだし

社会性でも似たような感じになるね。
 
 
 
「具体的に例えるとどんなことですか?」
 
 
 
男性の場合には、
 
ものを考える時でも
 
論理的に正しいか間違いかとか
 
自分の推論に妥当性があるかどうかとか、

そんな組み立て方や考え方をするの。
 
 
女性の場合だと、
 
他の人たちと共有したり
 
共感できるような
 
感性の範囲にあるかとか、

自分の感情は安定してるかどうかとか、
 
感情や気分にどのぐらい
 
流されてしまっているとかいないとか、

まぁこういうような捉え方をするでしょ?
 
 
 
「その説明は何となくわかりますね」
 
 
 
男性と女性とっていうのは、
 
きちんと別れてるわけじゃなくて
 
どちらかと言えば男性的
 
どちらかといえば女性的、
 
どちらかといえば○○な感じ
 
ってことなの。
 
 
 
「なるほど、納得です」
 
 
 
セックスの話をここでするわけにはいけないから
 
社会性のことでエゴイスティックな例え話をすると、
 
 
男性の場合には、
 
自分や自分が守りたいモノの利益のためには

他の人や存在に不利益を与えても
 
構わないって考える傾向を持っているんです。
 
 
これは例えば、

国家間の貿易だったり
 
自然破壊につながるような利益でも同じ。
 
他方、女性の場合には、
 
闘争や攻撃とか破壊は好まないけれども
 
得られた利益は自分も享受したい。

破壊や攻撃から得られたものであっても

自分のためになるものであれば

これは善なる物として受け取りたいわけ。
 
 
大体こんな印象で理解できましたか?
 
 
 
「何となくわかったと思います」
 
 
 
じゃぁあなたが聞きたがっていた性差の話ね。
 
 
これは女性の特徴を考えると
 
いっぱつで理解できます。
 
それは女性には生理と言う
 
自然のリズムがあることに全て集約されます。
 
女性はこのリズムのために、

自然や地球と感覚的につながりやすい
 
性質を内在させています。
 
それはさっき話をした
 
女性性が持つ受容性とも共通しています。
 
なので女性の中には

オーガニックや
 
ナチュラル〇〇といったものに
 
興味を寄せる人が比較的多くなります。
 
だからといって、
 
男性にはそういうことに興味を持つ人が
 
いないと言うわけじゃないです。
 
 
話を続けますよ?
 
さらには、このリズムのおかげで
 
命を誕生させる能力を兼ね備えています。

 

「わかります。 だから需要と供給と同じと言う事ですね」

 
 
 
いきなり経済の話かと思った。
 
どう言うこと?
 


「男性と女性とのあいだでは、恋愛の需要と供給のバランスが取れているってことですよ」
 
 
 
そうね。
 
求める者がいて受け入れる者がいる。
 
獲得する者がいて享受する者がいる。
 
破壊する者がいて育て慈しむ者がいる
 
これが人の性差と言うことだね。
 
こんな風に考えると、
 
ジェンダーやLGBTのことなんかも
 
わかりやすくなってくると思うけどね。
 
 
と言うことで、1番初めの話に戻るよ。

テレビで問題になっていたのは
 
どうも性差や女性性の事ではないね。

その番組を見てないからわからないけど

あなたの話からすると、
 
社会的な価値観とか心理的に
 
どんなふうに感じるかといった話題だろうね。
 
なので、そういう議論するときには、

女性とか男性とか性別とかと言う概念を
 
持ち込むべきじゃないね。
 
単に社会的な価値観として
 
今の時代に適切か否かとか、
 
皆んなが受け入れることができるか否か、

あるいはその人たちが置かれている環境のもとで
 
当事者が嫌な思いをしないかどうか、

大体はこんな風な話になるね。
 
 
 
「つまり?」
 
 
 
そういう文化価値観を受け入れたいかどうかって話。
 
 
 
「文化価値観?」
 
 
 
そういうのって人が作り上げてきた
 
ものの考え方だよね。
 

それもどちらかというと大陸っていうか

 

欧米のキリスト教文化。

 
日本文化だと、
 
それって当たり前だから
 
周りのみんなも自然と気をつかうし、
 
生理中の人がいたら雰囲気でわかるものでしょ。
 
 
 
「雰囲気でわかるんですか?!」
 
 
 
あなたはそういう日本文化から
 
離れたところで生活してるから
 
わからなくなっているのかも。笑
 
わかりそうな人に聞いてごらんよ、
 
わかるって言うから。