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fiat cinquecento cm

アベノミクスと自転車の今後の話。


・・・微妙だ。自転車は難しい。
自転車って乗り物は、どうしたって車体も含め、消耗部品の集合体であるからして、
どうしても長持ちさせたい場合、屋内管理を徹底し、なるべく乗らないに徹すると・・・。

ただ、自転車本来の使用法をいささか逸脱している感が大きい。
ってか、自転車は乗るモンである。

翻ってアベノミクスである。成長戦略だの、何本の矢だの、大騒ぎをしている結果、
円安が加速し、輸出産業が好調となる一方、ママチャリを含め、海外生産の自転車は、来年度から
値上げを余儀なくされるという寸法だ。

 最近、古くから存在する英国のブロンプトンというメーカーの折り畳み自転車を取り扱う事となった。
昔はイギリス製と台湾製のモノが存在し、取り扱いもユルい感じだったんだが、
現在は結構シビアな感じで、作り、販売し、ファン層も熱狂的な人が多い。
で、それがなかなかのペースで売れる。

現行のママチャリやら、ビーチクルーザーやら、何しろ面白可笑しい自転車は売れない。
ってか、売ろうとしないし、何だかいりもしない在庫をノルマ的に持たされ、それどころでは無いのが
本音と云った所だろうか?

ロードレーサーの進化も甚だしいぞ。どこがどう始めたのか、アンチシマノ製品の具現化なのかは
知る由も無いが、兎に角、新しい規格を矢継ぎ早に投入しまくる。
アメリカンバイク(アメリカだからバイク)メーカーにその傾向が顕著だが、ヨーロッパのレーサー
(ヨーロッパだからレーサー)にも大きく影響し、市場は混沌としているのだよ。

それぞれに独自性を見出す様に、同一部品に互換性を持たせないのが特徴でね、
あたかも自転車って機材は、消耗品の使い捨てのモノとして扱われているかの様である。

電動シフトシステムに至っては、もうパソコンありきで考えられており、苦労して配線を施しても
サッパリ動かず、しかしながら製品に説明書などは無く、仕方なく
シマノに電話で問い合わせると、ファームウェアをアップデートしてくれと云う。
・・・イラッとするよね。

確かにノンストレスでシフティングがウルトラスムーズで、レース機材であろうよ。
有る程度のマニュアル的なモノ位は用意して欲しいモンである。
そこにどう至るかってのすら無いってのは、些か無責任ではなかろうか?
決して安い商品じゃ無かろうよ。

海外製品などは、日本語の説明すら無いモノも本当に多い業界である。

 
 閑話休題。
日本に於いて、一般的な、所謂「ママチャリ」っては、もう変貌を遂げないとならない時期に、
とっくに差しかかっていると思う。大手の営業が来て、是コレを販売して欲しい、も然りだが、
もう少し時代に則した的なモノ作り、即ち自転車の本来のスピードへの回帰が肝要。
現行はまだまだ旧態依然とし過ぎていてね、気持ちは分かるが、時代錯誤も甚だしいのだ。
せめて世界基準レベルの自転車作りを切に望みたいモンである。

我輩はね、ママチャリを含め、自転車なら何でも直す、又は直す努力をする。
でもね、昨今の勝手な自転車作りの適当さには、些かイラッとするのだよ。
何も全部が全部、レースをする訳ではないのだから、毎年のモデルチェンジは不必要であると
考える人は少なくないし、戦略としては解らないでもないが、販売店ばかりに在庫等々を
押し付ける販売方法は如何なモノか??と思うんだ。

自転車は鉄やアルミなどの素材も、それぞれのメリットもあり、乗り手に合わせて選択されて
然るべきなのであるよ。

 ブロンプトンは普遍的な佇まいを放つ。それを乗り手、若しくは買い手は理解し、
多少高価な、小さな折り畳み自転車に大枚ハタいて買って行く。
一様に、素敵な笑顔と共に、自転車を買って行く。

それが、大いなる魅力。

自転車って乗りものは本来、自由な乗り物である筈なんであるが、いまやがんじがらめ
極めて不便な、特に売り手にとっては・・・だがね。
そんな乗り物になり下がっている場合も有るや無しや・・・とも云えなくもない。

 先日バーゲンで手にしたダウンヒルタイプのマウンテンバイクを富士見に持ち込み、
愉しんで来た人がいる。ロードやら折り畳みやら、沢山の自転車を持ち合わせるオッサンだが、
掛け値なしに愉しかったそうである。
この人はマウンテンだけじゃ無く、ロードレースやったり、折り畳み自転車で
輪行サイクリングをしたり、兎に角色んなスタイルで自転車と接する人だ。

こんな自由な発想の自転車遊びが、身近にある事こそが望ましいと思う今日この頃なんである。

最近、少しだけ珍しいジドウシャを入手し、愛でているのだが、我輩は特にクルママニアでは無いし、
それなりに不便やアラも見え隠れして来ている。

 偏見だろうが、ジドウシャなんて、存在自体が便利なのだから、最低限事故防止や回避の為、
オートマなんて無くすべきだと思っている。と云うよりも、ジドウシャ自体が便利な乗り物であるが故、
マニュアル程度の操作をする煩雑さ位、人に課すべきではないかと思うんだ。
運転席で、斜に構えて片足持ち上げて、ハンバーガー食ったり、スマホをいじったりする位暇なヤツが
多いってのは、愚の骨頂であると思うんだよ。
 クルマを操る、機械を操る愉しみ、ドライビングプレジャーなんて、もはや死語なのだろうかねぇ?

 自転車は人力だ。最低限、ペダルを漕ぐ。当然乍ら進む。電動アシスト?必要無いだろ?
本来はね。ご老人が云々との意見もあろうが、齢80を越えても尚、矍鑠として、
クロスバイク等、スポーツ車に乗る現役の人も大勢知っているので、
自転車に乗る側で鑑みると、ご老人=電動アシストって考え方を正当化するのが難しいんであるよ。
人力で、何処までも行ける自由度の自転車がだ、電池の消耗を、あたかもジドウシャの
ガソリンが減るかの如く見つめながら走るってぇ行為は、愚かしい気がしてならない。

実際、ジドウシャのオートマを無くせば、不要な事故は減るだろうし、クダラナイながら運転なども
減るだろう。メシ食ったり、スマホしたり、本来運転とはかけ離れた行動をしている輩が、
よもや自動車が趣味だの、ジドウシャ好きだのと宣わないでほしいのであるよ。

右手を窓の外に付き出して煙草を吸っている御仁。
外は灰皿では無い。お前の乗るそのジドウシャの灰皿を使用し、窓は絞め切って吸いなさい。
煙草が好きなんだろう。室内を煙で充満させながら吸えば良いではないか。
灰や吸い殻が飛んで来る事がしばしばな自転車乗りは、
いつも後ろで憤っておるのだよ。

アベノミクス・・・

関係無い話になったなぁ。


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HONDA CITYとモトコンポ

『HONDA CITYとモトコンポ』

80年代は面白愉快なコンセプトが満載だった。

自由度が高かった。遊ぼう。遊ぼう。

もっと自由にね。

御無沙汰のネタである。申し訳無い。

 さて、こんな表題ではあるが、最初にこの乗り物に触れておこう。
HONDAのCITYというのは、1981年登場の四輪小型自動車で、
2ボックスタイプのクルマで、背が高く寸詰まりの自動車であったんだ。
あだ名が付いていたっけね。

その名も「トールボーイ」。

そのキュートでポップな外見から人気を博し、CITYはシリーズ化され、
ターボが付いたじゃじゃ馬ジドウシャへと変貌して行くのだった。

ま、ホンダシティーに関しては、この位で由とするが、そのトランクが狭かった。
だがしかし、そこは夢の80年代、サーキットやキャンプ場で移動の足として、
原付を載せてしまおうではないかって事で開発されたのが

「モトコンポ」である。

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至ってスクウェアなボデーに、折り畳み式ハンドルを収納すると、
シティーのトランクルームにスッポリ入ってしまうと云う寸法な訳である。
何とも自由過ぎる無駄使いな発想であるが、コンセプトは面白い。

ホンダのシティーはバカ売れだった。
モトコンポは・・・それ程売れなかった様で、何しろキャンプやらなんやら
出掛けた先で使う為に、モトコンポが積載されていると、
他の荷物など一切積めないのだ。
結局モトコンポだけが売れ残り、当時は結構値崩れして
乱売してしまったお店も有るようだ。

これらは現在流通量は極めて少ない。

どちらも生産中止からだいぶ経つのだが、生産中止されてからしばらく経ってから
モトコンポ人気が爆発し、シティとセットでヤングタイマーの
仲間入りをしている様である。

個人的に、ホンダのモンキーもモトコンポも散々乗ったよ。
モトコンポなんか50ccで2.5馬力しか無いもんだから、
遅いしスピード出ないし、シティーに載せないとあまり意味を成さない
稀有な乗り物だった。


 さて、そんなコンセプト、コンパクトカーに詰めるモノ??


そうそう。自転車だよね。って事で、これまた様々なモノを試してみたい我輩である。
スポーツ自転車ってのは良く出来ていて、車輪を前後外せば軽自動車にも積めちゃうし、上手に積めば複数台だって積載可能。今日びの軽自動車はデッカイからねぇ。


 コンパクトになって、出来れば折り畳めて、車輪が極端に小さく無くて、
しかも廉価である事。これが大事なコンセプトな訳である。

現代的エコロジーを鑑みると、ジドウシャオンオートバイって図式は無いし、
だいたいそんなコンセプトバイクがそもそも無い。

ってぇ事はだ、自転車って選択肢がかなり有力。

で、今日びのジドウシャ事情はというと・・・何ともゴージャスな
応接間みたいなミニバン系ジドウシャが跋扈し、
軽自動車も絢爛豪華な(?)重装備で中も広々なんである。
しかもラクチン運転のオートマチックトランスミッション。
自転車なんかママチャリですらスッポリ収納。

・・・そりゃあ良こざんした。

そうじゃないんだ。必要最小限の趣味車である我輩のジドウシャ故、
ジドウシャが動かなくなった時に移動出来る術。
しかも、只でさえスペースが無いピッコロなジドウシャですから、
あの、あり得ない狭さのトランクルームに何とか収めたい。
更にトノカバーまで付いているので、何としてもその中に収容したい。

従って、16インチ以上は不可。多くのFDB(フォールディングバイク)、
所謂折り畳み自転車は殆ど20インチサイズなので、いきなりハードルが高いのだ。
16インチは英国のブロンプトンが有名だが、高額故、
ジドウシャに積みっ放しとはいかにも乱暴な所作故、

ボツ。

ブリヂストントランジットコンパクトは16インチで軽量、
安価なので候補だが、
ハンドルが折り畳めず、
折り畳み形状が悪いので

ボツ。

当然乍ら、レーサーやマウンテンバイクなどのスポーツ車は

ボツ。

BMXに至っては、もう後ろの座席潰しておいてもイイか?
なんて思わされてしまう程、自転車が格好イイし、
しかも何か技とか出来なくてはいけないオーラがムンムンしているので、
凄ぇ後ろ髪を引かれたが

ボツ。

14インチのイタリアのBianchiというビシクレッタメーカーから
以前リリースしていた(日本のみ)ノビータ(Novita)
イタリア語で「目新しい」という名の自転車、ひょんな事から最近手に入れたのだが、
折り畳めるのはハンドル部分だけ(自転車自体は相当小さい)なので、
チンクのトランクにはギリギリ入らず

ボツ。

やはり過日ゲットしたチョロQ自転車は存外に大きく、

ボツ。

嗚呼、またもや自転車のみが増え続け、
イメージ通りのモノが無いのかと諦めかけていた時、
ふと頭を翳めた自転車があった。
ゴイチが扱う例のヤツだ。

チョッと前まではルノーライセンスで生産していて、
数年前からフィアットのライセンスになったアレだ。
車体はアルミ製の14インチ。生産は何とあの折り畳み自転車の雄
「ダホーン」社のライセンス生産。
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似たような車体で、電動アシスト付きの自転車に「500」のネーミングが
付けられてしまっているので、チンクエチェントを名乗れない。

電動アシストは要充電だし、重いし、高額だから

ボツ。

 名前をとられたが、なぁに、ウチのチンクだって500なんて
何処にも書いてないし、500の数字とは縁もゆかりも無いから
全然気にならないのだ。

さて、件の自転車の話に戻そう。命名してやるとすれば、ちっこい自転車だから
チッコイチェントか?いやいや、またそんな事を云っていると知らず明鏡のうちに

「チ○コ」

とか云いだす輩がいるから、

あだ名はイイや。

実際にそのチッコイのをゲットし、トランクに乗せて見る。
流石にサドルを差したまま立てると、トノカバー下には収納出来ず。

だが、だが、だが、である。

どうにか収まりそうな雰囲気満点だ。サドルを抜いてみる。
横倒す。

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あ!あ!

ああ!

は、入った!やった。

ついでなので、トランクに鎮座ましましていた
海外製の大きめのエコバックに突っ込んでみる。

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おお!全ては無理だが、65%位入った。傷・騒音防止にはイイなぁ。

かくして、ホンダシティとモトコンポのコンセプト、
しかもイタリアンなオシャレ趣味車の組み合わせが
完成したのである。

う~ん、是は便利である。

 何故、ホンダシティとモトコンポの積載コンセプトを実行したかったのかは
実に明快で、自転車に携わる生業である自転車人であるが故、
常に自転車が側にあるってのは愉しい。


そしていざって時、ジドウシャは走行不能になったりする可能性がある。
そんな時、サンダーバード2号よろしく、自転車が出て来てこんにちは。

と、先に進む事も出来よう。ま、雪国は除くけれど、
私が住んでいる所は南国でも無いが、雪国では無い。

 云ってみれば、滅多に使う事は無いだろう、
スイスアーミーナイフの様なモノかも知れない。
持っているだけでサバイバル気分である。
間違ってもディスカウントストアや、ホームセンターに売っている、
スプーンのついた10得ナイフでは駄目なんである。

だから、自転車にも、有る程度のブランド力が必要なんだ。
粗悪な折り畳み自転車は、

粗悪品でしか無いから。



それを見抜ける眼力さえ有れば、自転車遊びは俄然愉しいモノになって行くよね。

スポーツだけが自転車じゃ無いからね。


選択肢は、無限!?



使い方は貴方次第也。



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fiat cinquecento

最高だ!此処までやるか!



近隣の某国立大学の自転車対策について


驚いた事に、こんな愚策とも云える対策が立案されるとは・・・
驚きと落胆を禁じ得ない気分である。以下、某国立大学のHPより抜粋。
(大学名は伏せてあります。一応・・・)


平成28年度までにキャンパス内だけで乗り回る自転車の持ち込み「ゼロ」を目指します。

某国立大学は駐輪場を増設する代わりに、学生や教職員の居心地のよい居場所を計画していきます。

■平成25年度
○新入生はキャンパス内だけで乗り回る自転車の購入・登録を控えてください。
○2年次以上の学生は、キャンパス内だけで乗り回る自転車の新規購入、授業間の移動、昼食時の移動はできるだけ控えてください。

本来ならば2年生以上も構内移動用自転車の持ち込み「ゼロ」をお願いするところですが、すでに自転車を持ち込んでしまっています。2年生以上に、登録の自粛をお願いしたところで、かえって放置自転車の増加が予想されたため、構内移動の自粛をお願いすることにしました。新入生には不公平感があると思いますが、次年度以降も新入生の構内持ち込みゼロを継続し、平成28年度には「構内持ち込みゼロ」を目指しますので、ご理解をお願いします。


■キャンパス内だけの自転車の自粛に至った経緯
 現在、○○○キャンパス内には、通学用自転車が約6,000台、構内移動用自転車が約2,000台登録され、非常に多くの自転車があります。調査の結果、構内移動用自転車は、
朝の授業に間に合わない。
終電に間に合わない。
バイトに間に合わない。
サークル活動間に合わない。
という個人的な理由によって持ち込まれていることが判明しました。
個人的な理由から千葉大学のキャンパスを駐輪場代わりに利用されることは、外部空間の有効な利用を阻み、美観上も好ましくありません。
 また、構内移動用自転車の多くは、学生が卒業(修了)した時点で、キャンパス内に放置されていきます。これらのことから、南門周辺の駐輪場状況の悪さの最も大きな原因は、構内移動用自転車であることと判断し、これらの自転車をキャンパスに持ち込み「ゼロ」という方針に至りました。
 なお、かつては構内移動用自転車を禁止している学部もありました(2004年度調査)ので、
元の状況に戻ったと理解してください。

 

どうだろう?何かが間違ってはいないだろうか?と云うか、何も正しくないよ。
トホホなツッコミ所が満載である。

 確かに、卒業生が大量に自転車を放置して行く現状は否めない。
だが、その対策として、学内で使用する限り、
予め処分費用を学生から徴収するべきであるのだ。
自転車に対する認識が、教育施設自体が甘過ぎ、
また不勉強である為に起きる事案である。

 そもそも、構内移動用自転車であろうが、通学用であろうが自転車の用途など、
100%個人的な事由により、持ち込むに決まっているのだ。
だいたい、学校で学ぶことですら、個人的な理由だよ。

 民主主義国家の日本ではあるまじき発言である。驚愕である。

 かつてこの学校は、生協にて出鱈目な自転車を販売し、大失態を演じたが、
その愚行を愚行と思わず尻つぼみ的に終了し、
先般、何の修理もしていない自転車の知識ゼロの
リサイクル自転車(リサイクルなど全く施されていない廃棄自転車)を
「エコロジー」などと称し、販売、レンタルをする保安・保全など全く
考えてなどいないかようなの愚行をして業者を学校が推奨していた経緯がある。
すなわち、学校側にとって自転車というモノは、単なる金食い虫の放置自転車(粗大ごみ)
という認識しかないのである。

 当然、使用者側にも大きな問題がある。しかし、あれ程の広大な敷地内を徒歩のみで移動し、
授業を受けられる環境下には無く、自転車排除ありき、では無く、本来は教育とシステムの徹底
を図るのが筋であると言いたいのだ。

美観を損ねる?敷地内に地下や地上複数階建の構内自転車駐輪場を早急に設置し、
利用料を徴収。そこを利用しない自転車は即撤去とすれば良いでしょう?

 そして2004年度の一部の学部のみの禁止(禁止の理由は未記載)で、
「元に戻った」と理解せよという。

それで今日びの学生さんは納得するのか?合点が行くのだろうか?
私は某大学に電話をして問い正してみたんだが、どうやら各駐輪証の発行は各学部で行っており、
学部によって対応が異なる場合があると云う。縦割りである。そして構内移動用と
下宿者との見分けはどうするのかも聞いた所、住所氏名を記入するので、近隣区市以外は
認めないと、こうだ。・・・馬鹿なのか?そんなのは詭弁も甚だしく、ママチャリであっても、
隣町から通って来る学生は沢山いるだろう。近隣在住の学生以外は自転車通勤を
認めない方針だって・・・自転車の有用性から甚だしく逆行した考え方である。

放置自転車を無くす有効な方法を教えようか?学内使用の自転車はスタンド装着禁止にして、
その代わり、自転車が自立出来る駐輪場を作るんだよ。
若しくは、ママチャリを禁止したらどうだい?学生も学校側も、スポーツ自転車の有用性を
学ぶべき所に来てるんではないのかな?

100円ショップの品物は壊れても惜しくない。
高額なモノは何とか修理して使おうと思うだろ?
自転車も一緒でね、どうせ無茶を云うのなら、
5万円以下の自転車使用禁止とかにすりゃあイイ。

 どうでもイイが、構内用のレンタサイクル事業を画策しているらしい噂が跋扈している。
そりゃあ何をしたって勝手だが、その多くの自転車の保全、メンテナンス、保険等の整備を万全にして戴きたいモノであるぞ。

 誠に残念な話だが、この国の自転車ユーザーの殆どは、
自転車があると便利だとは思って使っていても、その使用者の殆どが、
自転車には興味を持っておらず、自分の所有する自転車のメーカーすら
知り得ない人が殆どで、そんな残念な状況が文化として根付いているのだ。
だから、学生側も、学校側も、たいして自転車問題などは重要視しないのである。



自転車後進国、日本。

こんな状況をいち早く打破する事が急務ではなかろうか?



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三代目・・・紆余曲折あってこうなった?(後編)



 もう、此処まで見ればね、何も考えず乗るチャンスがあれば乗るべき
愛しき機械なんであるよ。
しかも現車である「スポーティングアバルト」に至っては、歴代アバルト車の、
所謂かっとびボーイズレーサーとかのエンジンチューンなどは皆無で、
エアロパーツなどで武装してはいるものの、エンジンは至ってノーマルの55ps。
アバルトのバッヂが鎮座ましましているのだが、エアロ、ステッカーチューンである。
エアロスミスでは無く、エアロっす、ミスっす。とでも云われかねない風体だ。
言わば毒無しサソリやら、尾無しサソリなどと揶揄されかねないのだ。
愉快。痛快。

デザインは、日本の少し前の軽自動車っぽい。ってか、あまりクルマに詳しくない人が
見れば、絶対に軽自動車だと思うだろう。
一時期のダイハツのミラとか、鈴木さんちのアルトとか、
そんな超絶スクウェア感。お茶目である。
でも左ハンドルのマニュアルボックス。粋である。

現代の軽自動車の陰に隠れると、本当に見えなくなってしまうんだ。
車体・エンジンに定評あるアバルトチューンとは一切関係が無い。
私はサソリ座で、たまに毒を吐いたり毒づいたりしているので、
それはそれで丁度よかろう。
所謂エアロチューン(?)ってヤツである。これもある種潔くってイイ。
何でも無い1000ccクラスのエンジンのくせに、ガソリンはハイオク指定だ。
環境負荷が叫ばれる昨今、エコカー糞食らえの威風堂々たる佇まいを醸し出している。

 この自動車の出自が何とも不運って云うか、不遇と云うか・・・調べる程面白い事にも
大変興味を持たされたんだ。何たって自動車好きでも500とかチンクとか言っても
真っ先にイメージされにくい車両で、出自も良く解らず、ネットでググって見ても、
出て来るのはヌーヴォや新型現行チンクばかり。

 こんな珍秘な珍車ってぇだけで、乗って見る価値は充分にあるでしょ。
チンクエチェントならぬ「チンピエチェント」である。
・・・全く以て意味不明だが。

な?シビレちゃうだろ?買わずにはいられないだろ?

まあいい。

私は即座に購入を決意した。

買った所が悦郎さん所の「ガッティーナ」であったってのもあるが、
一切の試乗なんて野暮な事はしないで購入を決めた。
何か解らないけど、このクルマにある種のシンパシーとか、
第6感的インスピレーションを感じたのも事実。

だが、私に霊感など微塵も無いがね。

細かい所作などどうでも良かったのさ。あちこちくたびれて来てるのは、
走って来た証拠だし、そんな機関を、腕のいいメカニックが見ていてね、
外見を板金オールペンして、綺麗に着飾って、
内燃機関がそりゃあ無いネン、なんてぇ残念な個体も少なからずあるから、
こんな珍車は誰が診て来たかって事で決定するんだと思うんだ。

300馬力だ600馬力だって、そりゃあそれで凄ぇやね。
ブリブリ云わせちゃうでしょうよ。
でもね、私も少しだけ齢を重ね、少しづつだけどモノの分別がつくようになった来た今、
今日び、660ccの軽自動車だって過給機くっつけて、
64馬力なんて軽くたたきだす時代にね、
たった55馬力の15年前のイタリアンピッコロが、
オッサンのハートを鷲掴みにしてだ、揺さぶったんだよ。

自動車を運転して初めて、感動したよ。

なんかね、初めて免許証を貰ってさ、オートバイに乗った感覚に近かったんだ。

ああ、自動車って、コレでイイんだなって思えるシンプルさ。

危うい機械なのかもしれないけれど、人が操作してナンボの機械モンだと
思うしね、女子供が簡単に動かせそうも無い(例えですからね)スパルタンさが魅力でね、
でも車を車なりに扱って来た人にはさ、すこぶる操作しやすくてね。
1997年式のチョイ古ってのも凄く気に入っているんだ。
1997年って云えば、今から15年前、私が家人と所帯を持った年ですから、
何だか他人の様な気がしないじゃないですか。

ガッティーナも1997年創業だそうで、各々が、
様々な変革があった世紀末でもありました。
そんなこんなの経緯もね、何かのご縁って事でね・・・。

まぁ、兎に角そんなポーランド製のイタリア車にまんまと
イカレちまったワタクシなんである。

アルファロメオだって、諦めちゃあいない。

だけど、

なぜ、

今、

自動車なのか?

って所だけど、
人間なんて齢を重ね、体力や運動能力も低下してね、
そんな中で多くの国産車の如き安楽な乗り物に乗るってのには
抵抗があったんだよね。自転車はシンプルだよね。
沢山乗った人が沢山走れる。コレが道理。

自動車もね、まだまだ動けるうちに乗らないと、
後悔してしまう様な気がしたんだよね。
あとは出会い。

これには当の本人である私が驚いた程だからね。

まさか本当に買ってしまうとは思わなかった。

ただし、買って良かった。本当に。

並行輸入車の為、型式不明車だから、
ネットで保険見積もりがことごとく出来ない。

わはは。それがどうした?

スパルタンなのだ。アバルトなのだ。

アダルトなあばれはっちゃくなのだ。

殆どの人が知らない「チンクエチェント」。

ポーランド生まれのイタリアンピッコロ。

歌舞伎者の私にはピッタリであるよ。

何処までも走って行っちゃうよ、俺ぁ。

どうせ一度の人生ならば、愉しんだ方がよかろうよ。出来る範囲でね。



どうだ?


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三代目・・・紆余曲折あってこうなった?(前編)



 春である。桜が咲き乱れ、草木が芽吹く頃合いとなって、
人様の世界も新入学・入社式、果ては色々な物品の値上げ等、
日本では年度の変わりでもある4月、社会が移動変化中といった感のある季節である。

 自分的にはさしたる変化があるわけでは無いが、暫くやっていなかった事を最近、
復活する事にした。
・・・と云うよりも、大人になったらやって見たいかなぁ、なんて、
漠然と抱いていた憧れをやって見ようという、勢いってぇか?
盛り上がりと云うべきか?
兎に角実行に移したんだ。

 それは、大人の趣味車に乗る事。

私は元来変わり者で、ある一定の条件をクリアしていなければ、
そのものに興味すら持たないし、へんてこな妥協も一切しない。
趣味なんてそんなこだわりの権化であって、ある種贅沢なモンであるってのが自論だからね。
自己満の世界。

 さて、私の条件としては、自動車はマニュアルボックスのトランスミッションである事。
国内外問わずだか、世間の評価以前に、そのものが存在するパッションめいたモノを
感じられるか?
且つ、なるべく低価格で、小さくて、実はあまり知られていないマイナーで・・・
でも、私は所謂自動車マニアとかそういった類いの人種には成り得ないし、
そこまで根深くなんて付き合えないのだよ。面倒臭いでしょ?そういうのは。
あくまでもライフスタイルの一部分として、少しだけ変わった自動車に乗ってる。
そんな普段着感が大事なのね。さりげなさが無ければ素敵じゃ無いのね。

 そんな拘りを列ねて行くとね、わだかまりばかりになってしまい、
理想のヘンな車なんてのには
なかなかお目にかかれないんである。

 暫く、イタリアのアルファロメオって車が、漠然と欲しいって思っていた。
スパイダーってオープンカーを筆頭に、物件を見るともなく探してはいた。
スパイダーなら普通の人はあまり買わないし、使い勝手悪いし。なかなかイイ。
車も出会いであるから、アンテナは張ってね、
でも、根深い所にある自分の吟線に触れないと行動には移れないと。

第一、 先立つ金も無いんだし。これが一番の問題なんだ。
だから自分の周りにはスベカラク、自分は自動車嫌いって事で通してきた。
うん、いまだにどちらかというとあまり好きな方では無いと思うのね。

 先般、フェイスブックというSNSネットワークで、うすら30年ぶりに再会した人がおり、
チョイと風変りな自動車屋を経営しているといった事を以前触れた事がある。
神奈川は辻堂にある「ガッティーナ」というお店だ。

学生時代、フリスビーというプラスティック製の円盤を放り投げて遊んでいた頃の先輩だ。
当然この男も相当の変わり者であるんだよね。
変わったクルマを扱っていて、自分が納得するまで手直しする。外観よりもむしろ
心臓部の内燃機関。外装を化粧して誤魔化すような事はしないんだ。

だからなのかは解らないけれど、ガッティーナに集う人達は、変わり者っぽく見える。
マニアと云うより、好きモノの集まりってぇ風情だ。腕のいい店主を信頼し、集っている。

さて、今回入手するに至った珍車中の珍車。
その名も「フィアット チンクエチェント スポーティング アバルト」。
長ぇ名前である。

フィアットチンクエチェントと云えば、一番有名なあのルパン3世が乗っていた
あのまるっちいヤツだ。あれは実は二代目であって、初代は「500トッポリーノ」
という、トッポジージョにもチッチョリーナにも似て無い、変わったヤツである。

で、二代目チンクがあのルパン三世で有名な「NUOVA 500」(ヌーヴォ チンクエチェント)、
世界的に有名になったあのクルマであり、500(チンク)の代名詞ともなっていて、
現代に新型となる4代目(日本ではコレが三代目と表記されている事が多い)の
フィアット500である。これも現在では人気者なので、
皆さんのイメージに合致する事でしょう。

 だが、しかし、である。確実にチンクエチェントを車名に謳った自動車が確かに存在した。
当時フィアット社は、売り上げ好調で爆発的大ヒットとなった大衆車「フィアットパンダ」
シリーズの後継車を製作せんとし、模索していた。

 お気付きでしょうが、此処でもう既に、ルパンの500の後継車系譜から、
厳密には外れているんだよね。そう。あのジウジアーロが自らの最高傑作であるといって
憚らない名車中の名車、パンダの後継車の模索である。
本家筋で無い分家の子と云うか・・・
発言に難有りかもだが、完全に非嫡出子ってか・・・
妾の子ってか・・・
フィアット126の後継とも云われている事がある為、言ってみれば
パンダと126から生まれたと云う、何とも・・・
完全に醜いアヒルの子状態である。

 こんな出自の車が存在したのかってのも驚きだが、
何しろイタリアのフィアット社のクルマのくせに
生産国はポーランドである。その辺りが126の流れね。
1991年から、1997年まで生産され、
所謂ルパン500のムーブメントを何とかポーランドにも・・・って、完全に
柳の下の2匹目のドジョウ狙いなんである。

 エンジンの基本設計は意外と古く、1972年にまで遡るんだが、前出の126に変わる
ネオモデルで、系譜から行くと、ヌーヴォ500の後継車として126が生産され、
一時期生産国がポーランドに移されたんだね。
何とかポーランドにもヌーヴォや初期型パンダの如きモータリゼーションの
ムーブメントを・・・って思惑がフィアットに戦略的にはあったのだろうが、
何せ初期型パンダもヌーヴォ500も世界的に爆発的な人気を博し、
翻って126はヌーヴォの後継として当時モダンな直線的デザインで打って出たのだが、
鳴かず飛ばずの立派な不人気車となってしまい、
この126の流れから継承された三代目チンクは、
どうしてもポーランドにヌーボ500的モータリゼーションムーヴメントを、
フィアット的には是が非にでも巻き起こしたい!
と云った悲願があったのだろうか?
はたまたフィアットの単なる意地なのか、
ポーランド戦略は牧歌的お荷物風に考えていたのかは定かではないが、
何しろOHV704cc二気筒30馬力やら、850の流れのOHV903cc40馬力、
そしてプント55とかパンダ系にも採用された
FIRE (Fully Integrated Robotized Engine)エンジンを
搭載しようとしたり、何とも涙ぐましい努力をしているのが伺えるのだが、その中にも
何か目新しいモノをってぇ事で、デザインをシンプルで圧倒的に直線的にしてしまったんだね。
パッケージ的には抜群である。キープコンセプトは
コンパクトで小排気量で3ドアという所くらいだろうか?

 だが、やはりと云うか、当然と云うか・・・ルパン500やパンダの爆発的人気には全く敵わず、
それどころかこのスクエアなデザインが災いしてなのかどうなのか?時代も時代だった
イケイケの90年代だからなのかは解らないが、日本には正規輸入すらされなかった
大変に不遇な目にあってしまった名も無き車である。

 そしてパンダの後継車って話だったのだが、普通後継者の生産が決まったら、
惜しまれつつだろうが何だろうが、その前任車は引退する事がセオリーなんだが、
何とパンダの生産はそのまま続けられ、パンダのファイアエンジンを採用する車であるにも
かかわらずネオパンダのポジションには成り得ず、しかもエンジン系譜からヌーヴォ500→126の
経緯的な方向性を鑑み「500」としたかった所、126の不人気度や、
ひっそりとポーランド生産にするなど、何となくコソコソと生産されていたかのような業態と、126のエンジンからファイアエンジンを載せたり、
900ccだの1100ccだのと、もはや500ccをとっくに倍近くアップしちゃってるし・・・
フィアットも何が何だか解らないと云った混沌の渦中、さても理由は定かではないが、
兎に角「500」の数字は使わない「Cinquecento」となったのではないか?
と勝手に想像してるんだ。

更に言うと、1998年にチンクエチェントの後継車として
「セイチェント」という車種が発表されたが、
そちらも生産が終了すると、500「チンクエチェント」の名称すらも、
現行500に取り上げれてしまい、
ごく一部のエンスー意外には忘れ去られるどころか、
全く存在すら気付かれなかったと云う
稀有な存在の珍車なのである。




スマン、長いので一旦切るのだ(笑)以下次号。



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将来への指針とか、絶対音感とか(後編)


 過日、子供が習っているピアノの話でね、現在ウチにあるのは電子ピアノという、
電気で音をコントロールするタイプのモノである。
我々にはピアノの音にしか聞こえない。
スイッチを入れないと音がならないのと、高さが無いから電子なんだと解る程度だ。

 最近、息子とピアノの先生が口を揃え、本物のピアノ購入の検討をして欲しいと
云い放つのだ。ふむ。君はピアニストにでもなるつもりなのか?と聞いてみた所、
そのつもりは無いが、電子ピアノのタッチに限界があるのだとの事。
サッパリ解らん顔をしていると、息子曰く、
「お父さん、自転車と同じだよ。いくら強い選手でも、ロードレースの練習や試合を
 ママチャリでやる人はいないでしょ?」

むむぅ。成る程云い得て妙である。結構な出費だぞこりゃあ・・・。

 てな訳で、年一回東京で開催されるピアノの展示即売会ってのに初めて行ってみた。
凄い人だ。こんなにピアニストっているのか!ってな盛況っぷりである。
ヤマハとかカワイのアップライトピアノなんか、十万円程度のモノもあるんだ。
そして新品ばかりでなく中古品もあり、その中古品が必ずしも 安いとは限らないのだ。

 現行品では生産する事が出来ない云々・・・とか、妙な能書きがソコ此処に書いてあり。
我々素人は、そんな能書きを読んで、適当な鍵盤をボコボコーンなんて
叩いてみるだけで、まるで暇である。たまに珍しい海外製品とか
(猫足スタイルの調度品みたいなヤツだ)を
見つけると、やおら息子を呼び付け、

「おい、これはどうなんだ?」

なんて引っ張って来るとね、
息子はすこぶる迷惑そうにチョロンと弾いて

「あ、駄目だねこりゃあ」
なんて言って、ぷいっとよそへ行ってしまう。

「何でだ?調度品みたいな脚だぜコレ、猫の脚みたいでカッチョイーじゃん。」

「お父さん、ピアノは脚が音を出すんじゃないんだよ。
 ましてや置物じゃああるまいし。」

なんて諭される。その昔家にはオブジェと化したピアノがあったのだが、
ただの置物だったので、ウチの父親が知り合いに呉れて来ちゃったから、
ピアノは置きモノであるというイメージが強い。

 会場に100台はあろうかというピアノを彼らはピコピコ打ち鳴らし、
おおかたの所、3台のピアノに絞られたのだ。いずれも1台限りの中古品である・・・が、
なみいるそこいらの新品スソモノピアノが数台買えそうな価格・・・ヒョエー。

お父さんは薄給なのであるぞ、息子よ。

 聞くとどうやら理想としてはグランドピアノがベストなんだと先生と口を揃えるが、
借家住まいで何がグランドだって話でね、それは女房が全力で却下。
で、その残った3台、最後にはハナっから消音機能が付いているタイプの
オールドピアノに落ち付いた。どうもその一台が一番グランドピアノの音に
近かったそうである。

 そんな話をしているうち、ふと大学時代の先輩が辻堂で経営する自動車屋を
思い浮かべて可笑しくなった。こだわりや音色など、その特徴を最大限生かすのに、
新品も中古も無いんだ。

 楽器もジドウシャも自転車も、どんなモノでも、愛情をこめて
維持したり管理したりすればする程、時代を超越して
理想のスタイルに近づけるのかも知れないね。


そんな訳で、お父さんは一生懸命金策中ナウ。とほほのほ。



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将来への指針とか、絶対音感とか(前篇)


 親を務めるとは、誠に大変な所作であるね。

 現代社会はね、勤めていれば偉くなる、とか、所謂年功序列で一億総中流意識的発想などは
とっくの昔に崩壊し、明日も解らない様な危うい生活を強いられていて・・・
なんてね、先行き不安な要素は満点だが、決して贅沢では無いが、
細々と生きる事なら出来ると云うね。

ま、ジタバタしたってどうにもなりませんからね。今出来る事をコツコツと行うとさ、
たまには面白ぇ事だって起きると云うモノさ。

 先般、珍しいモノをネットで発見したので、少し追いかけて見たんだ。
タカラ(現タカラトミー)が発売している「チョロQ」という、
ジドウシャをデフォルメして再現し、プルバック方式で自走し、
且つ車体後部に10円玉を差しこむと、ホイールリフト(ウイリー)しながら
走行が可能で、1980年頃に正式に販売されたんだそうだ。
そう考えると息が長い、長寿玩具であるよね。

 そんなチョロQ的デフォルメを施した自転車が、ヤフオク検索でたまたまヒットし、
しかもかなりの安値で、一応落札に参加して見たが、同時にその自転車をもう少し
検索して見たんだ。すると、一部のネット販売の業者が頻繁にヒットするのみで、
他はどうやら完売、とか、削除されたりとかしていて、謎めいている。
どうやら2003年頃の企画のモノの様で、新車が流通している事は先ず無い筈なんであるが、
現代的通販業界事情の妙で、どうやら「流通在庫」ってモンが存在するらしい。
ま、売れると思って資本力にモノを言わせて大量に買い込んだが、
割と不良在庫になっちまったって体の話だろうね。おそらく。

 こう云った出自の面白そうな自転車は、何としても手に入れて見ないと、
詳細が解らないからね、俄然頑張って見たのだよ。ヤフオクは安値で落札されたが、
ネットでも新車価格の半値で売っているのだから、仮にヤフオクで落札して、送料払うと
大した差異が無く、程度も不明なので、高値更新された時点で降りる事にした。

 で、某ア○ゾン系列のネットで、送料も無料と来た。
届いた自転車は、完全組み立て配送と謳っていた通り、小さい自転車におよそ似つかわしくない
巨大な箱で届いた。少し笑ってしまった。

 箱から出すと、なるほど組み立ててはある。…が、一目で直ぐには乗れないと悟る。
何しろ怪しげな蝶番とクイックがハンドル周りに沢山付いていて、如何にも怪しげな
光を放っている。長年の流通在庫だけあって、フレームには小傷が沢山あって、
タッチペン処理があちこちに施されている。これには苦笑いだ。

 とりあえずバラシて見た。前後ハブのハブナットがダメダメで、日本製のママチャリ用に
交換する。片側なんか最初っからナットが半ナメ状態で、外すのにも一苦労。
幸い、ハブ軸のネジ山は正常だったので、ひと安心である。

 折り畳み式のハンドルポストに、アヘッド型ステムを付けたかったらしく、タダの棒に
ファングルナットを打ち込んだ棒がクイックで(!)止めてある。
・・・ヒュウ。チャレンジャーだなぁ。このファングルナットもダメダメで、一旦取り外し、
正常なスターファングルナットを打ち込み、同時にクイック止めの部分を
ボルトナットで絞め込んだ。クイックを絞めつけて試走した所、いとも簡単に
ハンドルが明後日の方向を向いてしまい、死ぬかと思ったからである(笑)。

 ・・・と、この様に沢山のモディファイを施し、やっと満足に乗れそうになったんだが、
どうにも心もとない走りであるが、そこがまたたまらなく愉しげな自転車なのだ。
見た目が異常にキュートだ。それだけで存在価値は充分だ。が、である。
これを一般の素人さん、しかも自転車に対しての知識の無い人に売るのは
どうかと思うよ。購買側も相当な知識と覚悟を以てすれば、愉しめるが・・・
ネット販売の自転車の大いなる問題であるよね。
販売方法や安全性の維持に限界があるので、売買成立後は購買者責任という、
何とも乱暴な手法である。
ネット販売の自転車の安全神話は購買側の勝手な思い込みであり
殆どの人はどこがどう駄目であるのかも見分けが付かないのだと思う。
言ってみりゃあ、海でフグらしきものを釣り上げ、それを何の知識も無い人間が
捌いて食っちゃう位危ない事だねぇ。

因みにその自転車について来た保証書でメーカーが判明したので、
その自転車についていくつか質問をしてみた所、金輪際この手の自転車を
企画製作する予定は無いと云う。

あの応対から察するに、販売後よほどご苦労をなさったのだろうと
容易に推察が出来た。

それらから総合的に鑑みても、以前BIANCHIでリリースしていた「ノビータ」の
出来の良さは特筆モノだったと云えよう。

 ま、見た目と、チョッとした移動にはすこぶる便利そうなので、
ジドウシャに積載しておくといった使い方が適しているのかもね。
サーキットのパドック移動用とか、都市部の駐車場からの移動とかね。

 また前置きが長引いたなぁ。
まぁいい。
やっと親の務めって話である。

・・・長いから以下次号(笑)。

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