⬆️このお話の続き
ケントの2歳のお誕生日に母がサッカーボール⚽️を贈ってくれた。
ケントは大喜びだった。
庭が狭かったので家の前の道路でさっそくボールを蹴り始めた。
幸い,車はほとんど通らなかったが、さすがに一人で出すわけにはいかず,わたしは道路で遊ぶときはいつもそばについていた。
ケントは飽きることなくボールを蹴り続けた。
ある日,朝から雨が降っていた。
しかし,ケントは「アッカー(サッカー)やる!!」と言って,外に出ようとした。
「ケンちゃん,今日は雨が降ってるからおうちの中で遊ぼうよ」
「ケン,アッカーやる」
「ママ,紙芝居するよ。
レゴで遊ぶ?」
「ケン,アッカー」
何を言っても聞かず、結局雨が降る中,外でアッカーが始まった。
仕方なく,傘をさしてそれに付き合った。
まぁ しばらくやって,気が済んだのかいつもよりは早く切り上げた。
とにかく一度言い出したら,それをするまで言い続けるってことが続いていた。
それに加えて,ケントは言葉が遅く、2歳になっても、
「ケン、遊ぶ、公園」「ママ,一緒、寝る」みたいなしゃべり方だった。
1歳半検診でも,動き回ってることや、言葉が遅いことなどから、「障害があるかもしれませんね」と言われていた。
そのときは、「何を言ってるの!!」と腹立たしい感じだったが,今思えば,その兆候はすでにたくさんあった。
でも,わたしは自分の子しか育てたことがないので、動き回ることも,同じことを言い続けるのも、言葉が遅いことも、子どもってそんなもんだって思っていた。
他の方から見たら、ケントは随分と大変な子に映っていたようだし、実際,大変ではあった。
ただ、30年も前のことだから,このときはケントと発達障害を結びつけることはなかった。
続く
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