やっとの思いで熊本から帰り、小児科を探した。


幸いママ友から良い小児科を紹介してもらった。



その先生は障害をおもちで、先生の言葉はほとんど聞き取れなかった。


横で奥様が通訳のように先生がおっしゃったことを伝えてくださった。

なんとか聴診器は当てることはおできになったが、ご不自由な感じだった。

ケントの状態はかなりひどいものだった。

下痢は続き、高熱を出していた。

本当なら入院した方がよいような状態だったようだが、先生はおっしゃった。

「ケント君の自己治癒力とお母さんの力で治して行きましょう」

そして、分厚い医学書を開き、ここを読みなさいとおっしゃった。

ケントの病気について書かれていた。

薬はビオフェルミンだけ出します。

ケント君のミルクはボンラクト(大豆たんぱくを用いて作られた育児用粉乳)に変えてください。

そして、にんじんジュースをお母さんが作って飲ませてください。

その後、どれほどにんじんをすり下ろしたことか‥

しかし、なかなかケントのウンチは固まらず、おむつを替えるたびに泣きそうになった。

それでも、先生は必ず治るからと励ましてくださった。

ようやくウンチが固まり始めたときは嬉しくて、

先生に報告するのが待ち遠しかった。

しっかり固まるようになったのは、秋も深まった頃だった。

なんと3ヶ月間、わたしはせっせとにんじんジュースを作り続けた。

関係ないと思うけど、現在ケントはにんじんが大嫌い。

あれほどお世話になったのに‥

続く