昨日の続き。
次男にいったい何があったのか?
次男はそのとき,介護付き有料老人ホームで働いていた。
ホスピタリティが高い次男はお年寄りの人気者だった。
「お母さま,わたしがラジオ体操の担当のときに,お年寄りがたくさん集まってくださるのです。
お茶タイムのときには,おいしい飲み物を心を込めて入れさせて頂きます」
「『おいしいココアを喜んで!!』そう言ってココアを作るのですが,お年寄りはとても喜んでくださいます」
帰ってくるとそんな話をしてくれた。
しかし,あるとき次男は仕事の途中で帰ってきた。
元気がなかった。
お世話をさせて頂いていたご老人が出勤してみると、突然お亡くなりになっていたということだった。
ご高齢の方だったし、そういうことは起こることなのだと思うが、次男は泣いて泣いて何もできなくなった。
上司が帰って休むように言ってくださり,次男は帰宅した。
そして言った。
「わたしにはこういうことは、耐えられそうにありません。
この仕事を続けることはできません」
しばらく働いたが辞表は受理され,次男はその仕事を辞めた。
辞めることをお年寄りに告げたとき、「こんなに優しくされたのは初めてだった」と涙を流されたと言っていた。
上司からも「また戻ってきてください」と言って送り出してもらったようだ。
入社して4ヶ月、短い時間だったが,次男はたくさんの経験をした。
辞めてから,本当に自分がしたい仕事はなんなのか次男の模索が始まった。
そして,次男がやりたい仕事がようやく見つかった。
就労移行支援の指導員になることだった。
茨の道の始まりである‥