⬆️この話の続き。
結局、2時間くらい経って、ようやくわたしが入れた5円玉たちは青いお皿に入れられて、業者の人から銀行の方に渡された。
ようやく帰れる。
銀行の方から呼ばれたので、行ってみると5円玉を渡された。
「両替は今はできないですよね。
また、出直した方が良いですよね」
「両替はできません。接着剤を完全に取ってもらわないと両替機が詰まって故障の原因になります」
「昨日の方は、乾かせば読み取れますとおっしゃっていましたが、ダメなんですね」
「はい。そうです」
「お金って捨てちゃダメですものね」
「はい。ダメです」
「もし、このままなら使えないし、つまり、家にずーっと置いとくしかないってことですね」
「それは、わたしからは何も申し上げられません」
「本当にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
色々とありがとうございました」
銀行の帰りにホームセンターに寄って、700円くらいの接着剤おとしを購入した。
母は、1個につき10分くらいかけて一つ一つ磨いている。
ちなみに、宝船を壊すのに3時間か4時間かかり、銀行で2時間待ち、接着剤を落とすのに1個につき、10分。
5円玉の数は数えていないが、母の予想では1000円くらい。
しかし、母はやることがあるのは嬉しいとせっせと磨いている。
この宝船は、多分50年くらい前に頂いたもの。
50年経って、こんな展開になるなんて宝船の製作者は思いもよらないことだっただろう。
思いを込めて作ってくださったのだと思う。
でもね。
お金で作っちゃいけませんね(๑˃̵ᴗ˂̵)