わたしは独身のとき、10年くらい毎週お茶のお稽古に通っていた。



織部流という非常に珍しい流派だった。



お茶会でお手前をすると、「一生のうち一回でも織部流のお手前を見たかった。見ることができて本当に感謝しています」と深々と頭を下げられることもあった。



あるお正月、お茶のお稽古の先生は一人でそのお手前を全部ビデオに撮っておられた。



もう40年以上前のことで、ビデオも高価だった。



そんなことは、初めてのことだった。



そして、その2ヶ月後、先生は突然倒れてお亡くなりになった。



まだ、お若かった。



先生が撮っておられたお手前のビデオとまだ新しいお茶室が残された。



しばらくして、わたしはお茶のお稽古に行くことをやめた。



でも、その10年間で茶道を通して学んだ日本のすばらしい文化のことは心にしっかり残っている。



美しい動きの中に意味があり、無駄がなくとても合理的だった。



ちょっとした所作は生活の中でも生かされた。



先日、友人がお手前のYouTubeを観てほしいと送ってくれた。



流派は違うが、久しぶりにお手前を観た。



あの、凛として静かな時間がよみがえむてきた。



なんとも落ち着く。



秋の夜長、よろしければご覧くださいね。







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