しかし、ケントは怒鳴ることによって発散したのか、結局2人で、お互いこんなに大変な思いをしたのだから、
慰謝料をたくさんもらおうということで一致した。
ケントは大腿骨の粉砕骨折で、足にファスナーのような長ーい傷がしっかり残った。
金具は1年間そのままで、翌年に棒を取る手術をまた受けなくてはならない。
陸上部の大会にも出られなかった。
バイトも休み過ぎでやめざるを得なくなった。
そして、買って3日目のバイクは大破して処分となった。
命があって良かったが、ケントはこの事故でたくさんのものを失った。
その怒りと悔しさをわたしにぶつけたのだ。
わたしにぶつけてくれて良かった。
つづく