朝から、いったいなんなのだろう？
看護師さんからの電話だった。
「ご本人の、たっての願いでICU は出て頂きました」
その言葉を聞いただけで理解した。
「また、やらかした！！」
病院へ行くと、詳細が分かった。
ICU は家族しか入れなかった。
彼女は家族ではない。
つまり、ICU にいたら、彼女には会えない。
ケントは「彼女はファミリーだ。なんで入れてもらえないんだ」とさんざん訴えたらしい。
しかし、ルールはルールで、入れないものは入れない。
そこで、「オレをここから出せ！！」ということになったようだ。
それが、「ご本人のたっての願い」ということだった。
やれやれ、だったが、なんであれケントはICUを出ることができた。
ICU は出ることができたものの、大腿骨の粉砕骨折という大きな問題が残っていた。
つづく
