ケントは壊れたように同じことを言い続けたり、怒鳴ったり、激しいところと、心優しい部分とその差が激しかった。
特に、高熱を出して具合が悪いときは、まるで人が変わったように、静かで穏やかで優しくなる。
そうでないときは激しいエネルギーに翻弄されているような感じなのだ。
それで、聞いてみた。
「ケントは熱を出しているときって、すごく静かで優しい感じになるでしょ。でもそうじゃないときはなんかいつもイライラしているじゃない?
ケントにとってどっちが楽なのかなぁ?」
ケントの答えは「どっちもしんどいよ。体がしんどいのも嫌だし、イライラ怒っちゃうのもしんどい」だった。
そりゃーそうだろう。
なんて酷なことを聞いたのだろうと申し訳ないような気になった。
でも、その頃からうっすらとケントには何かあるのかもしれないと思うようになった。
つづく