顔面が血だけだったのは、たまたま転んだところに石があって、その石で額を切って、そこで大泣きしたので、血の巡りが良くなって、血が吹き出したということだった。
さすがに病院に連れて行った。
かなり切れていたので、額を縫うことになった。
麻酔の注射をするために、看護師さんが次男をいきなり押さえつけた。
もちろん、暴れられると危ないのでそうしたことは分かったが、次男は突然看護師に自由を奪われたので泣いて暴れた。
わたしは「ちょっと待ってください」と言って次男に説明を始めた。
ちなみに次男はそのとき、2歳だった。
「たっちゃん、転んでおでこを切ったでしょ。そこから血がたくさん出たから、そこを縫うんだよ。
でもそうすると痛いから麻酔の注射をすると縫うときに痛くないの。
でも、注射をするときにチクッて痛いんだけど、ガマンできるかな?」
次男はうなづいた。
そして、看護師に「お願いします」と言って麻酔の注射を打ってもらった。
次男は注射のときも縫うときも、全く泣かなかった。
ドクターも看護師もびっくりしていた。
次男が泣いて暴れたのは、何をされるか分からない恐怖があったからだ。
これから、なんのために、何をするのか分かっていれば、恐怖で暴れることはない。
どんなに小さくても、その説明を受ける権利がある。
ドクターが説明をしてくだされば、親は黙っていても良いが、説明がない場合、わたしは横でずっと説明をしている。
「これから喉が赤いかどうか見るから、棒を口に入れる。ちょっとウェッてなるかもしれないけど直ぐに終わるからね」そんな感じの説明をする。
特に次男は多動に加えて喘息もあって病院に行くことが多く、1番説明をしたと思う。
そして、広島の小児科で忘れられないドクターに出会った。
つづく
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