そして、わたしは子どもに手がかからなくなって、一人でお出かけができるようになってから、ちょって困っているお母さんを見かけると、声をかけて手伝ったりするようになった。



ベビーカーをかかえて、階段を登ろうとしているお母さんに声をかけて、一緒にベビーカーを持って階段を登った。



その方は「こんなに親切にして頂いて、本当にありがとうございます」とおっしゃった。



「わたしもね。4人育てたのよ」と言うと、その方の目は涙目になった。



わたしが子育てをした頃は、そんなにバリアフリーも進んでいなかったから、ベビーカーをかかえて階段を登ることはときどきあった。



その中で1回だけ助けて頂いたことがあった。



彼女が「こんなに親切にして頂いて‥」と言って、涙目になったということは、それまでそういうことはあまりなかったのだろう。



短い彼女とのやり取りだったけど、心があったかになった。



わたしは心からのエールをそのときに送ったのだ。



それをそのお母さんはしっかり受け止めてくださったと感じた。



そして、彼女はこのことを忘れずに、きっといつか同じことをするだろうとそのとき、はっきり思った。



つづく



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次回、ケントのzoomお話会は「思春期からおとなになってから」8月13日金曜日、夜の9時からです。

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