「船が港を出て、故障したり、摩耗したり、その度に積んでいた部品と交換して、再び港に戻った時、
最初出港したときと全てが違っています。

お母さまは最初の船と戻ってきたときの船は同じものだと思いますか?

それとも、別のものだと思いますか?」




「だって、本体は一緒でしょ?」




「いいえ、全て変わっています。

変えることができるんです。

何一つ同じものはありません。

そっくり変わっています」




「でもさ、魂は同じだから、まわりがどんだけ変わっても同じだって思う。

ものだって、生きている以上は、魂があるものね」




そのことについてしばらく話した後で次男は言った。




「わたしは変わっていると思うんです。

ですから未来の自分に期待して、

未来の自分ならきっとやってくれるだろうと信頼して、未来の自分に丸投げすることができます。

そうやって、わたしはやってくることができました」





「どこかで聞いたことがあるぞ」と思ったら、次男が書いた本に同じことが書かれていた。






『色々なことを試してみました。ポジティブシンキングは、意味がなかったです。できることに着目しようとしても、自身のだめなところはどうしても無視できませんでした。

次に勇気を出そうとしてみても、最初のたった一歩が踏み出せなかったのです。勇気を振りしぼることができませんでした。何か自信につながる経験なんて思いつきません。あったとしても、それ以上に失敗が怖かったのです。だから自分は、どんなに考えても一歩を踏み出すことができなかったのです。

そうして、最後に残された選択肢、それを自分は選びました。本来ならば許されないその行動は、逃げ癖をもっている自分にはお似合いの選択肢です。「丸投げする」。それが自分に一番合う最高の選択でした。

その意味は「これから行わなくてはならない困難を、未来の自分に丸投げしよう」というものです。』


「ADHDと自閉症スペクトラムの自分が見つけた未来」

ぶどう社 p129より引用





今、色んなことができない自分と、未来の自分は違うと次男は考えている。




未来の自分ならきっと、やり遂げてくれるだろう‥




この本を書いたときの次男は24歳。




つまり、2年前だ。




確かに、今の次男は自分のやりたい仕事を見つけて働いている。




未来の次男はそれをやり遂げた。




今の自分と未来の自分が別物だとは、わたしは思わないが、次男が未来の自分に託しながらやってきたことはよく分かる。




それにしても、未来の自分に期待できるってすばらしい。




不安や恐れではなく、きっと大丈夫って自分を信頼する。




そして、その期待は裏切られなかった。





明るい未来を思い描くって、

やっぱりすばらしい*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*





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ぎゃくたい☆サバイバー「こじらせルンちゃん」
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