戯画 アオナツライン プレイ後の感想・レビュー | ホーリーの雑記帳

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3/29に発売された戯画の「アオナツライン」をプレイし終わりました。

等身大の青春を感じられるすごく面白い作品でした。

私が今までにやったエロゲの中での最高傑作です。

そんなアオナツラインの感想をまとめたいと思います。

 

■公式サイト

戯画『アオナツライン』Official Website

 

 

■雑感

アオナツラインは等身大の青春ストーリーというコンセプトに対して一切ぶれることなく直球ど真ん中で切り込んできた作品でした。
良い意味で最近のエロゲぽくない作品だとと感じます。
ストーリー、キャラクター、立ち絵、イベントCG、背景、声、BGM、挿入歌、演出、彩色、などなど

ノベルゲームを構成する要素の全てが「等身大の青春ストーリー」というコンセプトに対して一切ぶれていなかったのが本当にすごいと思いました。
きっとディレクターがスタッフ全員を完成形へ導くためにうまく舵取りできたからだろうなと感じます。
特別なことはあまりしていないと思うのですが作品を構成する要素一つ一つが全て丁寧に作られ、それらが一つの作品として掛け合わされた結果とんでもない作品になったと感じます。
甘酸っぱかったり眩しかったりした青春のキラキラした面だけでなく、青臭かったり未熟だったりしたことからできてしまう青春のほろ苦さや痛みも丁寧に丁寧に描いているところがとてもよかったです。
アオナツラインは私が今までやったエロゲのなかで一番の最高傑作でした。

夏休みに上映される少女マンガ原作の映画をエロゲに落とし込んだ作品だと感じました。
そのため刺さる人にはとことん刺さりますが、普通と感じてしまう人もいるでしょうし、嫌いな人はとことん嫌いな作品だろうなと思います。

私の場合とことん刺さりましたのでもう最高!という感じでした。

 

 


○立ち絵
良い意味でエロゲぽくないうみこさんの透明感ある立ち絵がとてもよかったです。
作品ではころころと表情が変わるのもよかったです。

 


○イベントCG
塗りが本当に綺麗でした。
特にプールで水をかけあうCGは水しぶきの表現や服の透け具合の表現がすごくよかったです。
うみこさんの原画ももちろん良かったのですが、これほど青春の1ページを感じられるCGになっていたのは塗りの力が大きかったと感じます。

 


○背景
太陽が照りつける夏の江の島周辺をうまく切り取った背景だなと感じます。
現実感のある背景だからこそキャラクターがあの世界で生きているのではないかと思えると感じます。

 


○声優
海希も結もことねも声優さんがぴったりはまっていました!!
小鳥居さんが演じる幼なじみキャラクターは最高ですし、実羽さん演じるお嬢様キャラクターは最高ですし、夏和小さん演じる生意気後輩キャラクターも最高でした。
3人とも最高のキャスティングです!!

 


○BGM

登場人物の心情に寄り添っている感じがとてもいいなと思います。
日常の時は日常の雰囲気の、アンニュイな時はアンニュイなBGMなどなど…
「等身大の青春物語」という雰囲気を作り上げるのにこれらのBGMの役割はすごく大きいと思います。

キャラクターの心情に寄り添ったピアノをメインとしたBGMがとても心地よかったです。
プレイしていてすごく心地良い雰囲気を作り出せていたのは間違いなくBGMのおかげだと感じます。

 


○挿入歌・エンディング
どの曲もストーリーや場面に合っていてすごく良かったです。
挿入歌とエンディングがゲーム内で流れたときはすごく作品の余韻を感じられました。
曲を聴くだけで作品のよさを感じるほどです。

どのボーカル曲も好きで繰り返し聴いています。

 


○演出
特にオープニングの入り方が素晴らしかったです!
体験版をやっているときに初めてゲーム内でオープニングが流れるシーンを見たときは鳥肌が立つほどでした。
またエンディングの入り方もすごくよかったです。まるで映画をみているかのようでした。
シネマティックってこういうことなんだなと思うほどでした。
また、環境音や光の揺らぎの演出もすごかったです。
トンビやセミの鳴き声に雨や電車の音etc、環境音にこだわっている事で現実感が増していると感じました。
他にも夏日の照りつけや西日の揺らぎの表現もよかったです。綺麗な背景がより映えていると感じました。
背景をぼかすことでキャラクターに集中させる演出もよかったです。

 


○ストーリー
甘酸っぱかったり眩しかったりした青春のキラキラした面だけでなく、青臭かったり未熟だったりしたことからできてしまう青春の痛みも丁寧に丁寧に描いているところがとてもよかったです。
付き合ってからもうだうだ主人公が悩んだりしてしまいますが、その悩みも学生なら悩んで当然なことだと感じました。
主人公の悩みに寄り添うヒロインの姿がとてもよかったです。






■各ルートの雑感(ネタバレを含みます)

推奨順は結→ことね→海希だと思います。
サントラの収録順も上記の通りなのでおそらく制作陣の推奨順も同じかなと思います。

○結ルート

青春に憧れていたのか?それとも達観との恋に憧れていたのか?
それに気づいたときの結がかわいかったです。
お試しで達観とつきあうときはことね同様にお試しの意味あるの?と思っていました。
とにかく初デートのシーンがめちゃくちゃ甘くリア充爆発しろと思ってしまったほどです。

また結のお父さんもいい味を出していました。
過保護なところに加え大人の力を感じさせるところが魅力的でした。
結のお父さんにグサリとやられ悩んでしまう主人公にはそりゃそうなってもおかしくないなと思っていました。
「自分らしさ」に思い悩んでしまうところも学生っぽいなと思ってしまいました。

ラストのポケットティッシュが結んだ繋がりの描写がとてもよかったです。

個人的には海希の初恋が実らなかったシーンや、思い悩む結に海希が諭すシーンが結構好みでした。



○ことねルート
制作陣からチョロいと言われていたとおりチョロかったです。
主人公に惹かれていくところやことねから攻勢をかけるシーンがとてもかわいかったです。
主人公のことを「達観くん」と呼んだりタメ口で話すようになるシーンやその後の自宅で悶えるシーンがとにかくかわいかったです。

雑誌に掲載してもらえたことから芸能界を目指すようになるという展開でしたが、芸能界への目指し方に現実感があるのと芸能界に入ってからの過酷さもちゃんと描写されていたのがよかったです。
悪徳スカウトに対峙する達観がかっこよかったです。

 

夢を追うことねの姿はとても眩しく、その眩しさに卑屈になりそうになってもことねを支え続けようとする達観と、そんな達観に支えられたから夢へと踏み出せたことねの姿がとてもよかったです 。


ここで終わり!?というラストでしたが余韻を感じられるラストだったのでこれはこれでアリだと思います。
ラストの先をみたいというのは野暮だなと思いました。

個人的にことねルートが一番好きなルートでした。

ここかわいい

この表情好きです

 

 

○海希ルート
海希ルートというよりも海希・千尋・達観の3人のルートでした。
先に少しだけオトナになってしまいまわりの目を気にするようになった海希、それに気づかず今までどおりいようとした達観

あの夕暮れのシーンは心をえぐられるような描写でした。
思春期の幼なじみには恐らくよくあることでしょうし、海希のことも達観のことも悪いと責められなかったです。
それを繋ぎとめていたのが千尋で、千尋と達観が親友になるシーンもすごくよかったです。
千尋が達観に対してすごく感謝していることが伝わってきました。
そんな3人だからこそのラストシーンがすごくよかったです。

 


この動画をみた時は達観と千尋と海希で三角関係になってギスギスするといううわキツ展開を想像してました が全くそんなことはありませんでした。

ただ三角関係以上にキツイ展開でした…
でもこの5人なら絶対に乗り越えられるだろうなという展開でよかったです。



■不満点
重箱の隅をつつくようですがいくつか不満もあります。
・乗り物に乗っているときにテキストがゆれてしまうところ
 酔いそうになりました
・別人のようにみえてしまうイベントCGがあること
 立ち絵とイベントCGで人物の雰囲気が違うことがあり別人のようにみえてしまうイベントCGがありました
・設定を無視したイベントCGがあるところ
 海希ルートのラストシーンのイベントCGが身長の差を無視しています
・構図がよくないのか抜けないところ
・野外や学校でのシーンが多いところ
 そこでするの?と思うシーンが多かったです


■総評
等身大の青春ストーリーというコンセプトに対して一切ぶれることなく直球ど真ん中で切り込んできた作品でした。
立ち絵もストーリーも良い意味で最近の作品ぽくないと感じます。
ただ刺さる人にはすごく刺さる作品ですが、人によっては普通と思う人もいるだろうし、つまらないと思ってしまう人もいると思います。

作品全体から漂う青春の雰囲気を楽しめるかどうかがカギになると思います。

まずは体験版をやってほしいです。体験版で面白いと感じた人はぜひやってください。

損はしません。

 

 


■余談
アオナツラインのことを知ったのは11月の終わりくらいで確か誰かのRTで回ってきたと思います。
そのときからうみこさんのエロゲぽくないイラストがすごくいいなと思っていました。
毎週の更新でサンプルボイスやプロデュースノートが追加される度に期待値は高まるばかりでした。
体験版をやってこれは名作になるぞと思ったのですが、1回やって面白いと思っても2回目はつまらないこともあるぞと思い体験版を再度やりましたが2回目もとても面白かったです。
体験版のおかげで上がりに上がった期待値のハードルをアオナツラインの本編は軽々と超えていきました。
最初に書いたとおりアオナツラインは私がプレイした中で最高傑作です。

学生にもプレイしてほしいのでコンシューマー版もでてほしい作品です。

あと設定やイベントCG、制作陣や声優さん、原画家さんのインタビューがのったビジュアルファンブックが欲しいです!!!